2015-A/W-Men 考察
2015.02.05.
Posted on 02.05.15
ジョン・ガリアーノがマルジェラのデザイナーに就任してブランド名を『Maison Margiela』に刷新し、オートクチュール・コレクションにて素晴らしいカムバックを果たしたのが年明け。そこから、寒さに完膚無きままに負けて仕事以外は極力家から出ないという個人的な抜本的政策を敷いてるうちに、今秋冬のメンズ・コレクションが発表されました。
最近は、インターネットを通じてコレクションをライブ配信してくれるブランドも増えてきたので、寝る前にふと思い出した時はパソコンをつけて観たりしているのですが、だいたいどのブランドも30分くらいは遅延するので1:30スタートとかなら1:50分くらいから見始めれば良いのに、予定の開始時間にサイトを見てみると、あの「予定時間に始まると思ってる方がクレイジーよ」とでも言わんばかりのまだまだ全然はじまらない感がだんだん面白くなってきて、結局30分間ファッションエディターや著名人たちがただザワザワしてるだけの映像を見続けてしまいます。
というわけで秋冬のメンズの傾向ですが、近年のファッション界のムーブメントである男女の性差を超えた“クロスジェンダー”の流れがファッション界に浸透し、「目新しい」から「定着」に変化してきたように思います。メンズのショーにも女性モデルを登場させるメゾンも近年増えてきました。
ウィメンズのファッションをメンズライクに寄せるならサンローランのエディ・スリマンが頂点に君臨しているでしょうし、メンズを中性的に表現するならロエベのデザイナーも手掛けるJ.W.アンダーソンがその旗手だと思います。
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Saint Laurent
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Loewe
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期待していたガリアーノの“メゾン・マルジェラ”は、今回のメンズはデザインチームが手がけているらしく、お披露目は次回にお預けとなりましたが、ファブリックはガリアーノ自ら選定しているらしくイギリスの生地が多用されてるらしいです。先ずは内面からガリアーノ色にということでしょうか。
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Maison Margiela
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自分くらいの世代だと懐かしくもあり嬉しかったのは、ルイ・ヴィトンのキム・ジョーンズが発表した2010年に亡くなったデザイナー, クリストファー・ネメスのオマージュのコレクションです。
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Louis Vuitton
高校生の時は、大阪に出てきた際にはよく四ツ橋沿いにあったネメスのショップに通って、バイト代をつぎ込んでは頑張って着てた思い出があります。
膝のところがパッチワークになった立体裁断のパンツは、当時斬新でカッコよくて愛着していました。
ネメスの象徴的な縄目のモチーフが見事に蘇りました。
メンズ全体を見まわせば、ヴァレンティノやドリス・ヴァン・ノッテンなどは相変わらず素晴らしいコレクションを継続しています。コレクション会場でもこの2ブランドの他、ハイダー・アッカーマンなどがファッショニスタの着用率が高いらしいです。日本のメンズ・モードの市場で売れてるのはサンローランやバルマンが相変わらず人気を博してるみたいですが、モード・ファッションを追求している人の中でも既にこの段階からトレンドのタイムラグが発生している気がします。
上記のブランド以外で個人的に良かったと思ったのは、ボッテガ・ヴェネタ, ディオール・オム,エルメネジルド・ゼニア,プラダ,ジル・サンダーでした。
最近のミラノは、メゾンの持つ伝統やテクニックの円熟味とトレンド感が見事にマッチしていて、大変素晴らしいです。
稚拙ですが、そんな感じのメンズ・コレクション考察でした。
そろそろ新しい波がやってきそうな予感もします。いや、やってきて欲しい…