FREAK SCENE
2022.04.01.
Posted on 04.01.22
3月最終日の昨日は、夜の予約が全く入らないという、美容師としては今がまさに油が乗り切っているであろうキャリアにある僕としては、座禅を組んで肩に気合を入れてもらわないといけないくらい由々しき事態にあったのですが、今週もし早く終われる日があったらと虎視眈々と狙ってたのがシネマートで上映されているダイナソーJr.のドキュメンタリー映画『FREAK SCENE』です。
ヤケ酒ならぬヤケ映画という感じで観るならまだ情状酌量の余地があるのですが、美容師を生業にしているにも関わらず、あわよくば平日の夜8時スタートの映画を観に行きたいと思ってしまっている時点で、僕の美容師としての末路が悲惨なものになるのは想像するに明らかです。
当日の15時くらいまでは「チャンスあるかな」とささやかに期待してたくらいでしたが、19時くらいには『Bug』を流しながら「絶対に今日行くんだ」という強い気持ちに変わっていました。
今の場所にお店を移転した時、ひとつの節目にと思ってV:oltaオリジナルのジェルを作ったのですが、その商品名に“Grunge Couture”(グランジクチュール)と名付けました。
薄汚くみすぼらしいという意味を持つ「グランジ」と、繊細な手作業による高級な仕立ての「クチュール」、相反する要素を持ち合わせたような質感をイメージして作ったのですが、音楽性を持たせる言葉も入れたいという意図もあって自分の好きなジャンルのひとつである“グランジ”から着想を得たところがありました。
音楽でグランジといえばニルヴァーナが最も有名ですが、僕はニルヴァーナよりダイナソーJr.、カート・コバーンよりJ.マスシスがよりお気に入りでした。
(もちろんニルヴァーナもたくさん聴きましたし、カート・コバーンのドキュメンタリー映画もおそらく全部観ています)
このジェルの持つグランジのイメージは、まさにダイナソーJr.でした。
というのが、昨日仕事を早退した僕の幼稚な言い訳です。
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boidsoundでの上映も今回初めて体感したのですが、とても良かったです!
(シネリーブルの「マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”」をodessaで上映するのだけは全く意味がわからなかったですが)
マスシスがカート・コバーンにニルヴァーナのドラムとして誘われたのは音楽好きの間では有名な話ですが、マスシスは学生時代レコードを45RPMで高速再生させてドラムの練習をしていたらしいです。
劇中でマスシスがマイブラのケヴィン・シールズと共演して“thorn”を演奏しているシーンがあったのですが、映像だけでも鳥肌が立ちました。
グランジやスケーターのカルチャーが謳歌していた当時のシアトルの空気感というのは、やはり良いものですね。
久々にダイナソーをガッツリ聴き返したくなりました。
(というか、行く時からダイナソー聴きながらテンション上げてたのですが…)
ちなみに、同じ時間に映画を観にきてたのは全員で15人いないくらいで、ほぼ男性でした。
(そのうちの一人は当店のお客様で、帰りは途中まで一緒に自転車を押しながら帰ってきました)
ダイナソーJr.は、そういうバンドです。
なんたってヴォーカルのルックスが(世間一般的には)イケてないんですもの。
自分は、美容師として女性のお客様もしっかりと狙っていかないとさすがに生きていけないですが、美容室として目指すべきはニルヴァーナよりもダイナソーJr.の姿だと改めて思いました。
マスシス最高!