Posted on 11.07.19

このアーティスト名を見た日本人の多くの脳裏に「バカボン」がよぎることは想像に容易いです。

カメルーン生まれで現在はニューヨークを拠点に活動するシンガーソングライター Lætitia Tamko（レティシア・タムコ）によるプロジェクトVagabonの新作『Vagabon』

本作のタイトルは当初、レティシアが尊敬する作家、Nayyirah Waheedの詩から引用した『All The Women In Me』という別のタイトルでリリースが予定されていましたが、作家自身が自分の言葉の引用を好まないと知ってセルフタイトルに変更したらしいです。

レティシアは前作のインタビューで、「私みたいな女の子にこそ聴いてほしい」と言っていました。

“彼女みたいな女の子”とは、自分がミュージシャンになれるなんて想像すらしてない女の子。顔や身体といった自分の外見が、勇気や自信に変わりうるのだと知らない女の子。潤沢な資金がなくても自分の音楽はつくれるのだということを知らない女の子。クリエイティヴな家庭環境で育っていない女の子。家族の中で唯一音楽を愛する女の子。世界のさまざまな文化を知るすべがなかった女の子。自分が“勝てる”なんて想像だにしていない女の子。みんなとはまったく異なる文化圏からやってきて、大都会で大きくなった女の子… きっとそういう境遇の女の子は、この世界にまだたくさん溢れているのだと思います。