先日のお休みは、シネヌーヴォさんでソ連・パルチザンスク出身の映画監督,ヴィタリー・カネフスキーの特集から、『動くな、死ね、甦れ!』と『ひとりで生きる』を観てきました。

 

 

まずは『動くな、死ね、甦れ!』から。

 

『動くな、死ね、甦れ!』は、カネフスキー監督の自伝的作品とされています。

 

あらすじ

第2次世界大戦直後のソ連。強制収容所地帯となった極東の小さな炭鉱町スーチャンに暮らす12歳の少年ワレルカは、シングルマザーの母親に反発し、悪戯ばかり繰り返していた。同じ年の少女ガリーヤはいつもワレルカのことを気にかけており、彼が窮地に立たされると守護天使のように現れて助けてくれる。そんなある日、度を越した悪戯で機関車を転覆させてしまったワレルカは、逮捕を恐れてひとり町を飛び出す。

 

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映画史に刻まれる歴史的な名作だと思いました。

口から放たれる言葉ではなく、一見平然を装ったようなワレルカの顔の表情からは、内面に潜めた感情の塊のようなものが感じ取れました。

全てを観終えて、このタイトルの意味を改めて深く考えさせられました。

 

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続いて『ひとりで生きる』

 

 

こちらは『動くな、死ね、甦れ!』の続編。

 

あらすじ

15歳になったワレルカは、子ども時代に別れを告げようとしていた。大人たちの世界はますます悲劇的な様相を呈し、ワレルカにとっての心の拠り所は、2年前に死んだかつての恋人ガリーヤの妹・ワーリャと一緒にいる時間だけだった。やがてある事件が原因で学校を退学となったワレルカは、ワーリャの思いをよそに町を離れ、ひとりで生きることを選ぶ。一方、残されたワーリャは、返事の来ないワレルカへの手紙を書き続ける。

 

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こちらも凄まじかったです。

これほどまでに残酷な有り様を、なぜこれほどまでに美しく描けるのか…

 

本当は3作全て観たかったのですが、予定を合わせられず残念でした。

可能なら、この3部作でBlu-ray出してほしいです。

関係者のみなさま、どうかよろしくお願いいたします。

Posted on 12.17.25

昨日のお休みは、中之島美術館で開催されている『拡大するシュルレアリスム』展へ行ってきました。

 

 

シュルレアリスム(超現実主義)は、1924年にアンドレ・ブルトンが定義づけた動向で、「これまで無視されてきたような種々の連想における高次のリアリティと、夢の全能性への信頼に基づく」ものとされています。

 

副題にもあるように、展示されている視覚芸術作品は絵画やオブジェにはじまり、広告、ファッション、インテリアまで、幅広い構成でとても面白かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後の写真は、美容メーカー,パンテーンの広告です。

こんなアーティスティックなヘアケア系の広告は、これまで見たことがなかったです。

 

 

サルバドール・ダリ、マルセル・デュシャン、マックス・エルンスト、ルネ・マグリット、マン・レイなど、好きな芸術家の作品をたくさん堪能できました。

 

図録も買ってきたので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

 

 

アートブック

2025.12.09.

Posted on 12.09.25

今月のpenはアートブック特集です。

 

 

昔、ドイツの出版社,シュタイデルのドキュメンタリー映画を観ましたが、カール・ラガーフェルドから直々に依頼されたシャネルのアートブックの完成発表会で壇上に上がったシュタイデル氏は、煌びやかに着飾ったゲスト達を前にしてこう熱くスピーチをしていました。

 

「本に顔を近づけて、インクの匂いを嗅いでみてほしい」

 

オシャレな紙面やシャネルについて触れるわけでもなく、ゲスト達はキョトンとした様子で不思議そうな面持ちで本に顔を近づけていました。

 

それを診てから、僕はアートブックを買うたびに掲載されている内容を見る前にまず紙面に顔を近づけて、本から放たれるインクの香りを嗅ぐことがルーティンとなりました。

 

皆さんもぜひ素敵な本やアートブックに出会った際は、まずその本から香るインクの香りを楽しんでみてください!

