gap RESS MEN vol.75

2024.03.29.

Posted on 03.29.24

gap PRESS MENの最新号は、2024-25 A&W MILAN/LONDON/NEW YORK特集号です。

 

 

表紙のニットは、J.W.アンダーソンのものです。

メチャかわいいです。

3万円で売ってほしいです。

 

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GUCCI

 

サバト・デ・サルノが2023年にデザイナーに就任してから、GUCCI はリセットされました。

美しいスタイリング,美しいランウェイ。

ボタン位置が少し高くてプラダっぽいなと思いましたが、サバト・デ・サルノはプラダでキャリアをスタートさせたらしいですね。

 

飲食店とかでもそうですが、しっかりとしたキャリアを積んで美味しい料理を提供しているシェフというのは、修行時代に学んだお店の基礎というのがその料理の中にしっかりと感じられることが多いです。

これは美容師も当てはまることですが、今の時代は修行時代と言っても働き方改革で以前よりも自分の自由に使える時間もかなり多く、自主的にかなり頑張らないとなかなか抜きに出た技術というものは身につけにくい時代になっています。

でも、一番人生を楽しみたいと思う若い時にサボらず、一生懸命仕事に向き合っていれば、将来それが一生の武器となってくれるはずです。

ファッションの世界もとても華やかに見えますが、そのトップで活躍している人達は、血の滲むような努力をした時期もあったと思います。

僕も修行時代は、今思うと血が滲むくらいまで頑張ったと思える時期はそんなに多くなかったかも知れないですが、2~3年くらいは軍隊のように厳しい環境にいました。

それでもまだまだ努力が足りなかったので、独立してから特に最初の5年くらいはほとんど休まず、朝から夜遅くまで仕事や技術力アップに打ち込みました。

それでなんとか少し挽回することができました。

それから今までも、ずっと日々試行錯誤している感じです。

でも、だから今も日々、仕事が面白いと思えます。

 

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PRADA

 

 

そのPRADAです。

今回のPRADAは、丈感やディティールに少し違和感を覚えるスタイリングが物議を醸しました。

帽子にはスイムキャップ、パンツには腰にベルトがドッキングされ、ジャケットの前あわせはシングルなのにダブルのように少しずれている。

いつもラフの服作りは面白いです。

自身が服を作れるデザイナーじゃないからこそできるユニークな発想がラフにはあります。

 

このコレクションを見て、ミッドセンチュリーモダンのインテリア様式やそれらが流行っていた頃のファッション,カルチャーを次世代にアップデートさせたようなニュアンスにも思えました。

ラフは、Kvadrat/Raf Simonsというテキスタイルブランドで、ミッドセンチュリーのデザイナーに着想を得たコレクションを発表していた時がありました。

上のサバト・デ・サルノがPRADAが自身のルーツなら、工業デザイン学校で建築とやアートを学んだラフにとってはミッドセンキュリーモダンも自身のルーツのひとつなのかも知れません。

 

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J.W.ANDERSON

 

数珠繋ぎのようにレポートしていきますが、上記のラフ・シモンズがカルチャーに明るいデザイナーだと言うのは多くの人が周知していますが、このJ.W.アンダーソンも知識がヤバいらしいです。

今回のコレクションは、スタンリー・キューブリックの映画『アイズ・ワイド・シャット』の室内空間に着想を得たらしいです。

僕の方がおそらくアンダーソンよりキトクな趣味なので、もっとニッチな映画はたくさんありまっせと思う節もあるのですが、ラフ・シモンズにしろアンダーカバーの高橋盾さんにしろ、そしてJ.W.アンダーソンにしろ、ちょっとチャーミングさが残るくらいのニッチ加減の方がファッション界ではウケが良いのでしょうね。

エディ・スリマンは、さらに1~2枚はニッチ度が上ですが(知らんけど)、彼はそれをその時代のストリート(街中のオシャレでカルチャーにも明るくセンスが良い人達)が理解できるギリギリのラインで落とし込んでくる才能も持ち合わせているから余計に素晴らしいです。

 

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BURBERRY

 

 

