VOGUE ITALIA N.878

2023.11.29.

Posted on 11.29.23

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

白い靴下にGUCCIの名作ローファーが映(“ば”じゃなくて“は”と読んでください)えますね。

しかもスウェード、なんてイカしてるんでしょう。

 

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今回のポートフォリオも素晴らしい作品が満載です。

 

 

 

 

 

 

ロケーションと衣装のコントラスト、そしてニヒルでウィットに富んだ現代人の表現手法。

左右のページで配色や構図にも気を遣っているのがよくわかります。

 

皆さん、イタリアンヴォーグを読んで正しく感性を磨きましょう。

いいね!がたくさんついているものは、一般受けはすると思いますが決してハイセンスな訳ではありません。

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.877

2023.10.29.

Posted on 10.29.23

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

 

素敵な表紙です。

モデルは、デヴィッド・リンチの『ブルー・ベルベット』などに出演した女優, Isabella Rossellini(イザベラ・ロッセリーニ)です。

とても美しいシワ、エイジング・シックとはこういうことを言うのでしょう。

 

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PUNKとあります、パンク。

現代においてはポスト×30・パンクくらいパンクの要素が薄まっていますが、パンクとはそもそもファッションのスタイルではなくその精神を指します。

 

 

 

 

 

どれもカッコイイ作品群ですが、ちゃんとオリジナルのパンクのムードがそれぞれの写真の中にあります。

その写真がただの表面的なものなのか、ちゃんと理解した上での奥行きがあるのか、知ってる人が見れば一目瞭然だと思います。

 

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他の写真も少しご紹介いたします。

 

 

 

 

素晴らしいです。

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.876

2023.09.28.

Posted on 09.28.23

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

また面白い表紙ですね。

見せている部分と隠した部分とのバランスが秀逸です。

クリストファー・ノーランにもこんな感じの芸術性とSFを織り交ぜた映画も作ってほしいです。

エンタメ系は一回お休みして。

 

 

 

これインスピレーションで映画作れるでしょ!

 

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今回のポートフォリオには日本が舞台のものもありました。

 

 

 

僕が板前なら、こんなアヴァンギャルドな人が来て、仕込んでるところを肘付いてマジマジ見られた日には、第一関節丸ごと切り落としてしまいます。

だから来ないで、そしてジロジロ見ないで。指切るから。

 

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冨永愛さんはさすがですね。

彼女がミニスカ&ルーズソックスの当時の女子高生の姿でVOGUEに登場したのが今から20年以上前。

今は完全にスーパーモデルと言われるレベルに君臨しています。

今の日本の若者は当時よりもスタイルが欧米化しているように感じますが、この当時の冨永さんならきっと今の若者と混じっても、群を抜いて目立つスタイルだったと思います。

 

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他の写真も少しご紹介します。

 

先日、ウルリケ・オッティンガー監督の『フリーク・オルランド』という映画を観に行ったのですが、これのあと20倍くらい濃度を濃くした世界観でした。

 

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これもとても面白い発想です。

被写体となるモデルはもちろん、それを描く者までも被写体となる。

絵画のような発想の写真ですね。

 

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本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

gap PRESS MEN vol.73

2023.09.08.

Posted on 09.08.23

gap PRESS の最新号が届きました!

 

 

表紙はファレル・ウィリアムスによるルイ・ヴィトンのデビューコレクション。

会場となったのは、セーヌ川に架かるパリで最も古い橋,ポンヌフ。

ポンヌフ橋と言えば、ロベール・ブレッソンの『白夜』、レオス・カラックスによる『ポンヌフの恋人』が有名です。

どちらも素晴らしい作品でした。

特にブレッソンの『白夜』は、僕のオールタイム映画ベスト3に入ってる作品です。

ですが、ファレルのヴィトンに関してはフル無視を決め込んでますので、悪しからず。

 

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DRIES VAN NOTTEN

 

今季のテーマは『崩されたエレガンス』

今シーズンのメンズコレクションでは、性別の垣根がないようなコレクションを発表するブランドが多かったです。

それらを見て感じたのは、メンズでもフェミニンな印象の服作りが多いということ。

このドリスのコレクションも中性的ですが、ドリスはフェミニンではなくマスキュリンに仕上げています。

そこがドリスらしくて、やはり良いなと思いました。

 