今月の絵画

2025.12.05.

Posted on 12.05.25

いつも絵画を持ってきてくださるお客様が、また新しい作品を持って来てくださいました。

 

 

今回のテーマはクリスマスだそうです。

とても素敵ですね。

 

真ん中に描かれたぬいぐるみが絶妙な存在感を醸し出しています。

クリスマスのワクワク感、特別感がありつつ、大人びた複雑性もあります。

どこかグスタフ・クリムトのようなジャポニズム性も感じます。

 

12月にピッタリの作品をありがとうございました!

 

みなさまご来店の際には、ぜひお近くでご覧になってみてください。

Posted on 11.26.25

先日のお休みは、中之島香雪美術館で開催中の『ベルナール・ビュフェ展』へ行ってきました。

 

 

個人的には昆虫シリーズとサーカスシリーズ、ビュフェが描く花が好みでした。

 

また図録を買ってきたので、ご興味のある方はぜひご覧になってみてください!

美容業界専門誌の『美容の経営プラン』さんからコラムをご依頼いただき、寄稿させていただいたものを掲載していただきました。

 

 

“カネ”、“モノ”、“ヒト” の中から一つテーマを選んで書いてほしいということだったので、「今、社会に実装していっているAIやロボットがどのように美容業界に取り入れられていくのか」ということについて自分が考えたりしていることを少し書かせていただいたのですが、コラムの文字数ではどうしても簡潔にまとめる必要があったので、こちらでは文字数気にすることなく書かせていただこうと思います。

ご興味のある方は、読んでみてください。

 

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現在、AIやロボットが社会に広がっていく中で、今後無くなっていくと思われる職業ランキングみたいなものをご覧になったことがある方もいらっしゃるかと思います。

それらに代替されていくと思われている職業の上位は、一般事務職やスーパーのレジ打ち, 倉庫内作業,薬剤師,タクシードライバーなどです。

アメリカのビッグテックと呼ばれるような企業が最近従業員を大量解雇したニュースを頻繁に目にするようになってきましたが、これらのまさに人の代わりにAIやクラウドサービスを販売したいと思っている企業はそういう波が社会に広がっていけば自分達の企業の利益が上がるので、率先して大々的に行うことで注目度を上げたいという意図もありそうです。

 

では、美容師はどうかというと、今のところ無くならないであろう職業だとされていますが、それだって10年後はどうなっているかわからないですし、現在美容師が行なっている業務のうち、いくつかの業務はAIやロボットが代替するようにはなっていくと思っています。

 

このテーマのコラムを書こうと思ったきっかけは、今年の始めにオプティマスというヒト型ロボットを作っているテスラ社のCEO,イーロン・マスク自身の髪を自社のロボットがカットしている動画がXに流れてきたのを見たことにあります。

この時は、もうロボットの進化はここまで来ているのかと思ったのですが、少し調べてみるとこの動画もAIによって作られたフェイクだということがわかりました。

今SNSなどに流れているフェイク情報やフィルターバブルといったものも、人の思考や行動に影響を与え始めてて怖いなと感じているのですが、ロボットが人の髪の毛をカットする動画は現時点ではフェイクでも、いずれフェイクじゃなくなる時代が来るのだろうなと思わせられるものでした。

 

美容師という職業は、就職していきなりお客様を担当できるわけではなくて、最初はアシスタントとして先輩スタイリストの業務を補助しながら技術を身につけていき、さらに業務時間以外でも個人で練習したり、カットモデルなどをこなしていくことで一定の技術力を身につけた上でスタイリストとしてデビューします。