イギリス人デザイナーであるダニエル・リーがデザイナーに就任してから、BURBERRYにもイギリスらしさが戻ったように思います。

やはり国籍や自身が育った環境というのは、興味を持って近づくカルチャーよりもずっと自身の基礎を形成する要素で、それが最大のルーツとなり最高の武器となります。

伝統を重んじるイギリスらしいトラッド性と、ダニエルらしいカッティングエッジで現代的なエッセンスがハイブリットした素晴らしいコレクションでした。

 

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という感じで、今回のコレクション雑感は“ルーツ”というキーワードを交えてコメントさせていただきました。

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.882

2024.03.21.

Posted on 03.21.24

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

表紙はカナダ人の女優, Taylor Russellです。

僕は、全然知らない女優でしたが。。

こういう無造作にカットされている左右がアシンメトリーな質感の髪型は面白いなと思います。

大事そうに抱いているコートは、DIORのものです。

 

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そしていつも通り洗練されたアヴァンギャルドが素晴らしいポートフォリオの数々

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年に素晴らしい才能で長年編集長を務めてきたフランカ・ソッツァーニを亡くしてから、天下のイタリアンヴォーグもちょっと軌道がブレそうになって怪しい時もありましたが、今号を見てもやはりさすがだなと思いますし、あのまま商業主義に陥らなかったことを嬉しく思います。

 

イタリアンヴォーグを買い続けているのは、モードの勉強の為というのが一番ですが、こんなモードが大衆化してしまっている時代においても、ずっとモードの本質を追求している姿勢を応援したいからという気持ちも大きいです。

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はぜひ手にとってご覧になってください。

gap PRESS MEN vol.74

2024.03.20.

Posted on 03.20.24

gap PRESSの最新号は、2024-2025 A/W PARIS特集号です。

 

 

 

いつもは、ミラノ特集号が先に発売されるので、なんか少し変な感じがします。

 

表紙の素晴らしいルックは、DRIES VAN NOTTENのもの。

昨日のニュースで、今年の6月をもって創業者のドリス・ヴァン・ノッテンが退任することが発表されたのは衝撃的でした。

思えば、2018年にプーチグループの傘下に入った時から、何かが変わっていっているような気がしました。

 

DRIES VAN NOTTENは、近年モード界が資本主義に走り、売れる為なら魂さえも差し出すようなメゾンが続出する中で、黄金期のアントワープ出身デザイナーらしく“ファッションを愛する者の、ファッションを愛する者による、ファッションを愛する者たちの為のコレクション”を発表し続けました。

 

個人的にも大好きなデザイナーでした。

ドリスの洋服は、僕のワードローブの中でも一番割合の多いブランドです。

これまでのドリスの功績に、ファッションを通じて自分の人生に与えてくれた豊さに、今一度感謝し心からの敬意を表したいと思います。

今まで、本当にありがとうございました。

そして、お疲れ様でした!

 

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DRIES VAN NOTTEN

 

素晴らしい映画監督であるエリック・ロメールやマノエル・ド・オリヴェイラは歳を重ねるごとに益々若々しい作品を発表していましたが、ドリス(ドリスの方が2人が作品を発表していた年齢よりまだまだ若いですが)もまさにそんな感じです。

 

今、モード界では“クワイエット・ラグジュアリー”やら“ジェントル・ラグジュアリー”やら言うてますが、そんなトレンドに振り回されてコロコロやることを変えるデザイナーよりも長い期間をかけて自身のスタイルを真摯に追求しているドリスのようなデザイナーの方が余程素晴らしいですし優れていると思います。

 

今は物価高や円安もあって、自分自身、インポートの洋服の購入頻度は減っていましたが、ドリスが退任するというのなら残りのコレクションからなるべく欲しいものは買っておきたいなと思う今日この頃です。

ドリス自身のラストコレクションとなる来シーズンも、とても残念ではありますが集大成としてどんなものを見せてくれるのか、今から楽しみでもあります。

 

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LOEWE

 

