Posted on 01.09.20

カリフォルニア出身のシューゲイズ・バンドFleeting Joysによる10年ぶりとなる新作『Speeding Away to Someday』

 

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シューゲイザー・ファンの間で「マイブラの新作よりもマイブラらしい」と謳われている本作ですが、皆がそう言うのは聴くとすぐに分かります。

ですが、それはレディオヘッドが現代において『パブロ・ハニー』のようなアルバムを作らないのと同様に、そのシーンの中心にいるようなバンドはずっと同じようなことをしているのが正解とは限らなくて、レディオヘッドやビョークのように常に変貌を遂げていくか、それとも自身のスタイルをストイックに追い続けていく中でそのクオリティに磨きをかけていくか、それが分かりやすいものでも分かりにくいものでも何かしらの変化を(特に耳が贅沢なコアな音楽ファンほどに)作品ごとに望み続けます。

 

かと言って、まだミーハー臭が強く残ってるような自分のような音楽好きは、心斎橋商店街のドラッグストアでポップに使われていそうな上記のような安っぽい謳い文句に釣られてまんまと本作を試聴してしまうのです。

 

そして、そういうキャッチに釣られた場合は大体駄作であることが多いのですが、これはなかなかに良いです。

聴いてると、自分がシューゲイザーというジャンルに出会って聴き込んでた頃を思い出します。

そして、向井秀徳ならそういうセリフの後にはきっとこう言うことでしょう。

「イギーポップ・ファンクラブ」