顧客を多く持った美容師は、自分ひとりでは担当するお客様をこなせないので、アシスタントにシャンプーやカラーなどの業務を補助してもらうことで複数の客を掛け持し、特に忙しいスタイリストともなるとカットと仕上げ以外はほぼアシスタントが担当するという仕事の仕方でなんとか回してるという人も中にはいます。

 

でも、そういう人は全体的には一握りで、今の業界の主流はひとりの美容師が自分の顧客を最後までひとりで担当するというスタイルだと思います。

これは美容師数の増加によって顧客を多く抱える美容師が減っているということもありますが、業界の人手不足でアシスタントが必要でも採用できなかったり、人件費や材料費の高騰でスタッフひとりひとりの生産性を上げなければならないからアシスタントを置くことができない美容室も増えてきているのだと思います。

 

 

最初は、そういった人手不足で本当は人員が欲しくても採用できないというところに、ロボットは入っていくと思います。

美容業界には、すでにオートシャンプーという自動でシャンプーをしてくれる機器がありますが、現状人の手がシャンプーしてくれた方が気持ちがいいから一部でしか浸透していません。

ですが、人と同じくらい、さらに人よりも気持ちがいいシャンプーができるものが開発されたら、美容室は喜んでこれを採用すると思います。

ヘアカラーのメニューでも、ホイルを使うようなデザインカラーはいきなり難しくても、技術が比較的簡単な白髪染めをしてくれるようなロボットならテクノロジーとロボティクスに強い企業が組んで本気で取り組めば近いうちに実用的なものを作れる気がしますし、そうなれば「白髪は染まればそれでいい」というくらいの人なら現在より安い値段で定期的なリタッチができる世の中になっていくと思います。

 

今でも白髪染めなどのカラー専門でやってるチェーン店みたいなところは増えています。

とにかく安く白髪を染めてくれたらそれでいい、という方にとっては大変便利なサービスだと思います。

本当はそうじゃなくても、日々の暮らしが厳しくなれば、生活水準を下げなければならないという理由でそういったお店を選択する人もいらっしゃると思います。

現代の日本においては、そういう方のほうが割合が多いのではないでしょうか?

 

単なる白髪染めのリタッチであっても、仕上がりの繊細な色の違いや頭皮や髪の毛への負担というものにこだわりのある人にはそこでは満足できないと思いますし、自分も全ての技術において自分なりのこだわりを追求したいと思って美容師をしているので、そういったこだわりを持った方や違いを理解してくださる方に選んでいただけるように日々精進している次第であります。

 

僕は自分の顧客さんに使うカラー剤は、基本的に自分が調合します。

それは、その人に合った調合を匙加減の微妙な違いにまで工夫して作りたいと考えるからです。

いつも同じ色を希望される方でも、季節やその時々の感覚や気分によって微妙に調合を変えることもあります。

塗布する作業は別のスタッフに任せたとしても、カラーの色味には自分のクリエイティヴィティみたいなものも少し入れたいと思っています。

 

当店には、その細やかな違いを理解してくださりそこに特別な価値を見出してくださっているから顧客となって通ってくださっている(もしくは違いはそこまでよくわからないけどそういう点に関して頑張っていそうだから応援の意味も込めて通ってくださってる)、という方の割合が比較的多いほうだと思います。

 

将来、美容師の仕事のうちロボットに代替されないところは、そういう作り手側の細やかな工夫や考えの詰まった人間ならではの技術の部分であってほしいなと思う今日この頃です。

 

 

 

日本はこれからさらに少子高齢化の時代を迎え、働き手の数も減少していきます。

現在においても毎年のように税金が高くなり一人ひとりの負担が大きくなっている原因のひとつは、働き手の母数が日本人の総人口の減少以上の割合で少なくなっているからです。

日本は社会構造においてこれから大きな改革をしていかないと、この先今よりも不便で厳しくなっていく現実が待ち構えています。

 

人間とAIやロボティクスがうまく共存することで、正念場を迎えつつある日本の将来に明るい光が差すことを信じて願っています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

今月の絵画

2025.11.02.

