先日のお休みは、ジャン=リュック・ゴダール監督の遺作『ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争』を観てきました。

 

 

本作の原題は、『決して存在することのない「奇妙な戦争」の予告編』

“奇妙な戦争”は、生前のゴダールが企画していた構想でしたが、その映画は完成することはなくゴダールは安楽死を選びました。

長編映画の完成を諦めたゴダールでしたが、その代わりに約20分の短編映画となる本作を遺しました。

そして、それが私達が決して観ることのできない映画の予告編だなんて、、

ゴダール、最後までカマしてくれます。

 

 

冒頭、アーサー・ペンの『奇跡の人』の抜粋写真に、手書きで「映画『奇妙な戦争』の予告編」と書かれたコラージュの静止画から映画は始まります。

しかし、無音で続くその静止画は長い時間次のカットに進みません。

僕は心の中で笑けてきました。

 

ファスト映画とか“タイパ”とか言う言葉まで生まれるような、日々時間に追われて忙しすぎる現代に向けて、ゴダールはたった一枚の静止画だけで痛烈な批判をしています。

もう、言葉さえも必要ない。

 

その後も、自身が一度破壊した映画の枠組みをさらに解体して、さらに自由に再構築したような斬新過ぎる構成のオンパレードで、これは計算し尽くされた超難解なものなのか、それともその大部分は人生の最終盤を迎えたゴダールの気まぐれによるものなのか、浅学の僕には解りかねました。。

 

でも、最後のゴダールの勇姿を映画館で観ることができて良かったです。

まだ観れていないゴダール作品も多いので、それらを観ることもこれからの楽しみです。

 

まだゴダールを観たことがないという方は、まずは彼の処女作『勝手にしやがれ』を観てみてください!

Posted on 03.08.24

先日の水曜日は、仕事を少し早めに切り上げて、心斎橋CONPASSへライブを観に行ってきました。

 

オーストラリアのメルボルン出身で、現在はロンドンを拠点に活動するバンド,HighSchoolの初来日公演。

 

 

 

僕自身、コロナ以降ライブに行ったのは初めてで、久々のライブでした。

でも、メチャ良かった!

 

The SmithやNew Orderを彷彿とさせる楽曲の数々。

2021年に発表されたEPを聴いてから、ずっと彼らのことはチェックしていました。

まさかこんなインディロック好きの間でもまだまだ知名度も低そうなバンドをよく大阪にも連れて来てくれました。

 

小ぶりな会場には、やはり外国人も多かったですが、20代と見受けられる若い層のファン達の姿も意外と見受けられて、若い世代でもこういう音楽を聴いている子はまだいるのだなと少し嬉しくも思いました。

そういう子達は、ファッションにもちゃんと独自の個性があってオシャレな子が多いです。

そして見た目が地味めでこういう音楽聴いてる子は、さらに面白い。

 

 

物販では、HighSchoolを大阪にも呼んでくれたORMさんのマガジンと来日公演限定のCD(ライブが終わってからサインをいただきました!)、そしてライブ前には買わなったTシャツがあったのですがライブが良かったので彼らにさらに一票投じる気持ちでそれも購入させていただきました。

結局、売ってるものは全部買いました笑

 

HighSchoolもORMも、今後の活動にもますます期待しております。

知らない方は、よろしければぜひご視聴してみてください!

 

 

 

Posted on 02.17.24

いつもお世話になっているアーティストの荒木志華乃さんの個展が心斎橋のギャラリーササキ商店で開催されるということでDMを持ってきてくださいました。

 

 

 

荒木さんは、老舗カステラとして有名な長崎堂の4代目でもあります。

菓子ブランド「黒船」なども手掛けています。

 

センスも経歴も凄過ぎる方なのに、いつもこんな僕にも気さくに話しかけてくださったり本当に良くしてもらっています。

最近では、お母様もご紹介してくださり、いつもお母様の肩を持って付き添ってご来店くださります。

お母様もオシャレで気品があって、さすが名家の血筋だなと感心いたします笑

 

当店の入っている建物に荒木さんのアトリエがあります。

たまにお邪魔した時は、芸術映画で使う為のロケーションかと思うくらい魅力的なインテリア空間に優雅なクラシックが流れており、まるで異世界のようなとても素敵な空気感です。

 

個展のテーマは『imaginal cell』

“五感で感じたものすべては イマジナルセルのなかでディスクとして格納され

そこから伝達される言語はやがて私の創造物として現れる”

 

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もう、凄い次元におられます。

僕も荒木さんの感性を少しでも吸収させていただくべく、個展にお邪魔させていただこうと思っています。

 

展覧会は、2/19-3/4まで開催されていますので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみてください!

 

 

 

お客様が素敵なDMを持ってきてくださいました。

 

 

フランス人アーティスト,アンヴァレリー・デュポンの来日展覧会の案内です。

彼女は、家族や友人から譲り受けた古い布を組み合わせ“彫刻”として新たな命を吹き込む活動をしているテキスタイル彫刻家。
会場となる京都の法然院も素晴らしいロケーションです。

僕は以前、彼女のキーホルダーサイズの作品を購入させていただいたことがあります。
(本当は大きいのも欲しかったのですが、値段に躊躇して現実的な選択をしたんです)

そのキーホルダーを子供の保育園バッグに付けようとしたのですが、奥さんにさすがにそれはやめてくれと言われました。
一般的な家庭の親御さんから見れば、なんてデザインのものを付けさせているのかと思われるのかも知れません。

ということで、会期は2月20日~25日まで開催されています。

 

 

ご興味のある方は、ぜひ京都まで足を運んでみてください!

 

Posted on 02.02.24

先日発表されたジョン・ガリアーノによるMaison Margielaの2024 アーティザナル・コレクションが素晴らしかったのでご紹介させていただこうと思います。

 

 

今でも神格化されるほどの創業者デザイナー,マルタン・マルジェラが去り、その意志を継ぐデザインチームによって継承されていたマルタンイズムの中に、ジョン・ガリアーノがクリエイティヴ・ディレクターとして加入したのが今から10年前の2014年。

 

それからモード界もメゾン・マルジェラも、そして世の中も大きく変貌しました。

今、日本においても、そのブランドを手掛けているデザイナーを知らないで洋服やバッグを買う層が以前に比べてかなり増しています。

大部分と言っても良いかも知れません。

 

街でもマルタンの名作,Tabiブーツや、その派生系みたいな靴を履いている方をよく見かけます。

それらの方の多くが、そのデザインが生まれた背景についてなんて知らないでしょうし、そもそもそこまで知りたいなんて思わないでしょう。

でもそれを自身が買ったことはSNSとかに載せている方も多くいると思いますし、それが“メゾン マルジェラ”の人気商品であることに購買意欲を増す方が多いのでしょう。

 

それはマルジェラだけじゃなく、もともとモードが好きな人しか買っていなかったであろうバレンシアガやセリーヌ,その他諸々のラグジュアリーブランドでも同じような現象が起きています。

 

モードの世界は、SNSの普及や資本主義社会の拡大によって、その価値観と美学を愛する人達が憧れる存在から、一気にマス層へと浸透していきました。

その弊害は色々なところに出てきています。

世の中も、人の思考も、とても薄っぺらいものになってきているなと感じます。

モード界さえも目先の売上に魂を売りました。

 

 

僕自身も以前よりもモードに対する興味は少し薄れ、限定的なものとなってきていましたが、そんな時に今回のガリアーノのショーを観て、「モードってこういうものだったよな」って久しぶりに思いました。

 

 

ガリアーノはもともと、Diorのデザイナーとして素晴らしいコレクションを発表していました。

現在、モード界にいる全てのデザイナーの中でガリアーノを超える才能を持つデザイナーがいるのか?と問われたら、そんなに多くの名前は挙がらないでしょう。

もしかしたらナンバーワンかも知れません。

ある日の夜、酔っ払った彼はユダヤ人を差別する発言をしてしまいました。

今のようにSNSの普及していない時代でしたが、その様子が記録された映像は関係者の目にも留まり、ガリアーノはDiorを解雇されました。

 

