エフィ・ブリースト
2024.09.18.
Posted on 09.18.24
先日のお休みは、来月での閉館が決定してしまっているシネマート心斎橋で、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督の『エフィ・ブリースト』を観てきました。
こちらもそうですが、ファスビンダー傑作選のポスターデザインがあまりにもカッコ良すぎて、最近シネフィル(コアな映画好き)以外のファッションやクリエイティヴのアンテナ感度が高い人達の間でもファスビンダーがフックされだしてると聞きます。
これらのポスターにキューブリックとかタランティーノ映画みたいなファッションカルチャー性を感じているのだと思いますが、ファスビンダー映画って決してそんな類の映画ではないんですけどね笑
まだ未見の方は、まあ観てみてください。
キューブリック好きが10人観たら9人は振るい落とされる映画です。
特にこの作品とか、最後までちゃんと退屈せずに観れた人にはキトク系の素質(ハンター×ハンターで言うところの特質系)があると思うので、おすすめ映画をたくさんお教えします。
でも、カッコイイものはなんでも最初は無理して消化するものです。
それがお酒でもブラックコーヒーでもタバコでも、ニューウェイヴとかポストパンクだって、誰かに影響を受けたりしてカッコイイと思って不味いのに口にしているうちに細かい味の違いまで理解できるようになっていきどんどん依存していくわけです。
だから、カルチャー好きな方は頑張ってニュージャーマンシネマの山にも登りましょう!
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本作は、テオドール・フォンダーネの古典小説『エフィ・ブリースト』をニューシネマ世代のファスビンダーが映画化したもの。
ファスビンダーにしては少し異色の作品でした。
モノクロで表現される厳格な映像美は、ストローブ=ユイレを彷彿とさせます。
ユイレ作品と大きく異なるのは、音声の同時録音にこだわるユイレに対してファスビンダーの本作はアフレコであるということ。
しかも、時折人物の動きとセリフに違和感を覚えるほどのズレがありましたが、これはファスビンダーがあえてそうしているのでしょうか。
だとしたらなんと憎たらしい演出…
ファスビンダー自身によるナレーションも、たびたび挿入される小説の一説も、エフィの人生も、どれもが退廃的で切なさがありました。
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来週は『自由の暴力』を観に行こうと思っています。
ご興味のある方は、ぜひ今回のファスビンダー傑作選にも足を運んでみてください!