Posted on 11.02.25

いつも絵画を持ってきてくださるお客様が、また新しい絵画を持ってきてくださいました。

 

 

今回もとても素敵な作品です。

 

僕が万博のイタリア館に行ったという話を前回の時にさせていただいたのですが、それに掛けてイタリア代表のフェンシング選手を描いた作品を持ってきてくださったそうです。

 

現代の人を描いていますが、その佇まいはイエス・キリストのようです。

深みのある色彩なども、まるで西洋絵画のようです。

 

日本では昔から“スポーツの秋”と言いますが、この絵画に描かれている青年のように、運動に取り組んで気持ちのいい汗をかきたいですね。

 

みなさま、ご来店の際は、ぜひこちらの作品もご覧になってみてください!

Posted on 10.25.25

Shifted名義で有名なUKを拠点とするアーティスト Guy Brewerによるプロジェクト,Carrierのデビュー作『Rhythm Immortal』

 

 

音のテクスチャーがとてもカッコイイです。

ミニマルだけど飽きない。

 

日本もこういうアーティストをもっと呼んでほしいです。

 

weekend navigation

2025.10.24.

Posted on 10.24.25

ようやく秋らしい肌寒さも感じるようになってきた今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

 

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先日、カラヴァッジョの名で知られる芸術家,ミケランジェロ・メリージの伝記映画『カラヴァッジョの影』を観ました。

 

 

カラヴァッジョは、優れた芸術家である一方で、カトリック教会の重要な会議であるトリエント公会議からは反逆児と見なされ素行も荒々しいものがありました。

 

現代でもバロックの巨匠として素晴らしい作品と共に名を残すカラヴァッジョですが、今の時代にどれだけ素晴らしい作品を作ったとしても素行が悪い芸術家がいたとしたら、果たしてその作品は高い評価を得ることができるのでしょうか?

 

時代は変わりました。

 

もちろん、今の世の中の方が昔の暮らしよりも遥かに便利で安心して生活できるので、良くなったところの方が圧倒的に多いのだと思いますが、一方で、芸術家が表現する時代としては少し制約が厳しすぎるように感じ、会社のコンプライアンス問題なんかでもいくらなんでも過度になり過ぎているところも出てきているのではないかなと思ったりします。

もちろん、良くないことは良くないし、それで気分を害す人がいるのなら改めるべきですが、一方で社会や人々から寛容な心がなくなってきているということの裏返しでもあるのではないかなと感じています。

 

映画は、カラヴァッジョの波瀾万丈な人生を知れるのと共に、彼の描いた素晴らしい作品なども登場する映像美もとても良かったです。

ご興味のある方は、こちらもぜひご覧になってみてください!

 

 

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今週末のご予約にはまだ空きがございます。

ご来店をお考えの方は、この機会にぜひご予約くださいませ。

みなさまのご来店を心よりお待ちしております!

Posted on 10.07.25

昨日のお休みは、シアタス心斎橋でポール・トーマス・アンダーソン監督の新作『ワン・バトル・アフター・アナザー』を観てきました。

 

 

個人的には、普段はハリウッド系よりカンヌ系の映画の方を好んで観るのですが、先日のウェス・アンダーソンやこのP.T.A.(ポール・トーマス・アンダーソンの愛称)は別腹という感じで、新作が出ると聞くと楽しみになります。

 

内容はめちゃくちゃハリウッド映画ですが、今作もとても面白かったです!

 

今、「映画って最高!」って思わせてくれるようなエンタメ・ハリウッド作品を作らせたらP.T.A.の右に出るものはいないのではないでしょうか?

(他に思いつくのはタランティーノとか?)

 

 

ディカプリオもチヤホヤ感先行しまくりの若いイケメン時代から、年齢を重ねて今はこんな良い役者になるなんて…

 

 

僕は、ディカプリオは今の方が絶対にカッコイイと思うのですが。

 

 

 

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この日は朝、メジャーリーグのプレーオフを観たところだったので、エンドロールでは心の中で「P.T.A.! P.T.A.!!! 」の大合唱をしていました。

 

ご興味のある方は、ぜひ映画館に足を運んでみてください!

