VOGUE ITALIA N.858
2022.03.27.
Posted on 03.27.22
イタリアンヴォーグの最新号が届きました。
表紙は、泣く子も黙る魔女,ドナテラ・ヴェルサーチです。
自分はモードを好きになってから暫くの間は、ラグジュアリーブランドのコレクションよりもデザイナーズブランドのコレクションに興味があったしそのショーに魅了されていたのですが、当時は(大して興味も湧かなかった)ヴェルサーチのショーの最後にドヤ顔で颯爽と登場してくるドナテラ・ヴェルサーチのことを「なんじゃこの派手なオバハン」と失礼ながら思ってて、割と苦手なタイプ(イケイケそうだし)に思っていたのですが、この人はその頃から自身のスタイルや美学を何も変えずにずっと貫いてて、そういう姿勢を長い間見てると次第に「かっこいいな」と思うようになってきました。
ヴェルサーチの美学が時代に最もフィットしてたのは80年代くらいだと思うのですが、それ以降,グランジやミニマル~近年のラグジュアリーストリートやオーバーサイズなど、どんな時代の波が来ようともヴェルサーチはずっとブランドの本質を守り貫き続けています。
それって、とても大変だし難しいことだと思います。
当店は、モードの大枠にも入れてもらえないくらいのレベルですが、美容室というカテゴリの中で言えばモードの本質をある程度は理解できているサロンではないかと思っています。
近年、モードファッションにおいても“BALENCIAGA”などを筆頭にロゴブームが起こりましたが、当店はモードを軸としててもそういったファッションをされるようなお客様は実は皆無と言っていいほどいないんです。
ロゴブーム時代のバレンシアガを着てても、デムナのデザインの本質が現れているような(ロゴが主張していない)面白いシルエットの洋服を、海外でもスナップされるであろうくらいのスタイリングで上手に着こなしていたお客様なら何人かの名前はすぐに思いつきます。
V:oltaは、そういった感性を持った方にも安心して髪の毛を任せてもらえるような美容室でありたいと考えています。
ヘアデザインにおいてモードに特化するということは、逆に言えばヘアデザインにおいてモードが及ぼすことができる限界点を見極めることができている必要があります。
つまりは、全体像の中でヘアスタイルが一番目立っていることが良いとは限らないということです。
自分自身の考えとしては、センスの良い人ほどヘアスタイルに過度なカラーリングは必要ないと思っています。
かといって自然に見えるスタイルの中にモードを宿らせるには、平凡さを取り除かねばなりません。
ファッションやトレンドというのは時代によって左右される生モノですが、その中心に一本ピンと筋を通せることこそ、モードの本質のひとつだと考えています。
ドナテラ・ヴェルサーチ及びヴォーグイタリアから話はだいぶ逸れてしまいましたが、誌面も少しご紹介いたします。
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このカラヴァッジョの絵画のようなポートフォリオ群は特に気に入りました。
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映画『ボディガード』は、ヴェルサーチの世界観に少し近いなと思います。
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このブログを見てくれている美容師さんがもしいるとして、モードな髪型を作れるようになりたいと思っているのなら、まずイタリアンヴォーグを自分のお金で毎号買うことから始めることをお勧めします。
自分で言うのも何ですが、一番早い近道はV:oltaの門戸を叩くことだと思いますので、やる気のある美容師さんは、ぜひ当店の面接を受けにいらしてください!