それから数年後、モードの世界から追放されて粛々と生きていたガリアーノに救いの手を差し伸べたのはアナ・ウィンターだったそうです。

モード界に強い影響力を持ち、顔の広い彼女は、懸命にガリアーノのデザイナー復帰を手助けしました。

ガリアーノの才能をこのまま眠らせておくのは、何よりの損失だと思ったのかも知れません。

 

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今のモード界は、これまでモードを見てきた目の肥えた人達から見るとガッカリさせられるような状況です。

それは経営陣以外の、モード界の中枢でクリエイティヴに関わる人達は声には出さないけど多くの人が感じていることだと思います。

 

そんな人達にとって、今回のガリアーノによるショーは、“モードな人達”の渇いた心に久しぶりに感動を与えてくれるような素晴らしいものでした。

モードという精神が窮地に立たされた今、一度はモードの世界から追放された人物が今度はそれを見事に救ってくれたような気がしました。

 

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ガリアーノが描く少し歪んだ美的世界観。

今まで見たことのない美しいシルエットの洋服、振付師,パット・ボグスラウスキーによって監修されたモデルの演技のようなウォーキング、まるで陶器のようなメイク、ゴシックで不穏な気配を漂わせるスモーク、ショーの空気を彩る音楽、細部まで作り込まれた素晴らしいロケーションと映像のフレーミング…

息を呑むとは、まさにこのことです。

 

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こんなデザインの服、街で誰が着ますか?

こんなメイクや顔に誰が憧れますか?

 

でも、これこそが正真正銘のモードなんです。

 

ルブタンとコラボしたTabiブーツはきっとセレブ達のSNSには登場するのでしょうけど、ガリアーノ自身が見てほしいのはきっとそんなところではない筈です。

 

今は、このショーの素晴らしさが理解できるような人の感性の方が片隅に追いやられて、ルブタンのTabiブーツを買ってSNSでアップする人やマルジェラの四つ打ちステッチの入ったアイテムをこれ見よがしに上げる人の方が“オシャレ”と一般の人には認識されてしまうような世の中ですが、このガリアーノのコレクションがそんなつまらない世界を変えるきっかけになってくれることを願っています。

 

 

Posted on 01.23.24

最近、お客様からいただいたDMを2つご紹介させていただきます。

 

 

左側の芸術性と可愛らしさが共存した素敵なポストカードは、インクや木炭などを用いて絵を描いていらっしゃるアーティストのいのとみかさんの個展のお知らせとなっています。

ちょうど個展が開催される前にカットしにいらしてくださいました。

 

僕が別のお客様からオススメしてもらった現代思想1月号を待ち時間の間読んでくださっていました。

お客様から教えていただいたものを、美容師である自分を通じて、また別のお客様にご紹介することで、こんな小さな街の美容室を通じてでも小さな文化の循環が生まれていきます。

今の時代は、大阪からも日本全体からも、文化やカッティングエッジなカルチャーに対して興味を持つ人口が益々減ってきていますが、V:oltaは美容室として少しでもそれらを大切にできるサロンでありたいと思っています。

 

いのとみかさんの作品は、以前個展を観に行かせてもらったことがあるのですが、独特なのに親しみやすいような少し不思議な世界観のある作品でとても面白い作品展でした。

今回は、中津のカフェギャラリーで個展が開催されているということなので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみてください!

 

https://kinone.gallery

 

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左のDMは、お客様の勤務されているクリエイティヴスタジオが開催する音楽イベントのDMです。

 

 

こちらは上に書いた現代で無くなってきているものの後者にあたるイベントですね。

その名も『わわわわわ音楽祭』

EGO-WRAPPIN’の中納良恵さんやあふりらんぽのONIさん,民謡クルセイダーズのライブなど、なんだかカジカジとかが東京からも注目されていたり大阪が大阪らしいカルチャーを発信できていた頃のようなイベントです。

このDMを持ってきてくださったお客様は、仕事だけじゃなく、個人でも関西のカルチャーを盛り上げる為のイベントやコミュニティスペースの主催をしたりもしている、とてもバイタリティに溢れた方です。

