Posted on 07.06.21

昨日の休みは、久しぶりに映画館に映画を観に行ってきました。

 

 

デイヴィッド・バーンによるアルバム「アメリカン・ユートピア」が原案の舞台を、スパイク・リーが映画化した作品。

 

本作は、2019年秋よりブロードウェイで上演された舞台を再構築し、デイヴィッド・バーンと11人のミュージシャンやダンサー達と作り上げたライブ映画となっています。

 

僕はトーキング・ヘッズが大好きで、その中心人物であるデイヴィッド・バーンは今なおリスペクトしています。

本作もすぐに観に行きたかったですが、コロナの影響で大阪は映画館が閉まっていたり、現在もレイトショーをやってないので、なかなか行けませんでした。

 

感想は、とても素晴らしかったです!

 

コロナ禍の現在、なかなかライブにも行けるような状態になりませんが、そんな中、映画の中とは言え、大変素晴らしいライブを観せてもらいました。

 

無駄を一切省いたステージで演じるバーンをはじめとするアーティスト達の服装は、グレー一色。

足元が裸足というアイデアは、バーン自身が提案したものらしいです。

 

ステージでバーンは、 Black Lives Matterなど人種や移民の平等性を訴えたり、大統領選の投票率の低さを指摘して国民へ投票を呼びかけたり、ただの音楽のステージではないとても知的で社会派な要素もありました。

 

日本では、自身の保身の為に政治的な発言や行動を避ける(そもそも政治や社会問題に対してあまり理解をしていない)芸能人やアーティストも多いように思います。

特に、権力を批判するような声を上げた勇気のある著名人ほど、徹底的に叩かれ、まるで報復のように社会的,経済的に甚大なダメージを被る人までいます。

 

ですが本来、バーンのように現代社会や権力に対して思うことを歌詞にしたり、作品として観るものに伝えたりできることこそが、真のアーティストの姿だと思います。

 

権力とは大体にしてその裏側に強力な“悪”の力が潜んでいるものです。

そして権力側の旨みの分け前をもらうには、イエスマンとして権力の犬になるのが明快な答えですが、それでは庶民の暮らしはゆでガエルのように気づかないうちに苦しくなっていきます。

 

僕たち庶民一人ひとりの力は、権力やその界隈にいる人達のそれには到底勝てないものですが、人数の比率では圧倒的に上回っています。

大事なのは、国民の一人ひとりが社会や政治に対してしっかりと目を向け知識をつけることだと思います。

 

Mame Kurogouchiのユニクロとのコラボに歓喜しているような日本じゃダメだと思います。

僕自身、Mame Kurogouchi及びデザイナーの黒河内さんの服作りは日本の伝統を大切にしている部分もあって、応援したいと思うブランドでもありました。

ユニクロとのコラボが発表されたのは「ウイグル問題」が明るみになる前ではありましたが、黒河内さんにはウイグル問題にユニクロが関係している(かなり黒に近い)疑惑が浮上した時点で、一方的にコラボを撤回する(もしくはユニクロのサプライチェーンの中にウイグル問題が関係していないことが証明されるまで販売の延期を求める)くらいの行動をとってほしかったです。

 

ウイグル問題でユニクロが世界中から疑惑を持たれ、国や地域によってはユニクロ製品の輸入ストップがかけられている現在において、「ユニクロと無印は暫く買わないでおこう」と考えている人がここ日本でどれくらいの割合いるでしょうか?

 

自分たち国民の多くが社会問題に目を向けず、理解しようとせず、(それこそ選挙の投票などでも)何も行動しようとしないから、権力はやりたい放題にやり、国民の生活はより抑圧されたものになっていきます。

 

変わらないといけないのは、政治よりも国民なのだと、本作『アメリカン・ユートピア』を観てそういう思いがより一層強くなったので、バーンから勇気をもらって、少し自分の最近思ったことも書かせていただきました。

 

日本でも近いうちに衆議院選挙が行われます。

どこの政党が良い,ダメだというのは、人それぞれですし、それぞれに考えがあって良いと思います。

大事なのは、国民一人ひとりが政治に対して自らの考えを持ち、そして投票に行くことです。

国民が“無関心”であることを権力者は何よりも望んでいます。

 

最後もバーンにあやかってこの言葉で締めたいと思います。

 

「投票に行こう!」