Posted on 08.13.21

お盆休みをお過ごしのみなさま、いかがお過ごしでしょうか?

 

当店はお盆期間を避けて、少しずらして16日から夏期休暇の予定を立てたのですが、混み合うかなと思っていた(当店の)連休前の週末のご予約は、こちらの想定が見事に外れてとてもゆっくりしそうで、こうしてブログを書いている今日もそんなに忙しくないので、緊急事態宣言中でもあるので久々に最近のオススメ映画をご紹介させていただこうかと、重い腰を座り心地の良いイスにゆったりとおろしてパソコンの前に向かっている次第であります。

 

コロナ当初は、緊急事態宣言とオススメ映画紹介ブログはセット、というくらい緊急事態の度にステイホーム中に観れる映画の紹介ブログを書いていたのですが、政府から国民への支援もほぼなくなりましたし、今年のG.W.前の緊急事態宣言中くらいから自分を戒めて自粛に対する意識を再度強く持つためにもクロード・ランズマン監督のホロコーストを扱った9時間30分にも渡るドキュメンタリー映画『SHOAH』を観始め、『ソビブル、1943年10月14日午後4時 Sobibor, Oct. 14, 1943, 4 p.m 』『不正義の果て』の一連のシリーズを連続鑑賞し、それに続いて『スペシャリスト』『ハンナ・アーレント』などの関連映画も観て(スペシャリストでのアドルフ・アイヒマンは、菅政権が喉から手が出るほど欲しいと思うであろう人物でした。佐川現国税庁長官が小粒に見えました)、極めつけにはヴィクトール・E・フランクルによるドイツ強制収容所の体験記録に基づいた書籍『夜と霧』を読み終えた頃には、精神的にかなり参ってしまって、なかなかオススメ映画の紹介も書く気にならない状態になっていました。

ですが、これらの作品も人間として現代に産まれたからには観ておくべき素晴らしい作品でした。

クロード・ランズマン監督の作品はBeautiesというサイトでもペーパービューすることができますので、ご興味のある方は、ぜひご視聴してみてください。

 

『SHOAH』では、散髪屋のおじさんのインタビューが出てくるのですが、生き残って現在の仕事として働いている職場で客をカットしながら当時の様子を語っていたのが、似た職種の自分としては特に印象に残っています。

 

 

彼は強制収容所でユダヤ人女性たちのカットを命じられていました。

一人のカットにかけられる時間はごく僅か。カットする前に女性達は服を全て脱がされています。

服を脱がされ髪の毛をカットされた後、彼女達はガス室へと押し入れられ、殺されます。

なぜ髪の毛をカットするかと言うと、ナチスが髪の毛を売ってお金に変える為です。

(女性だけカットするのは、女性のほうが髪の毛が長いからです。)

女性達はこれから殺されるとは伝えられていません。

しっかりと働いてもらうためにもチフスなどの伝染病の蔓延を予防する為、服を脱いで髪の毛を切った後、消毒すると伝えてガス室に送られるのです。

散髪屋達に求められた仕事は、髪の毛を手早く切りつつも普通にショートヘアにカットされたと思わせることです。(急に丸坊主にしたら、ただごとではない印象を与えてしまうからです)

インタビューに答えていた散髪屋のおじさんは、当時の様子を語りながら、目に涙を浮かべていました。

本当に辛い経験だったと思います。

 

他の民族や人種を、自国民よりも蔑んで見ることはあってはならない。

これは現代に生きる人間、自分達にも言えることです。

 

今回は長くなったので、本編とは分けてご紹介いたします。

(本編に続く)