ロエベは世間ではバッグとかばっかり売れているのだと思いますが、J.W.アンダーソンの真骨頂はやはり洋服にこそ現れています。

今回は、コラージュアーティストのリチャード・ホーキンスとのコラボレーション。

 

逆三角形のように上に広がるニットや、本来ウエストマークとして使うベルトを首に巻いてリボン結びにしたり。

J.W.アンダーソンのアイデアはいつも本当に面白いです。

 

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RICK OWENS

 

 

リックの服作りは、面白いというよりももはや芸術の域です。

見てください、このデカダンスなムード漂うフューチャリスティックなミュータント感。

こんなブーツが爆発的に売れるわけがないのはリック自身もわかっている筈です。

“売れること”よりも“自身のスタイルを追求すること”とは、こういうことを指します。

それでいてリックは売れてもいる。

成功しているデザイナーブランドの最たる例だと思います。

 

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LEMAIRE

 

クリストフ・ルメールのクリエイションは、“クワイエット・ラグジュアリー”とは一線を画します。

これは“ニュー・ベーシック”

彼はいかなる時も、常にそれをアップデートさせることを考えているように思います。

ルメールも自身のスタイルを追求し続けているデザイナーの一人です。

 

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という感じのコレクション雑感でした。

ブレないデザイナーが好きなので、やはりそのようなデザイナーをピックアップしてご紹介させていただきました。

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はぜひ待ち時間などにご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.881

2024.02.15.

Posted on 02.15.24

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

今号のテーマは『CIAO RAGAZZE』

「こんにちは、女の子」という意味です。

 

 

こんなに多様性とか言われてて、男や女という言い方も簡単にできない世の中で、このテーマを持ってくるのは逆にさすがだなと思います。

 

性的少数者の方々の存在を考える必要があることはもちろんですが、この世の中には女性として産まれ女性としてファッションや人生を楽しみたいという方のほうが多いのは事実です。

そして、ファッションというものも元々は女性の為に生まれた言葉でした。

 

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このストリートコラージュも面白かったです。

 

 

 

 

構図もカッコイイです。

 

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他のポートフォリオも素晴らしかったです。

 

 

 

 

 

リアルクローズなのに芸術的、これも高い技術とセンスがあって成せる技です。

 

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本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.880

2024.02.07.

Posted on 02.07.24

イタリアンヴォーグの最新号が届きました!

 

 

とても美しく素晴らしい表紙です。

モデルはイタリア人の若手女優,Benedetta Porcaroliです。

 

右側に光跡がありますが、これはデジタル処理ではなくアナログな手法であえて光跡を作っているのでしょう。

どこかヒューチャリスティックなイメージのスタイリングに、背景や光跡などを巧みに操ってノスタルジーなムードを漂わせています。

本当に素晴らしい。

 

 

 

 

 

 

 

もしお時間のある方は、これらの写真をSNSを見る時のように一瞬だけ見て流すのではなく、それぞれの写真を注意深く観察してみてください。

 

そうすることで感性というのは磨かれていくものだと思っています。

一瞬一瞬を見流すだけで、自身の糧にすることはとても難しいです。

 

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先日、センス抜群の素晴らしいセレクトショップを経営されているお客様から教えてもらったのですが、久々に関西の重鎮みたいな(ファッションの)トップスタイリストの方とお仕事する機会があったらしく、その時に最近面白いお店や気になるようなお店があるか聞いてみたらしいです。

そしたら、その方は最近は薄っぺらいお店ばかりだと言っていたそうです。

こだわりを持ってやっていたお店も、時代の流れとともにその軸がブレていっているところばかりだと。

僕も最近のお店事情には全く詳しくないですが、そんな気がしています。

 

でも、とても残念なことに、そんな薄っぺらいお店の方が流行ってしまうんですよね。。

だから、こだわり持って続けているようなお店も、どんどん軸がブレていくのだと思います。

 

欲を出し過ぎずに、自分の本当に良いと思うことだけ信じて続けてる方が、今来てくれている顧客様と長期的な付き合いができると思うし、絶対そっちの方がカッコイイと思うんですけどね。個人的には。

 

当店に来てくださっている10代~20代の若いお客様達には、強制的に本誌をお席に用意している雑誌の中にしれっと忍び込ませておこうと思います笑

 

ということで、本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.879

2023.12.27.

