gap PRESS 2023 S/S PARIS&LONDON
2022.12.15.
Posted on 12.15.22
gap PRESSの最新号が届きました。
表紙は、2年半ぶりにフィジカルショーを行ったドリス・ヴァン・ノッテンの写真が選ばれています。
ということで、今回はドリスのコレクションからご紹介させていただきます。
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DRIES VAN NOTEN
3部構成で展開されたショーの序盤を飾った黒で統一された洋服群は、ウクライナ出身の芸術家,カジミール・マレーヴィチの作品「黒の正方形」から着想を得たもの。
僕はドリスでも黒い服をよく買うのですが、ドリスの黒は、黒でもやわらかいんです。
リック・オウエンスやアン・ドゥムルメステールなど、黒を基調とするブランドの力強い黒ももちろん好きですが、ドリス・ヴァン・ノッテンやハイダー・アッカーマンなど折衷主義なブランドの作り出す黒い洋服も、僕は大好きです。
ショーが進むにつれ、ランウェイは、よりドリスらしい華やかなカラーに包まれていきます。
コロナ中に発表したデジタル形式のコレクションも良かったですが、やはりドリスはフィジカルショーで見たいブランドだと改めて感じました。
その価値があるブランドだと思うから。
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CHANEL
シャネルが今シーズンのインスピレーション源にしたのは、アラン・ロブ=グリエによる映画『去年マリンバートで』。この映画の衣装はココ・シャネルがデザインしていました。
映画の中のシャネルの衣装ももちろん良いのですが、『去年マリンバートで』は、映像美が素晴らしい作品です。
映画と比べると、僕には今回のシャネルのコレクションはちょっとキャッチー過ぎる感じがしてしまいます。。(でも、モードとはそもそもそういうものだと思っています)
逆を言えば、それだけ素晴らしい映画だと思いますので、ご興味のある方はぜひ映画の方もご覧になってみてください。
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Rick Owens
先日、ラフ・シモンズの終了が発表されましたが、リック・オウエンスはデザイナーズブランドという存在のあり方において最も成功しているブランドのひとつかも知れません。
コレクションでリックほど高い芸術性を出しているブランドは他にありませんし、アンやハイダーなど世界観の強いデザイナーズブランドが近年苦戦しているのを他所にリックは商業面においても成功しています。
リックのようなブランドのあり方は、多くのデザイナーズブランドにとって理想形のように思えます。
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RAF SIMONS
そしてブランドの終了が発表されたラフ・シモンズの最後のコレクション。
ラフは90’s後半に彗星のようにモード界に現れ、瞬く間に人気ブランドとなりました。
少し前にラフの昔のアイテムがヴィンテージとして注目されたりしましたが、90’s後半~2000年頃のラフの洋服はもっとザラついたものだったと思います。ストリートやカルチャーを剥き出しのままモードの世界で表現してたような感じでした。
このラストのコレクションを見ても、ラフは洗練されていく中で自身の最大の武器が失われていってしまったのかなと思ったりします。
もちろん洗練されたからビッグメゾンのデザイナーにも起用されるようになったメリットもあると思いますが、僕個人的にはラフのシグネチャーは洗練させ過ぎずに、あの頃の剥き出しの精神性を貫いて欲しかったなと、今となっては思います。
またいつかブランドが再開される日を、今から待ち望んでいます。
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という感じで今回はこれくらいで終わりにさせていただきます。
本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!