 

Posted on 09.25.25

先日、ビッグステップに入ってるキノシネマにて、ウェス・アンダーソンの新作映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』を観てきました。

 

 

あらすじ

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舞台は1950年代、架空の独立国家「フェニキア」

富豪かつ武器商人であるザ・ザ・コルダは、過去6回の暗殺未遂を生き延びながら、フェニキア全域にわたる陸海インフラを整備する壮大なプロジェクト「フェニキア計画」を構想していた。

しかし、妨害や巨額の赤字によって計画は危機に瀕する。彼は資金難を乗り越えるため、長年会ってこなかった修道女見習いの娘リーズルを後継者に指名し、彼女を連れて旅に出る。目的は資金調達と計画遂行、そしてリーズルの母親の死の真相を解明すること。

旅の中で彼らは出資者たちとの交渉、対立、裏切り、暗殺未遂といった様々な障害に直面する。親子関係の修復、父の過去、そして権力/資本主義の美と闇が絡み合いながら、最終的に「計画」は成功するのか、父と娘は真の意味で家族になれるのか、物語はその問いを描き出す。

(by 生成AI)

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絶妙に笑えないブラックユーモアの連発。

でも、その洗練されたオフビート感が心地よくて、それこそがウェス映画独特の魅力なんだと思います。

アイコニックでありつつも厳格にシンメトリーを追求している映像には、ウェス・アンダーソンの秀でたバランス感覚を感じました。

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前売り券を買った時に貰った特典のしおりは、とりあえず使わず大事に取っておこうと思います。

(こういう類のが僕の引き出しには大量にあります)

ご興味のある方は、ぜひ映画館に足を運んでみてください!

大阪万博

2025.09.23.

Posted on 09.23.25

昨日のお休みは、3度目の大阪万博に行ってきました。

過去2回は夕方入場のチケットで、いくつかのパビリオンを回れましたが、9月に入って事前予約もなかなか取れない状況になってきました。

今回は、まだ季節が春の頃にイタリア館の公式アプリから来場予約が取れていたこともあって、この日に合わせて一日券の予約を取っていました。

2ヶ月前予約でTECH館(この実質台湾館がTECH館という名称になっているのは、中国からの圧力や日本側の忖度もあるのでしょうか…)の予約にも当選していたのですが、2週間前予約など他の予約は取れず、もともと人混みにも行列にも檄弱な体質ということもあって、この日は無理せず16時予約のTECH館とその後のイタリア館の予約分だけ観て帰れば十分だと思って15:30頃に会場に到着しました。

 

 

テクノロジーの進化や未来都市には普段から興味があるので、どんなパビリオンの構成になっているのか楽しみにしていました。

流石に最先端の部分にフォーカスしてめちゃめちゃコアな内容まで紹介している内容とまではいかなかったですが、それでも最先端のテクノロジーを使った映像など、面白いものもたくさん見ることができました。

 

 

この絵画を映し出した映像は、これまでの映像の見え方の概念を超越するもので、テクノロジー分野で世界のトップグループに入っている台湾の高い技術力が現れていました。

 

 

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そしてイタリア館へ。

並ばないでイタリア館に入れるだけでもありがたかったのに、この日はイタリアパビリオンのナショナルデーだったらしく、予約していた時間も運が良くて『タンクレディとクロリンダの戦い』のコンテンポラリーダンスを間近で見ることができました。

 

 

 

とても素晴らしいものを見せていただき、これだけでも満足できる内容のものでした。

 

そのあとは、イタリアを代表する美術品の傑作の数々を驚くほど間近で堪能させていただきました。

 

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『ファルネーゼのアトラス』

 

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『キリストの復活』ミケランジェロ

 