このイベントも既に前売り券の売れ行きがかなり好調だと聞いて、僕も嬉しくなりました。

それだけ関西にも、まだこういったカルチャーに興味を持つ方がいるということです。

 

最近は、アップカミングなアーティストのライブや興味深い芸術家の美術展なども、東京開催のみで関西には来てくれないというパターンが増えています。

みんなファッションとかにはそこそこ興味持ってる方も多いのに、それに直結する音楽やアートなど,他のカルチャーの分野は全く興味を持たない(ニッチではない)という人が大半のように思えます。

流行を後追いするのではなくて自分らしいオシャレを見つけたり、自身のセンスやバランス感覚を磨くには、それらの要素がとても重要だと思います。

 

こういう場所には、普段なかなか出会えないようなオシャレな人やカルチャーに精通されている人がたくさんいます。

皆さん、ぜひ刺激を受けに行ってみてください!

 

で、その流れでV:oltaにもぜひいらしてください!

長々と書きましたけども、僕が書きたかったのは最後の一行であります。

年度代表盤 2023

2023.12.28.

Posted on 12.28.23

今年も毎年恒例の年度代表盤を発表させていただきます。

 

最近、Apple Musicの仕様が変更され、アカウントに追加した作品の履歴が直近のものしか表示されなくなったことで、この1年で発売されたアルバムがどんなものがあったのかが確認できなくなってしまったので、今年のランキングは例年以上に適当に選び簡素化しました。

 

 

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5th/ Tirzah – trip9love…???

 

今年のポップな癒し系アルバムno.1はこの作品です。

普段、インディ・ミュージックまで掘り下げて聴いていないという方にも、比較的耳馴染みの良いアルバムかと思います。

年末の大掃除の休憩時間にでも、ぜひ聴いてみてください!

 


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4th/ Oneohtrix Point Never – Again

OPNの新譜は、いつでも歓迎します。

『R plus Seven』の頃に比べると、ずいぶん肩の力が抜けてきたのかなと思います。

『R plus Seven』は文句なしの金字塔アルバムでしたが、最近のOPNもこれはこれで大好きです。


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3rd/ CTM – Vind

 

歴史ある建物を見た時のような厳格さと、季節の移り変わりを肌で感じるような叙情的なムードが絶妙にブレンドされた作品。

個人的にCTMのアルバムは毎度外しませんが、今作は特に好きでした。

 

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2nd/ bar italia – Tracey Denim

 

 

最近はロックよりアンビエントやドローンを聴く機会がめっぽう増えましたが、僕が最初に音楽が好きになったのはロックの影響です。

ロンドンでは一時期ロックが停滞していましたが、またここ最近はロック熱も再燃し、素晴らしいバンドがたくさんシーンに現れています。

その中でも、彼らは特にお気に入り。

再来年に控える大阪万博は失敗する気配ムンムンですが、今この時代にこの音を出すバンドがいてくれることを本当に嬉しく思います。

いつかライブを観てみたいです。

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1st/ Laurel Halo – Atlas

 

信じられないだろ?あのLaurel Haloがこんなアルバムを完成させるんだぜ?

僕があだち充さんなら、きっとタッチにこのセリフを入れられるように内容をゴリ押ししてたと思います。

あまりにも美しいアンビエント・ジャズ・コラージュ組曲。

 

英国人チェリスト,Lucy Railton、ノルウェーのサックス奏者 Bendik Giske、Iskra Strings Quartet 所属のバイオリン奏者,James Underwoodなど、脇を固める演奏陣も素晴らしいです。

 

 

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という感じの2023年トップ5アルバムでした。

もしかしたら見落としている作品もそこそこありそうですが…

 

音楽好きのお客様は、またご来店時に今年のベストアルバムを教えてください!

 

お客様の活躍

2023.12.08.

