Laniro theatre light

2022.01.23.

Posted on 01.23.22

お店のインテリアに、新しくヴィンテージの照明器具が増えました。

 

 

 

戦後の1984年にイタリアで創業したLaniro(イアニロ)というメーカーのもので、当時、映画撮影や舞台用の専門的な照明を作っていました。

 

当時の映画は、室内スタジオで大掛かりなセットを組んで行うものがほとんどで、本機はその時に実際使用されていた撮影照明です。

コンセントを挿せば、実際に今も使えます。

(電力消費が半端なさそうなので、極力無駄に付けたくはないですが…)

 

 

 

無骨さを感じるインダストリアルなデザインで、その存在感のある佇まいがとても気に入っています。

 

僕自身、昔の外国映画(特にヨーロッパ)がとても好きで、お店をデザインしてもらった702さんのアンティークショップが移転で一旦なくなるということもあって、ひとつの思い出にもなるので、引き取らせて(もちろん購入して)いただくことにさせていただきました。

大切にしたいです。

 

当時の映画は、大きなスタジオを借り切って大掛かりなセットを組んで撮影されることが基本で、お金がとてもかかりました。

それのある種カウンターとして出てきたのが、小型カメラで外の自然光を利用し、人数も最小限に抑えることで低予算でも映画を作れることを証明し、そしてその軽やかなスタイルを逆用することでこれまでの映画にはない独特の魅力を作品に持たせたヌーヴェルヴァーグです。

(個人的には、本当はヌーヴェルヴァーグの方が好きなんです笑)

 

 

せっかくなので、壁に飾っているルイス・ブニュエルの『皆殺しの天使』のポスターとのマッチアップも一枚。

 

 

ブニュエルは、当時のブルジョアジー達の背徳的な倫理観を皮肉たっぷりに描いた作品をよく撮っていましたが、この撮影照明と一緒に自身のポスターが写真に収められるのも、本人からすれば「なんちゅうことやってくれとんねん」と思うかも知れません。

本機とポスターをフレームに収めて写真を撮る際、浮遊霊となって未だこの世を彷徨っているブニュエルの亡霊に頭を叩かれたような気がしました。

そう、『自由の幻想』でナポレオン兵が頭どつかれたシーンのように。

 

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コロナになってから、お店での撮影は休止状態ですが、また次に撮影する際は、この照明を使った作品も撮りたいと思っています。

 

ご興味のある方は、お店にいらした際に近くでも見てみてください!