Posted on 12.27.23

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

デヴィット・リンチを彷彿とさせるような一面赤で埋め尽くされた表紙。

美しいですね。

日本のモード誌も、これくらい表紙を断捨離してみてほしいです。

 

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中の写真も少しご紹介させていただきます。

 

 

 

 

 

 

今月も大変素晴らしい写真が並んでいます。

グレー×グレーのドレープも美し過ぎます!

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ。

gap PRESS vol.175

2023.12.19.

Posted on 12.19.23

gap PRESSの最新号、2024 Spring&Summer PARIS/LONDON特集号が届きました。

 

 

 

表紙はドリス・ヴァン・ノッテンのコレクションのものです。

スパンコールを施したシースルーのセットアップに、ペールトーンのテーラードジャケット。

フェミニンでカジュアル、そしてエレガントでもあるという、これぞドリスな絶妙で奇抜なスタイリング。

 

 

「見たことのない、ありふれたもの」が今季のテーマ。

とても面白いテーマです。

 

 

今の日本の街のファッションは、「そこら中で見かける、ありふれたもの」です。

髪型もそうだと思います。

それがたとえ個性的なものだったとしても、皆が同じことをするので、本来個性的だったりセンスの良いものでさえ凡庸化してしまっています。

多くの人が、良いと思ったものを見たままコピーして取り入れてしまっているからだと思います。

 

同じようなものでも、少し組み合わせを変えたり、バランスを外したりすることで、凡庸なものでもガラリと雰囲気を変えることができます。

それが本来、ファッションを楽しむということだと思っています。

そういう考えのお客様に信頼していただけるようなヘアスタイル作りができる美容師であることを、僕は目指しています。

 

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MIU MIU

 

 

ミウッチャ・プラダによるMIU MIUです。

ミウッチャはご存知のように、PRADAとMIU MIUという2つのブランドを手掛けています。

少し前までは、その両方のブランドがモード界において苦戦を強いられていました。

もともとその2ブランドは、落ち着いた大人の洗練されたスタイルを提案するメインラインのPRADA、フレッシュで若者向けのMIU MIUという使い分けができていました。

しかし、若者層も“大人っぽさ”を求める傾向が強くなって、PRADAとMIU MIUにおいてのカテゴリの線引きが曖昧になっていました。

そんなミウッチャに救世主となったものが2つありました。

ラフ・シモンズのPRADA加入と、ファッション界にも吹き荒れたトレンド,Y2Kです。

というかモード界でY2Kというトレンドに火をつけたのは、ミウッチャ自身だったように思えます。

 

今回のコレクションもスイムウェアをスタイリングに取り入れたりと、そのクリエイションは瑞々しさに溢れています。

原点回帰してトレンドセッターに舞い戻ることに成功したMIU MIU、今は、時代もミウッチャに味方しているように思います。

 

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Alexander McQueen

 

2010年、マックイーン突然の死を受けて、その後を継ぐことになったのは彼の右腕だったサラ・バートンです。

彼女は、マックイーンの意志を受け継ぎ、素晴らしいコレクションを発表し続けました。

その間、モード界にはストリート旋風が吹き荒れたり、派手なロゴなどアイコニックさに頼るブランドも多く見かけられましたが、サラはそんなトレンドにも流されず、マックイーンをマックイーンらしく受け継ぎ、その系譜に傷をつけませんでした。

今コレクションを最後に、サラはマックイーンを去ります。

彼女の仕事に敬意を表したいと思います。

 

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LONDONコレクションからバーバリーも書こうと思ってたのですが、長くなったのでこのへんで終わりにしたいと思います。

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はぜひご覧くださいませ!

gap PRESS vo.174

2023.12.09.