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『キリストの埋葬』 カラヴァッジョ

 

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『正義の旗』 ペルジーノ

 

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例えイタリア旅行に行ったとしても、これらを一度に全て見ようと思ったらなかなか大変だと思います。

今回、日本の万博にこれだけの作品を持ってきてくださったイタリア政府と関係者の皆さまに心から感謝したいです。

 

特に『キリストの埋葬』は、これが日本に来るなら絶対に観に行きたいと思った作品で、今回無事に観ることができて本当に良かったです。

またいつかバチカン美術館にも行ってみたいと思っています。

 

万博のお土産コーナーは個人的にあまり惹かれるものがなかったのですが、聖座のパンフレットは自分と同じく西洋絵画が好きな父へのお土産に2部買いました。

 

 

自分にとって何よりの万博記念グッズとなりそうです。

 

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イタリア館を観た後は、早々に帰路につきました。

この日の万博の様子は、春頃に行った時とは別次元に混雑してて、一言で表すなら「逆コロナ禍」って感じでした。

 

僕はこれで万博を訪れるのは最後だと思いますが、まだ閉幕までに行かれるという方は、ぜひ楽しんできてください!

KUNSTKAMERA

2025.09.09.

Posted on 09.09.25

現在、ヤン・シュヴァンクマイエルの新作映画公開に合わせて東京のGalerie LIBRAIRIE6で『エヴァ&ヤン・シュヴァンクマイエル博物誌』展が開催されているのですが、展覧会が月火休みということもあって行きたいけど観られそうにないなと思ってたところ、LIBRAIRIE6さんが展覧会の開催を記念して写真集『KUNSTKAMERA』を刊行してくださると聞いたのでこれだけは絶対に手に入れておきたいと思って、オンラインショップの発売開始時間にネットにかじりついて無事購入することができました。

 

 

先日、同名映画の『KUNSTKAMERA』を観た時、「これの写真集を出してほしい」と内心思っていたのですが、LIBRAIRIE6さんが実現してくださいました。

(欲をいえば、大迫力の大型写真集で作品全部を網羅したものを出してほしいと思っていますので、もしヤン・シュヴァンクマイエル本人と話す機会があれば、ぜひ本人をその気にさせていただきたいです)

 

 

カバーワークもいいし、本当に素敵な写真集を作ってくださいました。

 

 

 

 

 

 

 

表紙に書かれているシュヴァンクマイエルの言葉をここでも紹介させていただきます。

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想像力は人類に与えられた

最大の贈り物である。

人間を人間らしくしたのは想像力であり、

仕事ではない。

すべての権力を想像力に!

想像力、

想像力、

想像力。

 

ヤン・シュヴァンクマイエル

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とても力強い言葉です。

そして、それがひとつの本質だと思います。

 

自分が好きな作家さんや芸術家,音楽家なども、作る作品にその人の“生き方”や“考え方”が現れています。

そういった個性の多くは、わかりやすい大胆なものではなく、内面には圧倒的な知識と溢れんばかりの情熱があったとしても表面に出てくるのはそこからこぼれ落ちたごく僅かなエキスから成っているものです。

それらには共感できるものも(ブッ飛んでて)できないものもありますが、そういった類のものこそが人間らしさだと思います。

 

今の世の中にインターネットがなければ、人の個性というのはもっと多様性があったでしょう。

今は、インターネットやSNSから入ってくる情報の影響で選択しているのだろうな、と思ってしまうような外見や身に付けるものの選択をしている人がたくさんいる時代です。

(とか言いつつ、僕自身が選んでいるものも好むのは少数派ではありますが、結局インターネットの情報の影響によるものと言わればその通りだと思います)

それはそれで尊重されるべき選択肢だと思いますが、その中にひとりの人間らしさを感じるかというとなかなか強くは感じにくいです。

 

情報を収集するのは良いことだし僕も好きですが、それをそのまま鵜呑みにするのではなく、自分のフィルターを通して自分の色をつけて吸収することで人間らしさや想像力の向上に繋がるのだと思います。

 

 

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写真集はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

 

ちなみに、本書は現時点ではオンラインショップでもまだ売り切れていないので(888部限定)、絶対欲しいという方はすぐに公式オンラインショップをチェックしてみてください。

http://librairie6.shop-pro.jp/?pid=188206996

 

 

Unsound Osaka

2025.09.06.