 

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DIOR

 

 

先ほど言ったメンズ服でもフェミニンの火付け役筆頭が、キム・ジョーンズによるDIORです。

メンズにフェミニンを取り入れてるブランドの多くはK-POPのアーティストが似合いそうな感じのスタイリングが多い中で、キムの提案するフェミニンはその一段上をいっています。

新時代的なアプローチでとても新鮮なスタイリング。

キムは今もなお進化を続けています。

 

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SAINT LAURENT

 

 

トーキングヘッズのデヴィッド・バーンが『Stop Making Sense』で可笑しいほどビッグシルエットのジャケットで登場したのが1984年。

今季、アンソニー・ヴァカレロが提案したビッグジャケットも時代を越えアップデートされたものでした。

こうしてカルチャーは、ファッションの世界でも形を変え、進化して語り継がれていきます。

今の若い人達はあまりルーツを追わないのかも知れませんが。

メンズファッションを深いところで理解するには、音楽や当時の時代背景などにも目を向けてみてください。

 

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という感じのパリコレ雑感でした。

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

gap PRESS MEN vol.72

2023.08.31.

Posted on 08.31.23

少し前にgap PRESS の最新号が届いていたのですが、紹介することをすっかり忘れていました。

 

 

今回は、2024 S/S ミラノコレクション特集号です。

表紙はこのあと紹介するPRADAのものですが、まさに新世代のジェンダーレススタイルだと思いました。

最近のモード界は商業的思考に傾斜が増したり残念に思うことも多々ありますが、それでもモードのその本質は益々アップデートして進化しています。

 

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PRADA

 

 

ラフとミウッチャの協業体制に入ってからまだ日はそう長くないですが、PRADAはすでに絶対的なトレンドセッターの位置に君臨しています。

今回のコレクションも素晴らしい。

性差の垣根をポストモダンに飛び越え、常にファッションやカルチャーへの愛情と強い想いを持つラフとミウッチャの情熱が伝わってくるコレクションです。

今期のトレンドとなったスクエアショルダーのビッグシルエットのトップスをウエストインしてくびれを作ってるスタイリングもとても新鮮でした。

 

 

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ETRO

 

 

昨年より、代々一族が務めていたデザイナーの地位に初めて外部から抜擢されたマルコ・デ・ヴィンチェンツォによる新生ETROも好調です。

時代の移り変わりと共に、少し古臭く感じられることもあったブランドに新鮮な息吹がかかりました。

最近のモード界は全体的に服作りが若々しい傾向にある中で、ETROは大人な男性でもサラリと着こなせられそうな提案をしているところにも新デザイナーがETROの伝統を大切にしながら服作りをしているのだなと思わされて感心いたします。

 

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VALENTINO

 

 

やはりピエールパオロ・ピッチョーリの服作りは美しいです。

もう二度と変なVLTのロゴは使わないで欲しい。

そんなものがない方が、あなたの作る服の美しさが際立つから。

色使いやシルエットも絶妙。

バレンティノレッド一色でのスタイリングも素晴らしいです。

 

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JW ANDERSON

 

 

この人は出てきた時からずっとヘンテコな服作りをしています。

モードの世界において、ヘンテコなことをしてトップブランドであり続けられることがどれだけ難しいことか。

 

ヘアスタイルにおいても少し奇抜なことをすれば、大体の場合においてごく一部の人にしか共感されないものができあがってしまいます。

エッジを効かせて、且つ洗練させる、ということはとても技術も感性も必要なことなんです。

 

JW アンダーソンはそういう服作りをやり続けて、それが高く評価されているからLOEWEのヘッドデザイナーも長年続けられているんだと思います。

僕には彼のシグネチャーの服はとても着れませんが、それでも素晴らしいデザイナーだと思っています。

 

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という感じのミラノコレクション雑感でした。

今日お客様から、僕の書くブログを毎回楽しみにしているのに最近更新頻度が少なくて寂しいと言われました笑

 

いや、大体ほぼ毎回世間批判的なこと書いてるのに、これ以上更新頻度高くなれば益々思想ヤバイ系の美容室と思われてしまいます笑

 

でも、当店のお客様からはありがたいことにブログを楽しみにしているというお声をいただくこともあるので、これからも更新頻度上げられるように頑張ります!