Posted on 12.08.23

学生時代から通ってくださっている現在フォトグラファーのお客様が、この度SPURデビューを飾りました。

 

 

デビュー作にして一気にSPURの誌面クオリティの最上位につけるような、素晴らしい作品です。

 

 

 

 

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これなんかシャンタル・アケルマンの『アンナの出会い』を彷彿とさせるような、ミニマルでストイックな様式美です。

 

彼は、来月号のGINZAでも誌面を担当しているようです。

 

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彼とは音楽や映画の話をよくしました。

僕が彼にクリクリで退廃的なスパイラルパーマをかけた時、「ジーザス&メリーチェインみたいだ」って喜んでくれたのを昨日のことのように覚えています。

 

ファッションっていうものは、多くの人が興味を持ち, ブランドやデザイナーに対する知識もそれなりにある方もそこそこはいると思いますが、音楽や映画に対してニッチな知識を持っていてファッション界で活躍しているような人物は、日本でもそんなに多くはいないと思います。

(ヨーロッパとかにはたくさんいると思いますが)

 

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上に例えでアケルマンの『アンナの出会い』を出しましたが、自分はそこそこオシャレな方だと思っている人でこの作品を観たことがある方はどれくらいいるでしょうか?

おそらくは、アケルマンに興味がある人なら、自分のことをオシャレだなんてそもそも思わない筈です。

もっと自分に対して謙虚な姿勢を持っていると思います。

その対象はアケルマンでなくても、好きな器作家だったり、好きな建築家だったり、そういう“ファッションだけではない”人達にとって様々なものがあると思います。

 

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彼が東京に行ってから、何年もの歳月が経ちますが、東京ではカットせず、いつも大阪に戻ってきた時にカットしに来てくれます。

「東京にはオシャレな美容室がたくさんあるのに、なぜ?」と思う方も多いかも知れません。

 

ですが、V:oltaは、東京にもない価値観を美容室として提案しているという自負も、僕にはあります。

もちろん大したものではないんですけど。

 

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それでも、彼のように、東京でも輝けるような感性を持っている方が、お客様としてV:oltaを選んで通ってくださり、そこで美容師とお客様という関係で趣味の話をしたり、お互いに教養や感性を切磋琢磨し合える環境で働けているということは、自分にとって何よりの財産になっています。

頑張って今のような店づくりをしてきて、本当に良かったと思えます。

 

日頃より顧客の皆さまには心より感謝いたしております。

まだ出会えていないお客様も、ご興味があればぜひ一度V:oltaへいらしてください!

 

 

イム君、メジャー誌デビューおめでとう!

これからの活躍を益々期待しています。

そして、日本のまだまだ世界とは差のあるモード感度を、より世界水準なものに高めてほしいと思っています!

Ambient Kyoto 2023

2023.10.18.

Posted on 10.18.23

先日のお休みは、京都で開催されている展覧会, Ambient Kyotoへ行ってきました!

 

 

 

Ambient Kyotoはブライアン・イーノの大規模個展として去年初開催されて、とても良かったので今年もやるなら行ってみようと思いました。

今年は、複数のアーティストが参加しています。

 

坂本龍一 + 高谷史郎、Cornelius、Buffalo Daughter + 山本精一

 

会場は、前回と同じ京都中央信用金庫 旧厚生センターに加え、京都新聞ビル地下1階と2ヶ所で開催。

ゆっくり見るなら、午前と午後に分けて回ることをオススメします!

 

 

 

 

 

どれも音響と空間演出が素晴らしい展覧会でした。

個人的には、Buffalo Daughter + 山本精一のアンビエントの曲のやつと、京都新聞ビル地下1階の坂本龍一 + 高谷史郎のが特に良かったです。

 

テンション上がってミュージアムショップで“おりん”も買ってしまいました。

 

 

ひとつひとつ色や傷が微妙に違ってました。

僕は、同じ商品でも仕上がりに少しずつ差があるものの方が魅力を感じます。

そこに職人さんの温かみや特徴を感じることができるから。

 

このおりんは、とても良い音を奏でます。

仕事で疲れた日は、この音色を鳴らしてから帰路につきたいと思います。

 

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ご興味のある方は、ぜひAmbient Kyotoへ足を運んでみてください!

Medium Bob

2023.10.14.

