Short Hair
2022.04.08.
Posted on 04.08.22
Posted on 04.08.22
Posted on 02.16.22
10年前にパリのmaison martin margiela のフラッグショップで買ったメゾン初の香水“untitled”のリミテッド・エディション。
日本では同名のミセスブランドがあるということで商標許可が下りず、“untitled”の表記が省かれ、透明のボトルの底辺を白いインクでディップさせたようなデザインで販売されました。
このシルバーで覆われたリミテッドエディションは、日本では手に入らなかったと思います。
たまたま発売されたタイミングでパリを訪れて購入することができました。
これはデザインが気に入って買ったので、一度も使わずに(日本で売ってる限定じゃないタイプのものを買って使用していました)置いていたのですが、入ってた袋を匂うとさすがに少し酸っぱさが出てきていました。
あと20年くらい寝かせてから開封したら、あの浦島太郎をも超越する体験ができるやも知れません。
ぜひその際は、沢尻エリカかピエール瀧かノリピーに差し入れしたいと思います。
今は空前のマルジェラブームなので、僕の中の悪魔が「メルカリに出せ」と囁いてくるのですが、そこははを食いしばって自重して、パリの思い出と共に大切に残しておくことにしました。
せっかくなので、お店に飾っておこうと思います。
見かけたら声をかけてあげてください。
Posted on 02.05.22
サンフランシスコを拠点とするGlenn Donaldsonによるプロジェクト, The Reds, Pinks and Purplesの新作『Summer at Land’s End』
今作も良いです。
軽やかでエモーショナルなD.I.Y.サウンド。
毎作、そんなに新しいことをやってる訳ではなく、どこか聴き覚えのあるような懐かしさを感じるメロディなのですが、なぜか毎回新鮮に映ります。
きっとこういう音は、個人的に好きなのだと思います。
Posted on 01.08.22
ダブステップの先駆者, BURIALの新作EP『ANTIDAWN』
年明け早々、BURIALの新作を聴けるとは、今年も良い一年になりそうです。
BURIALの音楽も、例え全ての情報をシャットダウンした状態で新曲を聴いたとしても、瞬時に「BURIALの曲」だとわかるものがあります。
BURIALがシーンに突如現れて以降、BURIALの真似をしたようなアーティストは掃いて捨てるほど出てきましたが、それでもどれもBURIALとは明確な差がありましたし、BURIAL自身もそのスタイルを貫きつつも常に新しさを感じさせてくれるような音作りをしています。
このアートワークのパーカー付きのLPを発売してくれたら、息子に着せたいです。
(自分は絶対に着ないですが)
Posted on 12.10.21
先日のお休みは、再びテアトル梅田へ今度は雨が降ってなかったので得意の自転車で出向いて、ヴィム・ヴェンダース監督のディレクターズカット版『夢の涯てまでも』を観てきました。
今、テアトル梅田では“ヴィム・ヴェンダース レトロスペクティブ”特集が組まれており、『ベルリン・天使の詩』や『パリ、テキサス』などの名作がレストア版にて映画館で観ることができます。
パンフレットも洒落ています。
僕はヴェンダースの作品はだいたいは観ているのですが、本作『夢の涯てまでも』はまだ未見で、しかも今回はディレクターズカット版ということで、その上映時間は驚異の5時間弱!
観に行く心が折れないように、今回は前売り券を購入していました。
しかも嬉しいポストカード付き!(別の作品のやつでしたが)
『夢の涯てまでも』は上映時間が鬼長なので、前売り券は2枚必要でした。
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僕自身、5時間もある映画を映画館で観るのは初めてだったので、事前にコンビニで(テアトルで水を買うと220円もするという衝撃の事実を先月知ったところなので)水とコーヒーと(10分休憩の間に手早く外に出て食べられるように)おにぎりと(頭の糖分補給に)フィナンシェを買ってカバンに詰め込み、さらに念の為家から頭痛薬も持ち込んで万全の体制で臨みました。
お尻に筋肉も脂肪もあまりついていないという体型的な不利も抱えているのですが、そこは金魚すくい名人の華麗なポイ捌きの如く、お尻にかかる体重の重心の場所をこまめに移動させることでダメージを分散させることでなんとか耐え切りました。
案の定、後半には頭痛が発生しました。
備えあれば憂いなしです。
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本作は、近未来SF作品。
1999年。軌道を外れたインドの核衛星の墜落が予測され、世界は滅亡の危機に瀕していた。そんな中、ヴェネツィアからあてもなく車で旅に出たクレアは、お尋ね者のトレヴァーと運命的に出会う。正体も明かさず目的不明の旅を続けるトレヴァーに惹かれたクレアは後を追い、東京でようやく追いつく。そして、トレヴァーが父親の発明した装置を使って世界中の映像を集め、その映像を盲目の母の脳に送り込もうとしていたことを知る。
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オープニングのTalking Headsに始まり、シーンに合わせたサントラのセレクトが見事でした。
映像もバチコンと決まっております。
前半の大陸跨ぎの追いかけっこ劇から、後半の博士のアシッド感漂いまくりの実験やアボリジニーとのふれあいまで、「たとえ尺が長くなろうとも全部入れたいんや!」と言わんばかりのヴェンダースの溢れる想いが壮大に伝わってくるような作品でした。
ティコを中心とする仲間やアボリジニー達との即興演奏も、グルーヴ感満載で最高でした!
