今月の絵画

2026.08.28.

Posted on 08.28.26

いつも絵画を持ってきてくださるお客様がまた新しい絵画を持ってきてくださいました。

 

 

紫と黄色の髪色、そして背景の青が美しく目を惹きます。

 

こちらはもともと写真をモチーフとして下書きを完成させたそうですが、どういう色を載せるかを悩んでいたそうです。

そして、寝る前にまた考えてる時にこの着色のバランスを思いついたそうです。

 

写真をモチーフにする場合でも、写っているものをモノクロで捉えて、載せる色彩は全くオリジナルで行うそうです。

そうすることで、模写みたいにならないようにしてるんですね。

 

なるほどと思います。

 

僕もお客様がこういう髪型や髪色にしたいと写真などを持ってきてくださった場合も、お客様の髪質や骨格,雰囲気などに合わせて、なりたいイメージをその方にどう落とし込むかを考えます。

ただ持ってこられたイメージをそのまま仕上げることが正解じゃない場合も少なくないんです。

 

写真と同じように仕上げるのに必要なのは技術力ですが、それをその人により似合わせて仕上げるのに必要なのは感性や想像力です。

両方磨くことで、作り手の色が出た作品が作れるようになっていくのだと思います。

 

僕も美容師としてのキャリアが長くなってきましたが、まだまだヘアスタイル作りは奥が深くて楽しいです。

みなさまもぜひV:oltaでヘアスタイルを楽しんでください!

 

好奇心の蒐集

2026.08.25.

Posted on 08.25.26

毎年、阪急百貨店で『好奇心の蒐集』という素敵なイベントをディレクションされているお客様が、また今年も開催されるということでフライヤーを持ってきてくださいました。

 

 

9月9日~14日の期間で阪急百貨店9階の祝祭広場にて開催されます。

 

ご興味のある方は、ぜひ期間中に足を運んでみてください!

Posted on 08.23.26

先日までのお休みを利用して、中国方面へ1泊2日で旅行に行ってきました。

今回は、たまには親孝行をと思って両親を誘って一緒に行ってきました。

 

まず、初日最初に向かったのは広島県福山市にある神勝寺 禅と庭のミュージアムです。

 

 

神勝寺は、臨済宗建仁寺派のお寺。広大な境内では、復元された千利休の茶室、建築家,藤森照信氏が手がけた寺務所「松堂」などの建築美、彫刻家,名和晃平氏とクリエイティブ・プラットフォーム「Sandwich」らによるアートパビリオン《洸庭》も見ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

敷地内は隅々まで手入れが行き届いており、夏の暑い日でしたがとても清々しい気持ちで散策できました。

特に広大な庭は、ため息が出るほど美しかったです。

 

 

そして、現代アート好きなら一度は見てみたいと思うであろう《洸庭》

 

 

この巨大で崇高なフォルムに圧倒されます。

もし今後名和晃平さんに会ってお話しする機会があれば、「《洸庭》のネタ元はフィナンシェですよね?絶対そうだと思ったんですよ」って聞きたいです。その瞬間から絶対に嫌われると思いますが、誰かが言わないといけないことってあると思うんです。

 

そしてこの《洸庭》は、中に入れてインスタレーションを見ることもできます。

 

 

中は真っ暗で、遠くに光が映し出されて、その動きや光の波を鑑賞することで禅の精神を体現するという内容です。

 

お客様にはよく僕の虚弱談話をさせていただくのでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、僕は閉所も暗所もダメで、何年か前に初めて入ったMRIでは開始早々渡されたSOSボタンを連射するという目も当てられない体たらくぶりなのですが、ここまで来てインスタレーション体験せずに帰るというのもあまりにも忍びないので、頑張ってチャレンジすることにしたのですが、真っ暗の部屋に案内されて係の方が去っていった瞬間からもう抜群に怖くなって、それでも20秒くらい「ここは宇宙空間ではない(羊を数える時の3倍速で頭の中で唱える)」と自分に言い聞かせたりして頑張ってたのですが、真っ暗なままでなかなか始まらないしシュゴーンみたいな変な機械音し始めて不気味だし怖いし、ここから25分も耐え続けるのは絶対に無理そうなので、何の光も見ないまま早々に諦めて退出してしまいました。。