Posted on 12.09.23

gap PRESS の最新号は、2024 Spring&Summer MILANO/NY 特集号です。

 

 

表紙は、今やトレンドセッターの座を不動のものにした、ラフ・シモンズとミウッチャ・プラダによるPRADAです。

 

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PRADA

 

 

クラフトマンシップに焦点を当て、服を作るという行為に対して敬意を込めたという本コレクション。

 

スペインの建築家,アントニ・ガウディの言葉に「人間は創造することはできない(創造するのは神のみ)。人間は発見し、その発見から出発する」というのがあります。

僕は、この言葉がとても好きです。

 

デザイナーのラフ・シモンズは服飾学校を出ておらず、自分でデザイン画をスケッチすることも、もちろん服を作ることもできません。

ですが、カルチャーやアートなど、自身が見たものからインスピーレーションを得て、服作りに応用する才能というのは飛び抜けたものがあります。

ラフの服作りを見ていると、ガウディのその言葉を思い出します。

 

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GUCCI

 

 

低迷していたGUCCIの救世主となったアレッサンドロ・ミケーレがメゾンを去り、新クリエイティヴ・ディレクターにサバト・デ・サルノを迎えてのデビューコレクション。

 

“GICCI ANCORA”(グッチをもう一度)をコンセプトに、デコラティヴだったミケーレとは対照的なミニマルなコレクション。

ミケーレはGUCCIにとって素晴らしいデザイナーでしたが、サルノのこのコレクションも素晴らしいです。

 

これを“クワイエット・ラグジュアリー”とかわざわざ言い出すのは、とてもナンセンスなことだと個人的には思います。

GUCCIにミニマリズムを持ち込んだ感覚がお見事でした。

 

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HELMUT LANG

 

 

ミニマルと言えばこちらが元祖。

90年代、ストイックなミニマルデザインで一世を風靡したブランド, ヘルムート・ラング。

2005年にラングがデザイナーを辞任してからは、モードの一線からは離れたポジションにいましたが、今回新進気鋭の若手デザイナー,ピーター・ドゥがクリエイティヴ・ディレクターに就任して心機一転、初コレクションを発表しました。

個人的には、こんなの全然ラングじゃないやんけ、と思ってしまいました。

当時のラングと言えば、ミニマルなデザインの中にグランジ感やアンダーグラウンド性といったものがあって、とてもカッコ良かった記憶があります。

 

 

今の時代のコレクションは綺麗過ぎて、ダーティで淀むようなムードだったり, ザラついた質感やツンと鼻をつくようなキツい香りみたいな、どこか野性味を感じるような空気感というものが無くなってしまっていることを少し残念に思う今日この頃です。

 

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という感じのコレクション雑感でした。

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.878

2023.11.29.

Posted on 11.29.23

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

白い靴下にGUCCIの名作ローファーが映(“ば”じゃなくて“は”と読んでください)えますね。

しかもスウェード、なんてイカしてるんでしょう。

 

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今回のポートフォリオも素晴らしい作品が満載です。

 

 

 

 

 

 

ロケーションと衣装のコントラスト、そしてニヒルでウィットに富んだ現代人の表現手法。

左右のページで配色や構図にも気を遣っているのがよくわかります。

 

皆さん、イタリアンヴォーグを読んで正しく感性を磨きましょう。

いいね!がたくさんついているものは、一般受けはすると思いますが決してハイセンスな訳ではありません。

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.877

2023.10.29.

Posted on 10.29.23

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

 

素敵な表紙です。

モデルは、デヴィッド・リンチの『ブルー・ベルベット』などに出演した女優, Isabella Rossellini(イザベラ・ロッセリーニ)です。

とても美しいシワ、エイジング・シックとはこういうことを言うのでしょう。

 

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PUNKとあります、パンク。

現代においてはポスト×30・パンクくらいパンクの要素が薄まっていますが、パンクとはそもそもファッションのスタイルではなくその精神を指します。

 

 

 

 

 

どれもカッコイイ作品群ですが、ちゃんとオリジナルのパンクのムードがそれぞれの写真の中にあります。

その写真がただの表面的なものなのか、ちゃんと理解した上での奥行きがあるのか、知ってる人が見れば一目瞭然だと思います。

 

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他の写真も少しご紹介いたします。

 

 

 

 

素晴らしいです。

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.876

2023.09.28.