 

みなさま、いつもありがとうございます!

VOGUE ITALIA N.875

2023.08.24.

Posted on 08.24.23

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

とても夏らしくて気持ちの良い表紙です。

テーマも美しい、『人生は舞台のように』

そんな気持ちで楽しく生きていきたいですね!

 

 

 

 

 

こういったある程度年齢を重ねた方の写真というのは、若い人じゃ出せない良さがあります。

着飾り過ぎないけど、ファッションを楽しんでいるのが伝わってくる感覚もとても良い。

フランスやイタリアでは、若者よりも年齢を重ねた人達の方がオシャレです。

自分もそのように歳を重ねていきたいと思っています。

 

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他の写真もご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

流石のクオリティです。

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.874

2023.07.20.

Posted on 07.20.23

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

ここ日本では夏真っ盛りですが、イタリアンヴォーグの誌面も夏の到来を迎えて相当に浮かれています。

 

この胸元に付けてるサングラスの数を見てください。

 

これだけ垂らしてて、更に目元にも付けています。

 

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この写真はどちらもはしゃぎ過ぎ。

 

右の方、それは帽子ではなくシャンプーハットでしょう。

 

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他の写真も少しご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

相変わらず素晴らしいです。

本誌はお店に置いてますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.873

2023.06.23.

Posted on 06.23.23

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

今号のテーマは『IN VIAGGIO』

旅行という意味だそうです。

僕は浅学なので、一瞬ロベルト・バッジョのことかと思いましたけども…

 

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誌面は特集の名の通り、読者に素晴らしい擬似旅行体験をさせてくれるものでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コロナの規制も大幅に緩和されて、日本でも外国人旅行者を多く見かけるようになってきました。

本誌を見て、一生の間になるべくいろんなところに旅したいなということを改めて思った今日この頃です。

 

VOGUE ITALIA N.872

2023.05.28.

Posted on 05.28.23

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

 

もう、目を覆いたくなるような人選です。

日本のジャニーズ起用のようにすぐセレブを使う。

昔のSFチックな世界観はとても素敵なのに…

 

 

ということで中の写真もベラ・ハディット以外の写真をご紹介させていただきます。

 

 

 

 

セレブなんか起用しなくてもこんなに素晴らしい作品を創り上げれるのに。

むしろセレブ起用は色々と邪魔に感じてしまいます。

(ここで言うセレブはエンタメ系セレブのことを指します)

どれくらい邪魔かと言うと、Casa Brutusの建築特集で建築空間と一緒に写っている櫻井翔くらいです。

 

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でも、その建築物とマッチアップする被写体がセレブやアイドルじゃなかったら、こんなに素晴らしい写真になります。

 

 

 

 

工事中の建造物を舞台に選んでいるところもセンスを感じます。

繰り返しになりますが、だからと言って被写体がセレブやアイドルなら全て台無しになります。

 

「こいつ、相当しつこい奴だな」と皆さんお感じになったと思いますが(顧客様は薄々,もしくはモロに感じていたと思いますが)、大事なことなので何度も言っています。

 

 

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お詫びにノン・セレブな写真をあと少しご紹介いたします。

 

 

 

今、意識の高い人はグルテンフリーとか糖質カットとかを実践されている方も少なくないかと思いますが、ちゃんとモードな雑誌を作りたいと思ってる編集者の方にはぜひセレブ&アイドルフリーな誌面構成をお願いしたいです。

 

セレブ好き、アイドル好きの方には気を悪くさせてしまってすみません。

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ。

gap PRESS vol.172

2023.05.13.