禅ムズイです。それか頭の中でフィナンシェとか思ってしまったからバチが当たったのかも知れません。

インスタレーションが終わって出てきた母親は、よくわからない動きを長い間見せられて終盤眠りそうになったと言っていました。

そのDNAを受け継ぎたかったです。

 

神勝寺の施設内では、おうどんを食べたのですが、食べる前に「五観の偈(ごかんのげ)」を唱えてからいただきました。

 

おうどんの写真は撮らずに、この偈文が書かれた写真は撮るという…

僕は特に3と4の警察に捕まりそうです。2にも引っかかる可能性があります。

やっぱり僕は片岡鶴太郎みたいにはなれないかも知れません。

 

この日は、この後、ここから尾道まで30分と近かったし、両親も尾道に行ったことがないとのことだったので、尾道に寄ってから宿をとった倉敷のほうへと向かいました。

 

尾道には長い時間いなかったですが、風情があって景色の良いところでした。

 

 

 

2日目は、美観地区にある大原美術館へ行きました。

 

 

ずっと行きたいと思っていた美術館でしたが、建物の趣も展示作品も本当に素晴らしかったです。

 

倉敷では、古い商店街とかも散策したのですが、少し昔にタイムスリップしたような光景でこちらもとても面白かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という感じで夏期休暇を満喫させていただきました。

また来週から仕事頑張りますので、みなさまぜひカットしにいらしてください!

軽いめまい

2026.08.14.

Posted on 08.14.26

お客様からお薦めしていただいた小説、金井美恵子さんの『軽いめまい』を読みました。

 

 

郊外の住宅地にある築七年の中古マンションで、夏実は夫と小三と幼稚園児二人の息子と暮らしている。専業主婦の暮らしに何といって不満もなく、不自由があるわけでもない。けれど蛇口から流れる水を眺めているときなどに覚える、放心に似ためまい――。

1990年代の東京。「中産階級」の変わることのない日常。2023年にポリー・バートンによって英訳され、ニューヨークタイムズやアトランティック誌で書評されるなど話題となった。

生活という日常を瑞々しく、シニカルに描いた傑作中編小説。

 

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いつも東京から大阪に帰省される際にカットしに来てくださるお客様に「アケルマンが好きなら」とおすすめいただいた作品です。

タイトルもとても美しいです。

僕が夏場によく起こしがちな症状でもあるので、妙に親近感もあります。

 

シャンタル・アケルマン監督を代表する作品『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』という映画があるのですが、この作品では当時誰も注目しなかった平凡な主婦の日常をテーマにした作品で、近年ジェンダーの平等を目指そうという社会になってきたことで再注目されるようになった作品でもあります。

 

本作は、読点を多用しながら非常に長いセンテンスで主婦の“何も起こらない”日常が蛇口から流れ出続ける水のように語られます。

『ジャンヌ・ディエルマン』やルイス・ブニュエルの『昼顔』では、“売春する主婦”の姿が描かれていますが、本作では本当に何も特別なことは起こらず、退屈なまま終わっているのが美しく思えるほどでした。

 

句点が出てくるまでに、何度も何度も区切られる読点は、読んでいると主婦のゆらゆらとした思考がシンクロしてくるような不思議な感覚がありました。

 

何も起きない小説というのは、普通つまらないと思いますが、本作は傑作だと思います。

素晴らしい作品をご紹介してくださり、ありがとうございました!

 

ご興味のある方は、ぜひ本作を読んでみてください。

Posted on 08.11.26

昨日のお休みは、伝説的女優デルフィーヌ・セリッグが監督したドキュメンタリー作品『美しく、黙りなさい』を観てきました。

 

 

1975年にハリウッド、76年にパリで撮影された作品で、23人の女優に二つの質問を投げかけています。

 

その質問は、

「もしあなたが男性だったとしても、この職業を選びましたか?」

「他の女優と友好的な場面を演じたことがありますか?」

というものです。

 

今から50年前の映画界における女性(女優)の置かれていた立場が赤裸々に語られています。

 

2つめの質問に対して、ほとんどの女優さんは経験がないと語っていました。

男性同士の友情は語られるのに、です。

その理由は、当時の男性優位な映画界や女性の見られ方や求められていたものなど、今の時代じゃ考えられないようなこともたくさんありました。

 

これが大昔の話ではなく、たった50年前の現実だったのかと思うと信じられないです。

とても勉強になる作品でした。

 