Posted on 09.28.23

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

また面白い表紙ですね。

見せている部分と隠した部分とのバランスが秀逸です。

クリストファー・ノーランにもこんな感じの芸術性とSFを織り交ぜた映画も作ってほしいです。

エンタメ系は一回お休みして。

 

 

 

これインスピレーションで映画作れるでしょ!

 

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今回のポートフォリオには日本が舞台のものもありました。

 

 

 

僕が板前なら、こんなアヴァンギャルドな人が来て、仕込んでるところを肘付いてマジマジ見られた日には、第一関節丸ごと切り落としてしまいます。

だから来ないで、そしてジロジロ見ないで。指切るから。

 

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冨永愛さんはさすがですね。

彼女がミニスカ&ルーズソックスの当時の女子高生の姿でVOGUEに登場したのが今から20年以上前。

今は完全にスーパーモデルと言われるレベルに君臨しています。

今の日本の若者は当時よりもスタイルが欧米化しているように感じますが、この当時の冨永さんならきっと今の若者と混じっても、群を抜いて目立つスタイルだったと思います。

 

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他の写真も少しご紹介します。

 

先日、ウルリケ・オッティンガー監督の『フリーク・オルランド』という映画を観に行ったのですが、これのあと20倍くらい濃度を濃くした世界観でした。

 

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これもとても面白い発想です。

被写体となるモデルはもちろん、それを描く者までも被写体となる。

絵画のような発想の写真ですね。

 

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本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

gap PRESS MEN vol.73

2023.09.08.

Posted on 09.08.23

gap PRESS の最新号が届きました!

 

 

表紙はファレル・ウィリアムスによるルイ・ヴィトンのデビューコレクション。

会場となったのは、セーヌ川に架かるパリで最も古い橋,ポンヌフ。

ポンヌフ橋と言えば、ロベール・ブレッソンの『白夜』、レオス・カラックスによる『ポンヌフの恋人』が有名です。

どちらも素晴らしい作品でした。

特にブレッソンの『白夜』は、僕のオールタイム映画ベスト3に入ってる作品です。

ですが、ファレルのヴィトンに関してはフル無視を決め込んでますので、悪しからず。

 

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DRIES VAN NOTTEN

 

今季のテーマは『崩されたエレガンス』

今シーズンのメンズコレクションでは、性別の垣根がないようなコレクションを発表するブランドが多かったです。

それらを見て感じたのは、メンズでもフェミニンな印象の服作りが多いということ。

このドリスのコレクションも中性的ですが、ドリスはフェミニンではなくマスキュリンに仕上げています。

そこがドリスらしくて、やはり良いなと思いました。

 

 

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DIOR

 

 

先ほど言ったメンズ服でもフェミニンの火付け役筆頭が、キム・ジョーンズによるDIORです。

メンズにフェミニンを取り入れてるブランドの多くはK-POPのアーティストが似合いそうな感じのスタイリングが多い中で、キムの提案するフェミニンはその一段上をいっています。

新時代的なアプローチでとても新鮮なスタイリング。

キムは今もなお進化を続けています。

 

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SAINT LAURENT

 

 

トーキングヘッズのデヴィッド・バーンが『Stop Making Sense』で可笑しいほどビッグシルエットのジャケットで登場したのが1984年。

今季、アンソニー・ヴァカレロが提案したビッグジャケットも時代を越えアップデートされたものでした。

こうしてカルチャーは、ファッションの世界でも形を変え、進化して語り継がれていきます。

今の若い人達はあまりルーツを追わないのかも知れませんが。

メンズファッションを深いところで理解するには、音楽や当時の時代背景などにも目を向けてみてください。

 

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という感じのパリコレ雑感でした。

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

gap PRESS MEN vol.72

2023.08.31.