退廃的なSF作品でありつつ、ヴェンダースらしいロードムービー作でもありました。
体力的には疲れましたが、作品は素晴らしいカットが満載で、長くても全然観てられるし映画館で鑑賞することができて良かったです。
ヴィム・ヴェンダースは素晴らしい映画監督ですので、まだ作品を観たことがないという方は他の作品共々ぜひご覧になってみてください!
Posted on 11.24.21
先日のお休みは、雨の中、テアトル梅田まで久々に(苦手とする)電車に乗って行き、ロベール・ブレッソン監督の『やさしい女』を観てきました。
わたくしごとながら、家族が増えたこともあって今のマンションが(だいぶ前から)手狭になってきてたので、去年、清水の舞台から二度飛び降りるくらいの覚悟でマンションを購入して(今の住所から徒歩1分以内の距離に)来年引越しを控えている身なのですが、実は新しいマンションのカーテンなどのオプションオーダー会が、僕が本作『やさしい女』を観に行けることが可能な日程とほぼ被ってたのですが、僕は迷うことなく『やさしい女』を観に行くことを選択した次第であります。
一般家庭のママさんなら、ダンナがこんなことを言い出したら「信じられない、バカじゃないの?一回死んでみたら?」と、その時点で婚姻生活にピリオドが打たれることになると思いますが、自分的にもDVD化もされてない本作を映画館で観れるこの機会は絶対に逃したくなかったですし、僕の奥さんももはやこれくらいでは大して驚かないくらいに諦めてる部分も多々あると思います。
前置きはこれくらいにして、ブレッソンの初カラー作品『やさしい女』の感想です。
原作は、ロシアの文豪,ドストエフスキー。
当店に通ってくださるお客様で、特に男性の方ではドストエフスキーが好きだという方がそこそこいらっしゃいます。
僕もドストエフスキーは、これとは別の小説を今読んでいる最中です。
本作の原作である『やさしい女 幻想的な物語』は、ドストエフスキーの短編の中でも最高傑作と呼ばれています。
それを映画界の素晴らしき巨匠,ロベール・ブレッソンが手掛けてるのだから、今回のデジタルリマスター版の公開の情報を知った時点から、(その時間の予約を全部止めてでも)絶対に観に行くと(誰にも相談せず勝手に)心に誓っていました。
お客様に迷惑をかけることなく、休みの日に観に行けて本当に良かったです。
上映してくれたテアトル梅田にも感謝の気持ちを表すべく、220円もする“いろはす”を購入させていただきました。
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「彼女は16歳ぐらいに見えた」。質屋を営む中年男は妻との初めての出会いをそう回想する。安物のカメラやキリスト像を質に出す、若く美しいがひどく貧しい女と出会った男は、「あなたの望みは愛ではなく結婚だわ」と指摘する彼女を説き伏せ結婚する。質素ながらも順調そうに見えた結婚生活だったが、妻のまなざしの変化に気づいたとき、夫の胸に嫉妬と不安がよぎる……。衝撃的なオープニングから始まる本作は、一組の夫婦に起こる感情の変化と微妙なすれ違いを丹念に描き、夫婦とは、愛とは何かという根源的な問いを投げかける。
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このテキストを読んで「難しそう」と思った方にはブレッソンの映画はオススメできないです。
そんなことを言っている僕だって、ブレッソンの映画の半分もまだ理解できていないと思います。
もっと理解できる人が羨ましい。
表紙の緑のコートを着こなすドミニク・サンダのなんと文芸的で美しいことか。
中に着ている中縹色のニットや、手に持っている赤銅色の本まで、見事な配色の妙です。
本編が始まって30秒もしないうちに、「あぁ、ブレッソンの映画だな」と今がまさに至福の時であるのを噛み締めるのと共に、感無量の気持ちになりました。
いつものようにキャストの演技の抑揚は少なくセリフも最小限、余計なものは写さず(理解しやすいように必要と思えるものさえも省かれる)淡々と進んでいくストーリー。
なのに、なぜこれほどまでに空間や時間の“余白”を美しく感じられるのか…
ちなみに主演女優のドミニク・サンダは本作がデビュー作。
その前は、VOGUEなどのモデルをしていたところをブレッソンがスカウトしたらしいです。
なんと実生活においても彼女は若干15歳で結婚と離婚を経験し、その後17歳の時に撮影されたのが本作とあって、そのリアルで突き刺すような演技と表情は特筆すべきものでした。
作中で、ドミニク・サンダが笑っているシーンがあるんですけど、ブレッソンは決して彼女の笑顔を映さないんです。観客に想像させる余地を残してるんですね。
原作を映像化しても、引き算的手法で観てる者に文芸的に感じさせてくれます。
そういう演出もブレッソンの際立って素晴らしいところだと思います。
僕自身ブレッソンの作品も(DVD等を所有してても)まだまだ観れていない作品もあるのですが、個人的には『白夜』が今まで観た映画の中でトップクラスに素晴らしかったですし、ブレッソンの映画は今のところカラー作品の方がよりグッときます。
もし、ブレッソン作品にご興味が出た方がいらっしゃいましたら、ぜひ彼の作品をご覧になってみてください。
特に本作『やさしい女』はなかなか観れる機会がないので、ぜひテアトル梅田に足を運んでみてください!