本編の最後のほうで、エレン・バーステインが話していた言葉がとても印象に残りました。

「今は地球の歴史上で女性であることが最高の瞬間。今の私は男になりたくない」

 

その言葉から50年の歳月が経ち、今は当時よりも遥かに女性が尊厳を持って生きられる時代になったのではないでしょうか。

 

それでも、現代には現代の課題があるし、差別なんかもこの世から無くなった訳ではありません。

それらのことをできるだけ多くの人が関心を持ち、それぞれに考えることが大切だと思う今日この頃です。

 

ご興味のある方は、本作もぜひご覧になってみてください!

 

 

Posted on 08.04.26

軽やかに包装紙から取り出そうとしたら、粘着テープのところでビリッとなってしまって軽やかに破ってしまいました。

 

 

近年は、男性でも脱毛するのが美意識高くて良しとされる時代ですが、表紙のモデルはショートパンツに足首までレースアップした中性的な靴を合わせてるのに足の毛はモジャモジャです。

 

このようにモードの精神とは、巷で常識となっている頃にはそれを覆すようなことをするのです。

 

ただモジャモジャなだけでは脱毛している人より美意識が下に見られる時代に、それならモジャモジャなのにツルツルよりもハイセンスに魅せることを考えるのがモードです。

 

そういうモードの精神をヘアスタイルに昇華できたらと思って長年美容室をやっています。

 

当店に共感してくださるお客様のみなさま、いつもありがとうございます!

Posted on 07.22.26

先日のお休みは、梅田のVS.OSAKAで坂本龍一とTodd Eckert率いるTin Drum(プロデュース・ビジュアル制作) による展覧会,KAGAMI+を観てきました。

 

 

2023年、ニューヨーク〈The Shed〉での世界初演以降、《KAGAMI》はロンドン、マンチェスター、台北、シンガポール、メルボルン、イタリア、香港など世界各地で上演され、大きな反響を呼び続けています。

今回は待望の日本初上陸ということになります。

 

観客は特殊な透過型ヘッドセットを装着し、独自の三次元映像技術によって精緻に再現された坂本龍一の姿を目の当たりにします。

映像を観ながら観客は自由に動き回れるので、現実のコンサートでは決して叶うことのない距離で教授の姿を観ることができるとのことで、プロジェクションマッピング的なものには普段あまり興味を持たないのですが、これは一度体験したいと思って行ってきました。

 

チケットにはREDとBLUEの2種類ありますが(ポケモンみたい)、どうせ行くならと奮発して7インチ・アナログレコード付きのRED(鑑賞時間約60分)の方を体験してきました。

 

 

去年、東京で開催されてた坂本龍一展では映え好きな人達に変なバズり方をしていたので、今回も2026年夏の映え祭りみたいになってないか少し心配していたのですが、各回の公演枠は予約で制限されているし、映像は特殊なヘッドセットを介するから見ることができる仕様なのでそもそも写真を撮っても映像は映らないというものだったので、映え族を警戒して躊躇している方はどうぞご安心ください。

 

演奏が始まると、ピアノを弾いている教授の側でその様子を眺めたり、確かに普通じゃあり得ない距離で演奏を聴くことができましたが、それはやはりあくまで疑似体験な訳で、そこに教授本人は当然ながらいないのです。

 

昔、ボブ・ディランの伝記映画で『アイム・ノット・ゼア』という作品があって、6人の俳優がそれぞれ異なる6つのイメージのボブ・ディランを演じるというものだったのですが、それもどれもディラン本人ではないんですね。

それをディランらしく皮肉ったようなタイトルを付けているわけです。

 

だから、今回のKAGAMIも体験して逆にちょっと寂しい気持ちにもなりましたが、でも面白い体験ができたし、結果行って良かったなと思いました。

 

ご興味のある方は、ぜひVS.OSAKAへ足を運んでみてください!

今月の絵画

2026.07.17.