Posted on 08.31.23

少し前にgap PRESS の最新号が届いていたのですが、紹介することをすっかり忘れていました。

 

 

今回は、2024 S/S ミラノコレクション特集号です。

表紙はこのあと紹介するPRADAのものですが、まさに新世代のジェンダーレススタイルだと思いました。

最近のモード界は商業的思考に傾斜が増したり残念に思うことも多々ありますが、それでもモードのその本質は益々アップデートして進化しています。

 

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PRADA

 

 

ラフとミウッチャの協業体制に入ってからまだ日はそう長くないですが、PRADAはすでに絶対的なトレンドセッターの位置に君臨しています。

今回のコレクションも素晴らしい。

性差の垣根をポストモダンに飛び越え、常にファッションやカルチャーへの愛情と強い想いを持つラフとミウッチャの情熱が伝わってくるコレクションです。

今期のトレンドとなったスクエアショルダーのビッグシルエットのトップスをウエストインしてくびれを作ってるスタイリングもとても新鮮でした。

 

 

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ETRO

 

 

昨年より、代々一族が務めていたデザイナーの地位に初めて外部から抜擢されたマルコ・デ・ヴィンチェンツォによる新生ETROも好調です。

時代の移り変わりと共に、少し古臭く感じられることもあったブランドに新鮮な息吹がかかりました。

最近のモード界は全体的に服作りが若々しい傾向にある中で、ETROは大人な男性でもサラリと着こなせられそうな提案をしているところにも新デザイナーがETROの伝統を大切にしながら服作りをしているのだなと思わされて感心いたします。

 

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VALENTINO

 

 

やはりピエールパオロ・ピッチョーリの服作りは美しいです。

もう二度と変なVLTのロゴは使わないで欲しい。

そんなものがない方が、あなたの作る服の美しさが際立つから。

色使いやシルエットも絶妙。

バレンティノレッド一色でのスタイリングも素晴らしいです。

 

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JW ANDERSON

 

 

この人は出てきた時からずっとヘンテコな服作りをしています。

モードの世界において、ヘンテコなことをしてトップブランドであり続けられることがどれだけ難しいことか。

 

ヘアスタイルにおいても少し奇抜なことをすれば、大体の場合においてごく一部の人にしか共感されないものができあがってしまいます。

エッジを効かせて、且つ洗練させる、ということはとても技術も感性も必要なことなんです。

 

JW アンダーソンはそういう服作りをやり続けて、それが高く評価されているからLOEWEのヘッドデザイナーも長年続けられているんだと思います。

僕には彼のシグネチャーの服はとても着れませんが、それでも素晴らしいデザイナーだと思っています。

 

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という感じのミラノコレクション雑感でした。

今日お客様から、僕の書くブログを毎回楽しみにしているのに最近更新頻度が少なくて寂しいと言われました笑

 

いや、大体ほぼ毎回世間批判的なこと書いてるのに、これ以上更新頻度高くなれば益々思想ヤバイ系の美容室と思われてしまいます笑

 

でも、当店のお客様からはありがたいことにブログを楽しみにしているというお声をいただくこともあるので、これからも更新頻度上げられるように頑張ります!

 

みなさま、いつもありがとうございます!

VOGUE ITALIA N.875

2023.08.24.

Posted on 08.24.23

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

とても夏らしくて気持ちの良い表紙です。

テーマも美しい、『人生は舞台のように』

そんな気持ちで楽しく生きていきたいですね!

 

 

 

 

 

こういったある程度年齢を重ねた方の写真というのは、若い人じゃ出せない良さがあります。

着飾り過ぎないけど、ファッションを楽しんでいるのが伝わってくる感覚もとても良い。

フランスやイタリアでは、若者よりも年齢を重ねた人達の方がオシャレです。

自分もそのように歳を重ねていきたいと思っています。

 

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他の写真もご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

流石のクオリティです。

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.874

2023.07.20.

Posted on 07.20.23

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

ここ日本では夏真っ盛りですが、イタリアンヴォーグの誌面も夏の到来を迎えて相当に浮かれています。

 

この胸元に付けてるサングラスの数を見てください。

 

これだけ垂らしてて、更に目元にも付けています。

 

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この写真はどちらもはしゃぎ過ぎ。

 

右の方、それは帽子ではなくシャンプーハットでしょう。

 

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他の写真も少しご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

相変わらず素晴らしいです。

本誌はお店に置いてますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!