Posted on 09.06.25

昨日は夜の予約を少し早めに切り上げさせていただき、梅田のVS.で開催されたUnsound Osakaの初日に行ってきました。

 

 

Unsoundは、電子音楽および実験音楽の分野において、世界で最も影響力のあるフェスティバル/プラットフォームもひとつで、今回日本では初開催となります。

今回の日本での開催の背景には、現在開催されている大阪万博のポーランドの参加の一環として、ポーランド投資・貿易庁のバックアップがあったそうです。

芸術に投資できる国は、素晴らしいです。

(個人的には、本来はこういう芸術性の高いプロジェクトほど、万博会場で披露されて然るべきだと思うのですが…)

 

 

初日の会場になっているVS.は、現在『sakamotocommon OSAKA』が開催されてて、僕も月曜日に行ったところでした。

その時のブログに、展示されていたバシェが制作した音響彫刻楽器が凄かったとご紹介させていただきましたが、今回のプロジェクトのメインはそのバシェの音響彫刻を使って灰野敬二さんがパフォーマンスを行うというものでした。

 

「バシェの音響彫刻」とは、ベルナール・バシェ(1917–2015)、フランソワ・バシェ(1920–2014)の兄弟によって考案された音の鳴るオブジェです。

 

 

バシェの音響彫刻には、それぞれ名前がついてて、これは『川上フォーン』と言います。

他の作品にも、このように日本人の名前がついている楽器が多いのですが、これはバシェがその楽器の制作に協力してくれた日本人技師の苗字を敬意を込めて付けているんだそうです。

(弟のフランソワ・バシェは、70年大阪万博でこれらの音響彫刻を展示する為、日本に滞在して制作していました)

制作に協力してくれた日本人達の名前を、そのまま自身の作品に付けるなんて、それだけでバシェの素晴らしい人柄が伝わってきます。

 

バシェ彫刻のことだけでも、もっと書きたいこともあるのですが、今回はこれくらいにして話をUnsoundに戻します。

 

最初に、Unsoundを運営されている方のお話が少しありました。

Unsoundは、「まだ目にしたことのない、全く新しい体験」を提供するということを大切にしているということをおっしゃっていました。

 

今、SNSなどで多くの人が「体験したい」と思うようなもののトレンドは全く逆にあります。

皆が行ってて人気だから、(一般的な感覚で)オシャレだから、共感されやすい体験だから、みたいな感じのものが多くを占めると思います。

 

でも、そればっかりでは、やはり世界は面白くなくなっていきます。

このようなイベントに興味がない人という人でも、これらの前衛的な人達が生み出したものの影響を受けて作られたものには興味を示すようになっていきます。

それは、ファッションでも音楽でも、料理だってそうです。

どの分野にも、革新的なものを生み出してくれる人がいてくれるから、後々一般大衆にもその粉末が降り注ぎそれが新しい流行として広がっていきます。

(その頃には、最初に生み出した人の考えや精神性とは全く異なる形で広がっていることが大半ですが)

 

 

オープニングアクトは、Jim O’Rourke(ジム・オルーク)と石橋英子さんによるパフォーマンス。

ポーランドの作曲家,Włodzimierz Kotoński(ヴウォジミエシュ・コトニスキ)の作品をライブ・リミックスで披露するというものでした。

どちらも長年好きなアーティストですが、実際に見たのは今回が初めてでしたが、いや素晴らしかったです!