Posted on 07.17.26

いつも絵画を持ってきてくださるお客様がまた新しい作品を持ってきてくださいました。

 

 

 

Tシャツが破れて血が滲んでいるように見えます。

少し緊張感が生まれるような絵を描きたかったそうです。

でも、この赤い着色が血だとは断定させないタッチで描いたそうです。

観る手側にハッとした緊張感を与えつつ、Tシャツのメッセージには“I’m fine”とあります。

緊張感のあとに安心感を与えるようになってるんですね。

この優しげな演出にも作者の人柄が現れています。

 

 

僕は作者がサッカー好きなのを知っていたので、激しいプレーで相手に怪我をさせたプレイヤーが謝罪と心配の気持ちで声をかけて「I’m fine」と返した様子が奥にあるのかなと推測したのですが、どうやら違ったようです笑

実際、奥にあったのは、Tシャツの背景をよく見ると気づくかも知れないですが、もともとは全く別の絵を描こうとしていたようです。でも、あまりうまくいかなくて一旦白(Tシャツの色)で全体を塗り尽くして、そこからTシャツを描いて、背景は上に載せた白をぬぐって仕上げたそうです。

 

誰でもうまくいかなかったりすることもあると思いますが、そこで諦めたり頭に血を上らせるのではなく、落ち着いて何か別の方法を考える柔軟性を持つことが大事なのだと思います。

 

Tシャツに描かれた“I’m fine”は、もしかしたら作者の自分に対するメッセージなのかも知れませんね。

 

絵画を観るときは、それがたとえ作者の意図ではなかったとしても、どういう気持ちでこれを描いたのだろう?と色々考えながら鑑賞するのも醍醐味のひとつだと思います。

 

ご来店の際は、ぜひお近くで作品をご覧になってみてください!

Posted on 07.15.26

Posted on 07.08.26

濱口監督の新作映画『急に具合が悪くなる』が良かったので、宮野真生子さんと磯野真穂さんによる往復書簡の原作も読みました。

 

 

映画も素晴らしかったですが、原作はもしかしたらそれ以上に本当に素晴らしい内容でした。

 

本や映画がどれくらい世界を変えられるかはわからないですが、少なくともそれらを観たり読んだりした人の心は変えられるものだと思っています。

 

人の心に残るもの。

 

僕もこれらの作品から感じたこと、学んだことを日々の仕事や生き方にも活かしていきたいです。

 

とか真面目なことを書いてるのに、本と一緒にマルタンのインビテーション(これは自宅の写真を撮ったスペースの普段から置いてあるやつです。嘘じゃないです)とエゴン・シーレのシールボックス(こっちは最近美術館で見つけたもので嬉しくて一緒に写してしまいました)を一緒に写してしまったことを激しく後悔しています。

惑星ソラリス

2026.06.30.

Posted on 06.30.26

『惑星ソラリス』は3枚目なのですが、タルコフスキー依存症なので4Kやら何やらで彼の作品がブラッシュアップして発売される度に買ってしまいます…

 

でも、今回のはジャケもとても良い。

 

Posted on 06.24.26

昨日の仕事終わりは、environment 0g(ゼロゲージ)でNYのドラマー,Greg Foxの来日公演をメインとするライブを観に行ってきました。

 

 

Greg Foxのパフォーマンスも観たかったですが、個人的には先日アルバムがリリースされた中川裕貴さんのライブパフォーマンスもあるとのことで、なんと贅沢なイベントだと思って楽しみにしていました。

 

 

ライブは、Yuki Nakagawa(cello)→Greg Fox(drums)→iD-sus(hip hop&電子音楽)の順での演奏でしたが、どれも素晴らしかったです。

 

 

 

(iD-susは動き回ってたので写真撮るの忘れてました…)

 

中川さんはこれからアルバムのリリースツアーも始まるとのことなので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください!

 

Posted on 06.23.26

昨日のお休みは、濱口竜介監督の新作『急に具合が悪くなる』を観てきました。

 

 

あらすじ

舞台はフランス、パリ。郊外の介護施設「自由の庭」の施設長であるマリー=ルー・フォンテーヌは入居者を人間らしくケアすることを理想としつつ、人手不足やスタッフの無理解などに悩まされている。そんな中、マリー=ルーは森崎真理という日本人の演出家に出会う。がん闘病中の真理の描く演劇に勇気をもらったマリー=ルー。同じ名前の響きを持つ偶然に導かれて、二人の交流が始まる。しかし、あるとき真理は「急に具合が悪くなる」。真理の病の進行とともに、二人の関係は劇的に深まり、互いの魂を通わせ合うようになる……

 