Posted on 10.14.23

Posted on 10.12.23

エスパス ルイ・ヴィトン大阪で開催中の、ハンガリー出身のフランス人アーティスト, Simon Hantaïの回顧展「Folding」に行ってきました。

 

 

 

 

わざとくしゃくしゃにしてシワを作ったキャンバスの上に塗られた絵具。

とても面白い質感でした!

 

 

 

 

 

このちょっと李禹煥っぽい(失礼)青の四角形の集合体がとても魅力的で見入ってしまいました。

 

 

ご興味のある方は、会期中にぜひ足を運んでみてください!

jacket fun club

2023.10.07.

Posted on 10.07.23

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DEYROLLE

2023.09.14.

Posted on 09.14.23

いつもお世話になっているアンティークショップの店主さんが阪急百貨店の催事に出店&ディレクションされてたので、先日のお休みに行ってきました。

 

素敵なアンティークもたくさん出品されていましたが、今回の目玉はパリで200年近く続く老舗のメゾン, DEYROLLEさんです。

 

 

なるべくミーハーを隠して生きているので、この写真も素早く2秒で撮りました。

構図とか気にしてられない。

 

DEYROLLEはフランス・パリにある自然科学と教育学のためのパリのメゾン。 ショップとしても利用出来、剥製や標本、自然史に関連する多くの専門的な書籍も販売しており子供から大人まで魅了する老舗専門店としても有名です。

ウッディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』などでも、DEYROLLEの商品が使われているらしいです。

 

DEYROLLEの剥製は、自然死や事故死で命を落とした動物しか剥製に使用しません。

剥製の為に動物を殺傷することは、決してしないそうです。

それらの剥製を通じて、その動物の生態系や生命のあり方について問いかける。

 

会場で流れていたショートフィルムを観て、とても影響を受けやすい僕は、衝動的に商品をお買い上げしてしまいました。

衝動による消費という暴動(ZAZEN BOYS風)

でも、お金は価値のあるものに投資しているつもりです。

 

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それがこのチョウチョちゃん

 

ANDY STOTTの綺麗に伸びた爪先は気にしないでください。

 

蝶の種類はモルフォチョウ。

北アメリカ南部から南アメリカにかけて生息する種類らしいです。

 

 

とても綺麗なブルー。

お店のディスプレイにもマッチすると思いました。

 

 

隣には、ヴィジョネア・ブルー。

同系色でスタイリングしています。

 

近くで見てもとても綺麗ですよ!

ご興味のある方は、ご来店時にぜひご覧になってみてください!

3月28日に亡くなった坂本龍一さんが最晩年に語った自伝『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』

 

 

 

僕は、連載されていた新潮を毎月買って既に読んでいましたが、坂本さんへのお香典代わりの気持ちとして購入させていただきました。

 

本書のタイトルにもなっている「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」という言葉は、坂本さんが音楽を手掛けた映画『シェルタリング・スカイ』の最後で、同作品の原作者であるポール・ボウルズが語る言葉から引用されています。

 

坂本さん自身も『シェルタリング・スカイ』を手掛けていた頃は脂の乗り切った年頃で、まだそんなことを現実的に考える時期ではなかったと思いますが、大病を患い、自身の死期が迫っていることを自覚したことで、この言葉を改めて思い返したところがあったのだと思います。

 

本書には、新潮の連載では掲載されていなかった、口述筆記の聞き手を務めた鈴木正文氏による“あとがき”がありました。

それを読むと最晩年の坂本さんは、病床で本を読んだり映画を観たりということを積極的にされていたそうです。

そして、教授自身が選曲した『Funeral (葬儀)』と題した、自身の葬儀で流す為のプレイリストを作成し、その曲目や曲順を何度も入れ替えたりしていたそうです。

 

 

僕は5年くらい前に、イサム・ノグチ庭園美術館というところを訪れたのですが、そこには土の庭一面にノグチさんの遺した彫刻作品がたくさん並んでいました。

それらは、ノグチさんがその庭で遊ぶ近所の子供たちのことを頭に浮かべて配置したそうで、晩年はその庭に並べた作品の配置をどうするかということを主に考えておられたそうです。

 

 

坂本さんが亡くなる直前までプレイリストを悩まれている姿を想像して、この美術館のことを連想しました。

イサム・ノグチ庭園美術館は、個人的に国内で一番好きな美術館です。

 

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坂本龍一さんの音楽(戦場のメリクリ以外)や、イサム・ノグチさんの美術館に対して強い興味を持っているというような方は、今の日本の若い世代の人達に限定すると(残念ながら)100人の中に1人いるかどうかというくらい少ないのではないかと思っています。(実際はもっともっと少ない割合かも知れません)

 

最近、李禹煥さんの版画を一枚手に入れたのですが、それは白い和紙の真ん中にチョンと黒い点をひとつ描いただけの作品なんです。

(それを李禹煥という人物が手掛けているからいいわけです。そして一見簡単そうに見えるもので違いを生み出すことの方が、より一層洗練された技術が必要となります)

 

そんな一見誰にでも描けそうな作品を何十万も出して買いました。

自分の旦那さんや彼氏が同じことをしたら発狂するくらい怒るという方もたくさんいらっしゃると思いますが、僕なら自分の奥さんがブランドのロゴ丸出しの映え系大ヒットバッグなんて持ってようものならそれこそ発狂するくらい酷評すると思いますし、人の価値観というのは本当に千差万別です。

 

僕にとってその版画は、今の自分の所有物の中で一番の宝物です。

 

 

そういう偏屈な自分が経営している美容室というのも、自分の好みを出せば出すほど今の大多数の人の興味の中心からは外れていってしまうものだと思っています。

ですが、一般的には分かりにくい感覚のものを表現すればするほどに、それに共感して選んでくださる人の存在というのは本当に力になるものです。

別段何も秀でているものを持たない自分にとって、一番誇れるものは当店のお客様です。

改めて感謝の気持ちを表したいと思います。

こんなに自分の趣味を出してお店作りができているのも、当店を選んで通ってくださる皆さんのおかげです。

いつも本当にありがとうございます。

 

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僕も坂本さんのように、老後は好きなだけ映画を観て音楽を聴いて,本を読んで過ごすことを楽しみに(既にその時に備えて山ほどストック中)、今はサボらず(チャンスがあればサボってます)一生懸命に仕事を頑張ろうという気持ちです。

その時代も、平和で穏やかな日本であることを切に願っています。

 

そして、いざその時が近づけば、僕も坂本さんを見習って(僕の場合、誰に聴かせるわけでもない)僕のFuneral Playlistの作成を一人愉しみたいと思います。

 

皆さんも一度しかない人生を、存分に楽しんで生きてください!

flower picture

2023.05.24.

Posted on 05.24.23

ロシアの映画監督, アンドレイ・タルコフスキー自身が撮影したポラロイド写真のポスターを手に入れたのですが、自分にとって特にお気に入りの写真なので今回は額縁をオーダーして作ってもらいました。

 

 

 

KAWACHIのフレーマー, 岡崎さんは、こちらの意図を瞬時に汲み取ってくれて、写真にマッチした素晴らしい額縁をご提案くださりました。

 

これぞプロの仕事だと感心いたしましたし、自分も美容師として同じような仕事がしたいと改めて思いました。

 

 

ポスターは5000円もしなかったですが、自分が希望した額縁の金額は3万円以上になりました。

(ポスターは2種類手に入れたので、額縁も2つ注文したので、フレームだけで6万円以上費やしました)

 

 

メインのポスターより何倍も高い額縁を選ぶような感覚は、昔の自分なら(金銭的な面でも)持ち合わせていなかったと思いますが、今なら大切な写真やポスターほどその額縁をこだわることで所有者の大切な思いを込めるのは至極当然のことだと感じます。

 

ちなみにこの掲載している写真の方は、特にお気に入りの方なので、当面は自宅で飾ろうと考えています。

 

お店に飾るもうひとつの方もとても素敵な写真と額縁なので、ご来店時にぜひご覧になってみてください!