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「創造とは足すよりも引き去ること」
僕は日頃のサロンワークにおいて、ブレッソンのこの言葉を胸に刻んでいます。
Posted on 11.02.21
今年も11月に入りましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
自分達もワクチン接種を終え、コロナの感染状況も現在は落ち着いてきました。
僕はもともとお酒は全く飲めないのに加えて友達も衝撃的に少ないので、飲食店の規制が全面解禁になったところでそこまで生活に変化はないのですが、映画館や美術館などへは少し足を運びやすくなりました。
お酒やタバコをやらない分(?)、他の趣味は多くて、音楽, 映画, 読書, 芸術鑑賞などは特に好きです。
ほぼインドアですが。。
でもランニングをしたりもします。
それも音楽を没入的に聴く為という側面もあるのですが。
それを口実に、最近とても音質の良いイヤホンを買いました。
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去年から続くコロナ禍において、映画館や美術館へはあまり行けませんでしたが、もともとステイホームは得意中の得意なので、それらの趣味に没頭しておりました。
この秋に限ると、音楽は新譜ならLe RenやGrouper, The War on Drugs、旧譜(リリースは最近ですがレコーディングから時間が経過した作品という意味で)はMary Lattimore, Nick Cave & The Bad SeedsのBサイド集など、何らかしらの作業中などに流しておく音楽はいずれも優しくて耳障りの良いものを好んで聴くことが多かったです。
映画は、シネ・ヌーヴォのケリー・ライカート特集は全部観ました。
一番最後に観た『ミークス・カットオフ』もとても良かったです。
このジャケットのシーンも最高でした。
女性が荒野を歩く姿がなぜにこんなに美しいのか。
4作を観終える頃には、すっかりライカート監督のファンになりました。
あと、家でもDVDやブルーレイ, サブスプリクションなどで、特にシネフィル系を中心に何かに取り憑かれた人のように鑑賞しています。
本当に取り憑かれているのかも知れません。
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読書は、今は複数の本を同時に読んでいる最中なのですが、その中にカントとパスカルの哲学書があります。
これも動機はエリック・ロメールの映画を観たからです。
哲学について自分ももっと詳しくなれば、芸術映画やアート作品を観た時にもっと理解を深めることができると思ったからです。
個人的には、特にカントの本が面白いです。
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芸術では、先日、久々に国立国際美術館へ行ってきました。
目的はボイス+パレルモ展です。
特にヨーゼフ・ボイスはかなりヤバい奴ですが、彼の代表作である“ユーラシアの杖”は東西冷戦下のヨーロッパからユーラシア大陸を再接続しようと試みるボイスの同名パフォーマンス(ヘンニク・クリスティアンゼンとの共演)で用いられたもので、60年代の美術史における最重要作品のひとつと称されています。
大阪では来年の1月半ばまで開催されていますので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみてください!
そんな感じの秋の芸術活動記録でした。
みなさまも感染防止対策をしつつ、秋の芸術を楽しんでみてください!