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分断から連帯、そして融合へ。

 

組織や企業の対応がマニュアル化されていく現代。そのマニュアルは何かがあった時に組織を守る為のもので、決して利用者目線で作られたものではないことが大半です。

組織が大きくなるほど、そういう対応をすることが合理的になるのが資本主義の構造です。

 

これからの時代は、資本主義と民主主義をどう上手く融合させていくかが課題となっていきそうです。

 

3時間をゆうに超える作品ですが、とても面白かったです。

 

先日、フランスへ短期留学していたお客様が現地で印象的だったことを教えてくれたのですが「フランスでは知り合いが少なくて心配だったけど、カフェとかで誰かとたまたま目があったらその人は微笑んでくれた。だから滞在中はどこにいても不思議と孤独は感じなかった」とおっしゃっていました。

これを僕みたいなオッサンが日本でやると、目があった人は秒でカフェを退出していくかも知れないのでやらないですが、とても良い文化だなと思います。

 

この作品で出てきた“ユマニチュード”というケア技法も、とてもフランスらしい素晴らしいアイデアです。

 

僕もこの作品から、仕事を通じて人と関わることへの姿勢、それ以外の場面でも人との関わりにおいて自分ができることについて改めて考えたいと思いました。

 

ご興味のある方は、ぜひ映画館へ足を運んでみてください!

 

今月の絵画

2026.06.21.

Posted on 06.21.26

いつも絵画を持ってきてくださるお客様が、また新しい作品を持ってきてくださいました。

 

 

とても素敵な風景画です。

これはお客様がスペインに旅行された際に実際に見た風景をもとに描いたそうです。

黄色と緑の色彩は、木や植物だけでなく家までも太陽の光を目一杯浴びて生き生きとした様子が伝わります。

俳句には“季語”がありますが、こちらの絵は色彩にも夏を感じます。

 

都会で感じる夏は、アスファルトの照り返しやヴォンヴォンと唸る室外機の音など、風情のあるものは少ないですが、田舎で夏を過ごすとまだ原風景をたくさん感じられるのでしょうね。

この作品を見ていて、実家のある田舎で過ごす夏休みが待ち遠しくなってきました。

 

みなさまもご来店の際は、ぜひお近くで作品をご覧になってなってみてください。

 

Posted on 06.18.26

両足院での時間を堪能した後は、(堪能し過ぎたせいで爆速でご飯を食べることになりました)京セラ美術館へ向かい、テート美術館展を観ました。

 

 

前編でも書いたように、この日は学芸員さんによるギャラリートークがあるとのことで、こういったイベントが組まれるのは通常多くの人が参加しやすい土日や平日の夜などが多いので、今回はタイミング良く参加できる日だったのでとてもありがたかったです。

 

 

まず入るとフランシス・ベーコンの1944年作のトリプティック(第2ヴァージョン)が迎えてくれます。(隣の方の迷惑にならないように写真を撮ったのでちょっと頑張って収めた感のある画角になってますが)

フランシス・ベーコンは第二次世界大戦を経験し、そこで目の当たりにした人間の残虐さや戦争の悲惨さを独特の感性でこの作品に表しました。

 

フランシス・ベーコン自身はYBAに括られるアーティストではないですが、ダミアン・ハーストなどYBAの核となるアーティスト達に多大な影響を与えました。

YBAの作品は、多くの人が当たり前に受け入れていることや普段目に止めることもなく見過ごしていることなどを作品を通じて浮かび上がらせているものが多いです。

このフランシス・ベーコンの作品も、美しさの中に禍々しいものを感じます。

そして、その禍々しく感じるものの正体は人間が隠し持っている残虐性なのかも知れません。

今の時代は、残念ながら分断の時代のように感じます。

普段は優しく良い人でも、時代や社会が人を変えてしまうこともあります。

不安定さが増していく時代だからこそ、私たちは人間の過去の過ちを繰り返さないように、一人ひとりが思いやりのある寛容な心を持たなくてはなりません。

それが広がると地域の連帯、国の連帯、そして世界の連帯へと繋がっていくと思います。

 

僕はフランシス・ベーコンが大好きなので、ひと作品だけでここまで長く書いてしまったことを今とても心配しております。

後編といいながら、後編が三部作くらいの長さになってしまったらすみません。

 

それとこのフランシス・ベーコンの作品について書いたことも含め、今回参加させていただいた学芸員さんのユーモアもありつつ作品愛の伝わる面白く丁寧な解説を参考に書かせていただいております。(僕の記憶や解釈が間違ってたらごめんなさい)

本当に面白いギャラリートークでした。

お話しいただいた学芸員の方、ありがとうございました!

 

ということでいくつかの作品をピックアップして続きを書きます。

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ダミアン・ハースト《後天的な回避不能》

 

ダミアン・ハーストは、煙草の吸殻と灰皿をオフィス空間に置いてガラスケースで密閉したこの作品で、当時の現代社会において避けることのできない死とは何かを問いかけています。

ガラスに反射したテーブルの向こう側に薄い人影のようなものが見えたとしたら、それは僕の亡霊です。

 

煙草は当時は喫煙率もとても高かったと思いますが、今は当時よりは喫煙者の割合もかなり少なくなっていると思います。

今の時代なら煙草の代わりにテーブルの上に何を置くべきでしょうか?

僕ならこのままの配置で、ひとつだけ変化を加えて煙草の箱に“ゾンビ”って書き足します。

それくらいの加筆ならダミアン・ハーストだって許してくれるかも知れません。

仮にそれが展示されてたとして観た人は「こいつ盛大にスベってる」って許してくれないと思いますけども。

 

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ヴォルフガング・ティルマンス

 

トークを聴いてて、この人は上沼恵美子さんの遺伝子を引き継いでる人じゃないかと思うくらいお話の上手な学芸員さんは、いつもティルマンスのことをティルマンス先生って呼んでるそうです。

それを聞いていた僕は、もう今日から早速真似しようと思いました。

2枚目の写真の作品が並んだ構図、ティルマンス先生はその配置のバランスをミリ単位で指定してくるそうです。

上沼恵美子の生まれ変わりの学芸員の方は、ティルマンスの作品を「こういう発言は学芸員に相応しくないかも知れないけど、ティルマンスの作品はオシャレだ」と言っていました。

大丈夫です。それは多くのティルマンス・ファンも内心では大なり小なり思っていることだし、むしろそれを学芸員の方がそうおっしゃってくれたことで、僕のようなファッション好き側にいるのかそれより高尚なアート好き側にいるのかよくわからないような人間には心が少し楽になりました。

学芸員の方のお墨付きを得たので、帰り際にショップではティルマンスのグッズを大量に買いました。

でも一番買えて嬉しかったのはフランシス・ベーコンの作品をモチーフにしたものです。

 

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マーティン・クリード

左『〈作品No.74(70)〉と名付けられた彫刻』

右『作品No.88 : くしゃくしゃに丸めたA4サイズの紙』

 

この人が英語を話せればスタンダップ・コメディ界でもトップを取れるだろうと思われる学芸員の方は、この作品を「マジマジと観るような作品ではない」とおっしゃっていました。

この頃には、僕はこの学芸員の方のほうが「先生」と呼ぶに相応しいと感じてきていました。

特に右のやつ。一見したらA4の用紙丸めただけやんけ、と思いますが、綿密に折り目まで計算された作品だそうです。

で、極め付けは、この作品を保護しているガラスケース。厚さは13mmあるそうです。

少し前に開催されてた国宝展のガラスケースの厚さは10mmだったそうで、この夏休みの最終日の夜に課題のことを忘れていた美大生が慌てて作ったような作品が国宝に指定されるような作品よりも手厚く守られている、ということまで含めて“作品”だそうです。

それを聞いた僕は、家に帰るまでが遠足と同じ頭の引き出しになおしたのですが、それで合っているのか心配です。

 

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他にもたくさんの作品の解説をしてくださったのですが、長くなったのでこのあたりで終わりにします。

またご興味のあるお客様は、ご来店時にもお話させていただきますので、気になる作品があれば教えてくださいね。

図録も買ってきたので、お店に置いています。

 

美術館の後は、当店のお客様もよく行かれているというカフェ(喫茶店?)「しばし」で一休みして帰りました。

しばしは、音響も空間もとても良くって、またゆっくり来たいなと思いました。

店主さんの感性が凄いんだろうなって思います。

 

ご興味のある方は、ぜひテート美術館展やしばしにも足を運んでみてください!

 

最後までお読みいただいてありがとうございました!