†VISIONARIES† 〜ファッションデザイナーたちの哲学〜
2009.01.19.
Posted on 01.19.09
デザインの秘密を感じさせるファッションデザイナーへのインタビュー集
今回ご紹介するこちらの本は、英国の新聞『インディペンデント』に連載(97年〜01年)されたファッションデザイナーへのインタビュー集であります。
サブタイトルは“ヴィヴィアンからマルタン・マルジェラ、川久保玲まで、世界のトップデザイナー23人が語る『仕事』と『人生』”。
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著者がイギリス人であるせいか、イギリス人デザイナーのプロファイリングは特に面白く読めました。
例えば、アレキサンダー・マックイーン。
貧困と暴力がはびこるイースト・ロンドンに6人兄弟の末っ子として生まれた彼は、アートスクールには行けず、パブで働いたりしていましたが、サヴィルローのテーラー業界で後継者不足が問題になっているというニュースをテレビで見て、洋服づくりの資格でも得ようと門をくぐって修業を始め、やがてファッション業界のトップにまで上り詰めます。
ある種の成り上がり的な人生を体現してきた彼の発言は重みと深みがあり、ヘアデザインにおいてもリプレイスできるポイントが多々あって、とても参考になりました。
そのマックイーンの先達ともいうべき、「パンクの女王」で1941年生まれのヴィヴィアン・ウエストウッドは、最初の結婚に失敗し、教師をしながらポートベロのマーケットの露店でアクセサリーを売ることから始め、その25年後には大英帝国勲章を授与されるまでになります。
アートと文化をめぐる彼女のおしゃべりは、ヨーロッパの戦争史話、フランス文化の優位性、エリート主義と、とりとめがないですが、デザインする上での秘訣をはしばしに感じさせられます。
ほかにも、デニムを発明できなかったことが唯一の後悔だと語るイヴ・サンローラン、縫い目一本をとるかどうかを数日悩むフセイン・チャラヤン、テキサス風の派手さをグッチに取り込んだトム・フォード、雑貨や玩具に囲まれながらもイギリス・デザイン業界の体制を憂うポール・スミスなどなど、どれもが面白いです!
お店に置いてますのでご興味ある方は是非!!!