Posted on 10.10.21
先週のお休みにワクチン1回目の接種を受けてきました。
スタッフは皆、多少の副反応はありつつもなんとか無事に1回目の接種を完了いたしました。
2回目の接種が10月の第4週を予定している関係で、今月は第3火曜日が営業になる代わりに25日の第4週目の火曜日がお休みとなりますので、どうぞみなさまご確認とご了承の程、よろしくお願いいたします。
1回目の接種を午前中に終わらせた僕はというと、一回帰宅して安静にして様子をみていたのですが、あわよくば夕方からシネヌーヴォでやってるケリー・ライカート特集を虎視眈々と狙っていて、全然大丈夫な感じだったのとポテンシャルが変な接種者ーズハイ状態(体温のことではない)になっていたので、夕方からシネヌーヴォへ向かい『リバー・オブ・グラス』と『オールド・ジョイ』を立て続けに観てきました。
ケリー・ライカート(今回は特集に合わせてライカートと書きますが、ライヒャルトとも表記されます)は、素晴らしい感性を持ったアメリカのインディペンデント系の女性映画監督です。
今回上映されている4作では、『ウェンディ&ルーシー』のみDVD化されてて観ることができるのですが、他の3作はこういう機会じゃないとなかなか観れないので、今回の特集は楽しみにしてました。
ライカート作品は、時間にして1時間ちょっとくらいの比較的短めの作品が多く、今回鑑賞した2作もそれぞれ76分, 73分と短いので、2本立てで観ても全然疲れませんでした。
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『リバー・オブ・グラス』
ケリー・ライカート監督のデビュー作。
監督曰く、本作は「ロードのないロードムービーであり、愛のないラブストーリーであり、犯罪のない犯罪映画」である。
本作は、ライカート監督が30手前の時に撮影した作品です。
多少なりともカルチャーに感化された人は、二十歳を迎えた時に「自分の20代はどんなものになるのだろう」という微かな期待を持つのではないかと思います。
(わかりやすいところでいうと)『パルプフィクション』や『レオン』、『時計仕掛けのオレンジ』などを観て、それらの作品の登場人物のようなクールで刺激的な20代が待っているのではないか。
しかし現実は大抵の人達において、大した冒険もせず、夢見るようなアヴァンチュールは訪れず、クライムサスペンスのようなハラハラドキドキする事件も起こらずに、やがて30歳を迎えてゆきます。
本作は、そんな“凡庸な人生”を送る運命にありそうな主人公の女性が、目一杯背伸びしたような大人の青春映画です。
写真の左下の男の指の間には、“Mom”と刺青されています。
実家を追い出されてホームシックになって、“Mom”と刺青を入れる男が本作の主人公のパートナーです。
そんなユーモアも効かせつつ、タバコを足移しで渡すシーンなど、デビュー作にして類まれな映像のセンスを感じます。
『リバー・オブ・グラス』の説明はこれくらいにしときます。
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『オールド・ジョイ』
前作からいくつかの短編を挟み、12年ぶりに完成させた長編2作目。
(商業系ではない映画を作るのは金銭的にも大変なんです)
こちらは、かつての親友との男同士の一日キャンプ旅行記。
一方は気ままなその日暮らし、もう一方はもうすぐ父親になるという、生活環境や人生において二人の関係性に変化が生じていく刹那の空気感を見事に表した作品です。
自由に生きるカートは旧友マークとの時間を、かつての青春時代のように誰にも邪魔されずに楽しく過ごしたいと望むが、マークのもとにはそんな楽しい空気を切り裂くように奥さんからの電話がかかってくる。
本作の音楽は、ヨ・ラ・テンゴが手掛けています。
僕もヨ・ラ・テンゴはアルバム全部持ってるくらい好きなのですが、本作での音楽も作品にも非常に合っててとても良かったです。
そしてストーリーや映像はそれ以上に良かった。
男性の監督ならもっとセリフを増やしそうなところを、何も語らずに映像のムードで登場人物の心境を視聴者に感じさせる演出も、女性監督ならではの感性で素晴らしかったです。
自分は友達がもともと劇的に少ないのですが、本作を鑑賞後にコロナ禍というのもあって最近は連絡をあまり頻繁に取ってなかった親友に久々に電話をかけました。
こちらも久々に声を聞けて嬉しかったですし、相手も電話の向こうで嬉しそうに喋ってくれているのがわかりました。
自分は既に結婚して子供もいますが、彼はアラフォーの独身で、働き方のスタイルにも独自のこだわりを持っていて、いまだ契約上はアルバイトを貫いた生き方をしています。
最近ヤフオクでフィッシュマンズのTシャツを買ったと教えてくれました。
「(プレミアついてて)めっちゃ高かってん」と、まるで今後日本に迫っている財政問題や老後問題など一切存在しないかのような無邪気なセリフが、会話してて羨ましくも思えました。
友情とは良いものです。
『ミークス・カットオフ』もどこかのタイミングで観に行けたらいいなと思っています。
ご興味のある方は、ぜひケリー・ライカートの映画もご覧になってみてください!
Posted on 03.21.21
Posted on 03.07.21
Posted on 03.05.21
Posted on 03.05.21
Posted on 02.09.21
Posted on 02.05.21
Posted on 01.31.21