STREET No.320

2020.02.28.

Posted on 02.28.20

STREETの最新号が届きました!

 

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今回は、パリのストリートスタイルの1987-1996 アーカイヴです!

 

最新のファッションのトレンドは、70′s初頭のヒッピー文化が終焉を迎えた頃のムードをインスピレーションにしているものが多いように感じますが、いくら世界初のストリートスナップ・カメラマン,青木さんと言えどその時代のアメリカの写真を撮ることは不可能だったでしょうから、そこは仕方がないですね。

 

とは言え、やはりこの時代のヨーロッパのファッションは面白いです!

 

パリやロンドン、そしてここ日本でも、これくらいの時代の方がファッションに貪欲な人が多かったです。

そして、そういう人達の多くは、単なる目立ちたがり屋だった訳ではなく、反逆的な精神を持っている人が多かったように思います。

“才色兼備”という言葉がありますが、ファッションにおける才色兼備とは、ファッションにおける知識や音楽などのカルチャーへの趣向と自身のファッションのスタイリングがビシッとハマっている人達のことを指すと勝手に決めています。

そういう人達は、やはりカッコ良いです。

 

今の時代は、ファッションで着飾っていても、内心モテたいとか周りに良く思われたいというのが一番の理由なんだろうなと思うようなファッションの人達もたくさんいるように思います。

 

もちろん、ファッションは個人の自由だし、モテる為のファッションの存在自体を否定している訳ではないですが、そういう考えでオシャレをする人達が選ぶブランドにバレンシアガやヴァレンティノなどのラグジュアリーブランドだけでなくマルジェラやヨウジ・ヤマモトなどのかつてのデザイナーズブランドも普通に入っている現状がとても悲しくなります。

 

先日、ラフ・シモンズがプラダ入りし、ミウッチャ・プラダと共に共同クリエイティヴ・ディレクターに就任することが発表されましたが、ラフは去年の11月にアントワープで開催されたイベント『ファッション・トーク』で登壇し、このように語りました。

 

「メジャーブランドの場合、誰がデザイナーに就任しようとブランドはその後もずっと続いていく。そうしたブランドの多くではマーケティングや事業の成長率が重視されるが、デザインに加えてそれらの分野も得意だというデザイナーはまれだし、少なくとも私は得意ではない。

若い頃、私はLVMHが多数のメジャーブランドを擁していることや、そうしたブランドにクリエイティブ・ディレクター職があることなど知らなかった。ベルギー生まれの私は、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク、アン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)、ダーク・ヴァン・セーヌ(Dirk Van Saene)、 そしてマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)が自分のブランドを立ち上げて自由に制作するさまを目の当たりにしてきたし、彼らのようになりたいと思っていた。ドリスとウォルターが同じビルにアトリエを構え、それぞれ全く違う作風でありながらも、デザイナー同士としてコミュニケーションを取っていたことを覚えている。当時はそうしたコミュニティーがあって、あれはとてもいいものだったと思う。私は今でも、自分のブランドのスタッフをファミリーだと思っている」

 

ラフ・シモンズは2016年,アメリカのブランド,カルバン・クラインのチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任しましたが、親会社であるPVHコープ(PVH CORP)との対立が原因で、18年12月に短期間でその役職を辞任しています。

ラフが手掛けたカルバン・クラインはクリエイティヴ面では本当に素晴らしかったですが、今のケリングのようにデザイナーの入れ替えによってビジネスを拡大させることに関しては経営陣が満足いくほどの成果は上げられませんでした。

 

「もっとマス向けにヒットするアイテムを作って欲しい」という圧力が経営陣からラフに向けて送られていたことは想像に難しくありません。

 

そして、ラフのような純粋な服好きが沢山存在していたのが、この時代でした。

 

 

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今、ラフ・シモンズやドリス・ヴァン・ノッテン, リック・オウエンス, ハイダー・アッカーマンというような一部のデザイナーズブランドが、変わりゆくモードビジネスの中で、あまり資本主義の干渉を受けずに自身の服作りを追求できてるのは、巨大資本から距離を置いており、そこに共感してくれる長年のファンが存在するからに他ならないです。

 

自分もそういうブランドを支持してきましたし、その姿勢はおそらくこれからも変わらないと思います。

そして、V:oltaをオープンさせてからも、美容室においてそれらのデザイナーズブランドのようなサロンでありたいと考えて今まで続けてきました。

 

移転前のサロンでは、途中から連日溢れんばかりの(新規の方も多く含む)お客様にご来店いただきましたが、その中で「本当にここを必要としてくださってるお客様にとって、その現状は良いことなのか?」と日々自問自答していました。

移転を決めた時、内装にもこの規模では信じられないくらいのお金をかけて、より世界観を強く出してもらいました。

そのことで敷居が高く感じられる部分もあり、新規のお客様の総数はかなり絞られましたが、ご紹介で来てくださる方が増えましたし、移転前よりもお客様とお店との絆は深まったように思います。

 

僕自身の仕事の質も、本当の意味で磨かれ出したのは、移転してからじゃないかと最近では感じています。

よりデザインを追求できる今の方が、仕事してても楽しいです。

そして、その間も今も、そこにV:oltaを支えてくださるお客様が常に存在していました。

 

資本主義の恐いところは、ビジネス面での成功をしても、また更に次のより大きな成功を目指し続けるという、人間の果てしない欲望そのものです。

もちろん、お金は多い方が良い暮らしはできますが、それが全てではありません。

 

自分とラフでは、天と地以上に差がありますが、仕事に対する考え方にも共感するところが多いので、美容室として、美容師として、本当に大切な部分は変えないで、これからも長く通ってくださっている今のお客様を失望させることがないよう、日々精進して参ります。

 

V:oltaを支えてくださってるお客様をはじめ関係者の方々には、日頃より本当に感謝しております!

 

本の紹介のつもりが自店のアピール活動みたいになってしまってスミマセン。

本誌はお店に置いてますので、ぜひご覧ください!