 

 

この天井の高いVS.のロケーションもより一層雰囲気を引き立てていました。

 

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次に灰野敬二さんによるバシェの音響彫刻を使ったパフォーマンスがありました。

こちらは、写真も動画もNGだったので、その様子を紹介することはできませんが、本当に素晴らしいものを見せていただきました。

灰野さんの生き様、バシェの音響彫刻の特異な音、その場を制圧する緊張感…

その全てを目と耳に焼き付けたいと思うものでした。

このパフォーマンスを生で観ることができて、本当に良かったです。

 

最後に登場したのは、オーストラリアの電子音楽家,Robin Fox(ロビン・フォックス)。

今回披露してくれたのは、レーザーとサウンドを融合させた作品『Triptych』

こちらもとても良かったです!

 

 

 

動画でご紹介できないのが残念です…

 

灰野さんのパフォーマンスはその中でも別格という感じでしたが、3組とも本当に素晴らしかったです。

こんなことなら最終日の大槻能楽堂の公演のチケットも取っておけば良かったと少し後悔しております…

 

今日のクリエイティヴセンター大阪(名村造船所跡地)、明日の大槻能楽堂に行かれるという方は、ぜひ素晴らしい体験をしてきてください!

 

Posted on 09.02.25

昨日のお休みは、グラングリーン大阪にある文化施設『V.S.』で開催されている「sakamotocommon OSAKA 」へ行ってきました。

 

 

僕は、何を隠そう故・坂本龍一さんを尊敬してやまないファンです。

でも、当店にはそんな僕以上に坂本龍一ファンの方が少なく見積もっても20人以上はいると思います。

 

個人的には今年の初めに東京都現代美術館で開催されていた坂本龍一展も、去年末に同じく東京で開催されていたsakamotocommon GINZAにも行けていなかったので、今回大阪でも坂本龍一さんの展覧会を開催してくださったことは本当に嬉しいです。

 

東京の坂本龍一展では、映え系の方もたくさん来場されてパシャパシャ写真や動画を撮っていたと聞いていたので、僕もその人達に紛れてたくさん写真を撮りたいという気持ちも少しありつつも胸の奥にしまって、素晴らしい空間とBWVスピーカーによる最高峰の音響を堪能しました。

 

坂本龍一さんご本人の演奏データを自動演奏で再現する「Opera Piano」も展示されてて、まるで坂本龍一さんの魂がそこに居るかのようでした。

 

 

これは我慢できずに1枚撮らせていただきました…

 

 

というかこのピアノが置いてある近くのスペースに、彫刻家バシェの手掛けた音響彫刻がいくつか展示されてて、これには自分の中で勝手に作ったルールに特別に例外措置を加えて撮りまくってしまいました。

 

 

この近くにバシェのインタビュー映像もあって、そちらも食い入るように見てしまいました。

 

 

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その後もこのエリアでさらに自分ルールの拡大解釈をしてしまって、もはや僕も映え系写真を撮りに来た一味と化してしまっていたかも知れません…

 

 

 

坂本さんの自動演奏ピアノも聴けて良かったですが、坂本ファンと言いつつ個人的には一番興味深かったのはバシェでした。

(坂本さんのことはある程度知っていますが、バシェのことはこれまであまり詳しく知らなかったということもあるので)

 

物販コーナーでは、Tシャツやステッカーなどのオリジナルグッズはひとつも買いませんでしたが、坂本図書は爆買いしました。

 

 

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バシェの音響彫刻を使って演奏されているレコードも買いました。

 

左は、坂本龍一さんが生前最後に作っていた曲が収められたアルバム『12』。坂本龍一さんが(僕も)尊敬している美術家,李禹煥さんがアートワークを手掛けています。

 

という感じで展示会を堪能いたしました。

ご興味のある方は、ぜひV.S.へ足を運んでみてください!

 

スコラ対談集は、お店のバックヤードに置いておきますので、読みたいという方はお気軽にお声がけくださいませ。