gap PRESS 2020-2021 A/W
2020.05.08.
Posted on 05.08.20
百貨店やファッションビルも軒並みクローズしている現在、アパレル業界も今大変だと思いますが、この秋には服を買おうと思えるような状況になっていることを願って、先日届いたgap PRESSをご紹介いたします。
今年6月以降に開催予定だった2021 S/S コレクションは、NY,ロンドン,パリなどが既に中止を発表しています。
ロンドンはデジタル形式でのコレクションの開催に取り組むなど代替え案を模索しているところもありますが、新作のルックの数は通常よりも少なくなるのではないかと思います。
今回のA/Wコレクションも、今思えばギリギリのタイミングだったなと思います。
それでは、パリ,ミラノコレクションから、少しづつブランドを取り上げて個人的な雑感を書かせていただきます。
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BALENCIAGA
モデルが歩くランウェイの足元には水が浸水しており、モデルは裾を濡らし歩く度に水はねを作りながらウォーキングしていました。
発表された洋服もダークトーンが中心で、そのクリエイションはスペースモダンな印象を受けました。
バレンシアガは、今ルイ・ヴィトンのデザイナーを務めているニコラ・ジェスキエールによってブランドが復興しましたが、ニコラのクリエイションもフューチャリスティックなもので、それがバレンシアガらしさであったと思います。
デムナがバレンシアガのデザイナーに就任してからもコレクションはずっと見てましたが、今回のコレクションが一番感動しました。
デムナの描くバレンシアガは、フューチャリスティックというよりSF(サイエンス・フィクション)に近いものだと思いました。
フランスの鬼才映画監督レオス・カラックスの作品に「ホーリー・モーターズ」というのがありますが、このコレクションを見てると舞台設定もさながらその映画のワンシーンに出てきそうな感覚を受けました。
デザインも、SF映画で使う衣装のようなイメージで絶妙にリアルクローズに落とし込んでいます。
今回の全秋冬コレクションの中で、一番印象に残って感動させられたのはグッチでしたが、個人的な世界観の好みでいうとバレンシアガのこのコレクションが一番好きでした。
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LOUIS VUITTON
今回のコレクションのテーマは、「タイムクラッシュ」
ステージの幕が上がると、まるで絵画から出てきたような衣装を身に纏った総勢200人のコーラス部隊が姿を現しました。
ランウェイを歩くモデルのルックも、様々な時代を彩った洋服をインスピレーションに、今まで出会うことのなかった洋服と洋服とが新たな出会いに歓喜しているような服装で、とても意欲的なコレクションだったと思います。
前任のマーク・ジェイコブスも、ルイ・ヴィトンでもエンターテイメント性に溢れたコレクションを行って話題をさらっていましたが、今回のコレクションはニコラ流エンターテイメントというところでしょうか。
ただ、マークとニコラでは性格が根本的に違うと思うので、こういう華やかな方がウケがいいのはわかりますが、ニコラはニコラらしくいてほしいな、という気持ちも個人的にはあります。
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続いてミラノコレクションより
GUCCI
今回のコレクションのテーマは「AN UNREPEATABLE RITUAL(再現することのできない儀式)」
グッチに関しては、自分が四の五の説明するよりも、ショーの様子を動画で見ていただきたいです。
メゾンで働くスタッフの為に捧げられた、とても感動的で素晴らしい儀式でした。
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美しいドキュメンタリー映画のようなオープニングは、コレクション会場にいる観客にももちろん見せています。
普段は見せることのないバックステージを会場の中に組み込むというアイデアは、メゾンで働くスタッフを大切に想っているというミケーレの気持ちと、それをこの上なく美しく魅せることができるというデザイナーとしての圧倒的なまでのクリエイション能力があってこそできるものです。
シビれました…
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今回はこれくらいにさせていただきたいと思います。
出かける前にワクワクながら服を選ぶあの楽しさや、その出かける場所やそこで過ごす時間を想像しながら服を買いに行く時のあの高揚感が、日常に戻る日が一刻も早くくるように願っております。
そして、その時が来たら、ヘアスタイルも整えにぜひV:oltaにいらしてください!