Posted on 04.13.21

Dazed & Confusedの最新号が届きました。

 

 

表紙は、アメリカの俳優であり女優でありモデルのIndya Mooreです。

 

ムーアは、トランスジェンダーであり Xジェンダーで、普段はthey/themの代名詞を使用しています。

現代における多様性の権利を主張し、確立させている旗手の一人です。

 

潔いまでに刈り込んだ坊主頭がとても格好良いです。

 

 

Dazedがムーアを巻頭に選んだのは、多様性を求められる現代において積極的にセクシュアル・マイノリティの人物を積極的に起用していこうというような意図ではなく、単純にカッコイイからという理由ではないかと思います。

 

 

先日、テレビ朝日の報道番組「報道ステーション」のウェブCMに批判の声が寄せられましたが(帰宅した若い女性が「会社の先輩、産休あけて赤ちゃん連れてきてたんだけど、もうすっごいかわいくって。どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかってスローガン的にかかげてる時点で、何それ、時代遅れって感じ」と笑う。という内容)、表現の仕方に少し“意識高い感”を感じたり政治的批判が少し含まれていたりと多少やり過ぎな部分もあったと思いますが、言わんとしていることは今号でDazedがやっているようなことと同じベクトルです。

 

Dazed & Confusedは世界を代表するモード誌のひとつです。

モードの最先端を理解しているような媒体やメディアは、当然社会問題にも明るいですし、影響力のあるリーダーとしてもそれらの問題に対して積極的に解決していくような姿勢を国際社会からも求められています。

 

DazedのUK号を普通の書店で見かけるようなことは皆無ですが、街の書店に置いているようなファッション雑誌などでもセクシュアル・マイノリティの人物が(たとえそれが社会的意識の高さをアピールする為であったとしても)起用された表紙を目にすることが珍しくなくなったとしたら、そこで初めて上記のCMのような内容が一般の人達にも多く共感してもらえるようになるのではないかと思います。

 

今、ファッション界では、中国新疆ウイグル自治区で今現在も行われているとされるウイグル族への強制労働問題が大きく取り上げられています。

 

「新疆ウイグル自治区」とは中国の最西端にあり、そこには主にトルコ系の民族を含む多くのイスラム教徒が住んでいます。

中国政府はこの地域に“施設”を設け、2017年から現在に至るまで、約3年に渡り100万人を越えるウイグル人が強制的に収容されてきたと言われています。中国政府は収容所であることを認めていないものの、これは第二次世界大戦以降に作られたもので最大の、民族的および宗教的マイノリティに対する強制収容所と認識されています。

そこに収容されているウイグル人は、強制労働を強いられています。

この強制労働によって生産されたものが、世界中のサプライチェーンで使われています。

 

その中には日本企業の名前もあります。

 

ウイグル族を支援するNGOが今回告発した世界の4社の中にはユニクロを展開する日本のファーストリテイリングも含まれていました。

(他の3社はスペインの“ZARA”, “フランスのSMCP”,アメリカの“SKECHERS” )

 

H&MやNIKEが強制労働が行われている新疆ウイグル産の綿花を使わないとの声明を発表する中、ファーストリテイリング社長の柳井さんは、先日の会見で自社商品にウイグル産のものを使用しているかどうかや今後使うかについても回答を濁していました。

「使用している」と答えれば世界的に非難を受け企業のイメージも大きく下がりますし、「使わない」と答えて中国人が自社商品に対して不買運動を起こされても困るからでしょう。

現在の日本の経済界においても影響力の大きい人物の一人でもあるのに、こういう立ち回り方は如何なものかと思います。

 

ユニクロの商品が安い値段で提供される、というのは自分たち消費者にとっては魅力的なことでもありますが、いくら安く提供する為でもこういうことを正当化してるのは企業努力とは呼べないと思いますし、企業のあり方としても良くないことだと思います。

 

そして大事なのは、政治にしても企業にしても、そのあり方の是非は自分たち国民一人一人の行動で襟を正させることができるということです。

一人一人の力では弱くとも、もっと多くの人が政治や社会に関心を持ち、注視できる国民がもっと増えたら、それだけで政治家や経営者が好き勝手できない抑止力になります。

 

日本は先進国と言われていますが、(自分も含めて)国民はもっと教養を養う必要があると思います。

変わらないといけないのは、政治よりもまず国民一人一人です。

 

雑誌の内容とは全く違う方向に長々と書いてしまってすみません。

 

中の写真も少しご紹介いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本誌はお店に置いてますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ。