gap PRESS 2020 S/S -Milan/New York-
2019.11.24.
Posted on 11.24.19
gap PRESSの最新号が届きました!
gapは、今回のメンズのS/Sコレクションの発売は見送ってたので、これがポストに届いた時はじんわり嬉しい気持ちになりました。
今はネットやアプリで世界中のコレクション写真も手軽に見れる時代ですが、gapが無くなるとマジでショックです。
毎号買うので、是非頑張ってください!ファッション好きでお金に多少の余裕がある人もぜひ買いましょう!
中身と合わせて今のファッション事情も少しご紹介させていただこうと思いますが、今回はニューヨークは置いといて今勢いのあるブランドが多いミラノをご紹介いたします。
5年くらい前のミラノでは「動脈硬化」と揶揄されるくらい、トレンドを産み出し続けているパリコレとは対照的にあまりフレッシュな話題を発信できていませんでした。
そんなミラノに突如現れ、ミラノコレクションの救世主となったのが、GUCCIのデザインチームからのしあがった現GUCCIのデザイナーであるアレッサンドロ・ミケーレです。
ミケーレによるGUCCIの革新的な改革により、世界中のカッティングエッジなセレクトショップのバイヤーがミラノに戻ってきて、ミラノの他のブランドもGUCCIに続けとデザイナーの一新を行ったり、今までのブランドの歴史からすれば大胆なくらいトレンドを取り入れたりと一気に活性化しました。
ただ、それも良し悪しで、ファッションの最高峰である華やかなトレンドを生み出すパリコレと違って、ミラノコレクションはどんな時でもトレンドに流されすぎていない少し落ち着いた伝統的な大人のファッションを時代に合わせて進化させていて、自分なんかはその時代の影響を受け過ぎない伝統を大切にしているところに魅力を感じていたのですが、最近はパリとミラノの境目が曖昧になってきている感じがして、ちょっと寂しい気持ちもあります。
そんな僕のちょっとおセンチな気持ちとは裏腹に、盛り上がりをみせているミラノコレクションの近況をご紹介いたします。
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GUCCI
まずは、ミラノの現竜王, GUCCI。
今までのミケーレの天真爛漫なコレクションからすると、だいぶと大人しめなコレクションを発表しました。
今までがカプチーノの中に角砂糖8個くらい入ってるような感じだとすれば、これはミケーレでいうところのカロリーオフ。
洗練された大人のミケーレ節もとても素晴らしいです。
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Prada
ミウッチャ・プラダは、長年屋台骨のような存在でミラノコレクションを支えています。
今のGUCCIのように流行によりブランド毎にも人気の波がありますが、プラダはその波をあまり立てずにトップに近い位置をずっとキープし続けています。
ミラノコレクションがパリコレ化していく中でも、元々のミラノらしい大人のエレガンススタイルを守り続けている姿勢も素晴らしいと思います。
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Bottega Veneta
Bottega Venetaも長年、トーマス・マイヤーの素晴らしいクリエイションによって、 ミラノらしい大人のエレガンススタイルを追求してきたブランドでした。
そのトーマス・マイヤーの退任により、Bottega Venetaの経営陣はフィービー・ファイロ時代のCELINE出身の若手デザイナー,ダニエル・リーに白羽の矢を立てました。
ファッション好きの間で「フィービー・ロス」に嘆く人達も多い中、Bottega VenetaとしてもGUCCIなどのブランドのように若手デザイナーの起用によりブランドの若返りを目指す中で 、ファッション上級者にも絶大な人気があったフィービーの流れを汲むダニエルは、経営陣からしてもタイミング的にも投資に値する存在だったのでしょう。
Bottega Venetaは、もともと職人技の光る素晴らしいメゾンを持っていますが、その卓越した物作りの精神とダニエルのフィービー仕込みの革新的なクリエイションが上手く交われば、近い将来、更なるトレンドの波が訪れていても何ら不思議ではありません。
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Jil Sander
こちらも数年前から、ルーシー&ルークのメイヤー夫妻のデザイナー起用によって、新たな客層を拡大してきました。
フィービー・ロスな人達の一番の退避先となっていたのも今のJil Sanderです。
もともとミニマルでパターン技術も卓越したJil Sanderのメゾンにおいて、Louis VuittonやDiorなどのラグジュアリーメゾンで経験を積んだルーシーと、シュプリームの元ヘッドデザイナーだったストリート路線のルーク・メイヤーによって、新たなクリエイションの幅がもたらされ、ミニマル,エレガンス,カジュアルのバランスが見事に調和されました。
この3つのバランス感覚を高い次元で一人で担っていたのがCELINEのデザイナーだったフィービー・ファイロですが、今のJil Sanderには時代の後押しという風も吹いていると思います。
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あともうひとつだけ、個人的に今シーズン面白いなと思ったブランドをご紹介。
Antonio Marras
かつては、ケンゾーのクリエイティヴ・ディレクターも手掛けたこともあるデザイナーです。
東洋にインスピレーションを得たコレクションで、個人的に折衷主義のクリエイションを見るのが好きというのもあるのですが、バランス感覚が同じ折衷主義でもドリス・ヴァン・ノッテンやサカイ(こちらは阿部さんが日本人だから海外では折衷主義に映っているのだと思いますが)とかとはまた違ってて面白いです。
一歩間違えたら東コレの原宿カルチャー満載ブランドになりそうなくらい大胆なクリエイションながら、コンテンポラリーとエレガンスのバランスがギリギリの位置で保たれています。
オシャレ感度の高い人は、ワンアイテム取り入れてみても面白いと思います。
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ご紹介したいブランドは他にもありますが、長くなってしまいましたので今回はこのくらいにしておきます。
またパリコレ号が届きましたら、いくつかご紹介させていただきます。
gapはお店に置いてますので、待ち時間などにぜひご覧くださいませ!