Posted on 05.13.23

gap PRESSの最新号は、PARIS/LONDON  2023-2024  Autumn & Winter 特集号です。

 

 

いつも3つくらいブランドをピックアップしてご紹介していますが、今回はいつになくやる気を出して5つくらい取り上げてみようと思っています。

 

「こいつ、余程ヒマなのだな」とか推測するのだけはおやめください。

 

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MIU MIU

 

 

本題に入って早速余談ですが、僕の長男は最近ポケモンカードに夢中で、先日ミュウツーのキラキラのやつが出たと喜んでおりました。

ポケモンセンターで息子と40分くらい並んでリミットまで購入した拡張パックを普段お手伝いとかしてくれた時に小出しにして渡しているのですが、最近僕が帰宅するとカードを貰うきっかけを求めて飼い犬のように近寄ってきます。

当分はこの作戦で息子との距離が縮められそうです。

 

本題のMIU MIUに話を戻します。

まずファーストルックに度肝を抜かれます。

一見バランス感覚なんて考えたこともなさそうなオバハン(失礼な言い方でごめんなさい)が参観日に行く時の出立ちを連想してしまいそうになりますが、そのギリギリを攻めつつも新鮮でアヴァンギャルドな見事なスタイリング。

お腹のタイツ丸出しも、古着系とかストリートファッション系の子が真似したらオシャレになりそうですが、コンサバでそれを提案しているところにミウッチャの才能が光っています。

どれくらい光っているかというと、息子のミュウツーカードくらいです。

ミウッチャのキラカードも出して欲しいです。

 

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DRIES VAN NOTTEN

 

 

今シーズンのドリスのテーマは『服への愛』

でも、このアウターのフロントを手で抑える演出は、PRADAがコロナ禍で発表したコレクションでやってましたけども!

 

 

“祈り”の気持ちや “絆”を連想するような演出で、世界がパンデミックに陥ってから初めて発表されたコレクションということもあって、当時見た時はとても感動しました。

ドリスも「めちゃいいな」と思ってたんですかね…

ドリスの場合は、その真ん中に持ってきた手にちゃっかりゴリゴリのリングを合わせてくるところに、花(芸術性表現)より団子(ファッション性重視)の抜け目の無さを感じます。

そんなこと(ラフの真似)しなくても、ドリスのコレクションにはいつもうっとりさせられてるのに。

でも、今回もコレクションも息をするのも忘れそうになるくらい素晴らしいものでした。

 

 

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DIOR

 

 

またファッションとは話が逸れますが、10年おきに英国で発表される“史上最高の映画TOP100”の最新版が去年の年末に発表されましたが、その1位にベルギーの女性監督,シャンタル・アケルマンの『ジャンヌ・ディエルマン、ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』という作品が選ばれました。

 

 

僕はアケルマンもこの作品も大好きですが、『ジャンヌ・ディエルマン』が“史上最高の映画”の1位というのはちょっと無理栗感を感じてしまいます。

 

この選出は、おそらく昨今の男女平等的な視点も色濃く出た結果ではないかと思います。

でないとメジャーなランキングで1位になる筈がない映画だと思っています。

ファッションで言うと、“世界歴代最高のデザイナー”の頂点にコム・デ・ギャルソンの川久保玲さんやマルタン・マルジェラが選出されるようなものです。

そこは、ココ・シャネルやクリスチャン・ディオールとかでしょう、というのが個人的な見解です。

 

なぜまずこの話をしたかというと、今のモード界においてフェミニズムを牽引しているデザイナーがDIORのマリア・グラツィア・キウリだと思うからです。

 

シャンタル・アケルマン監督は、『ジャンヌ・ディエルマン、ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』でそれまで相当に軽視されていた「主婦の日常」を淡々と3時間に渡って映し出しました。

 

アケルマンとキウリでは、女性の描き方やその価値観もまた違うと思いますが、そこにはブレない哲学があるように感じます。

そういうものを持っている人物が創り上げるものは、総じて美しいです。

 

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Alexander McQueen

 

稀有な才能を持っていたアレキサンダー・マックイーンが自ら命を断ったのがもう13年前。

その後メゾンは当時マックイーンの右腕だったサラ・バートンを後任に指名しました。

 

それから今まで、モード界にはストリート旋風が吹き荒れたり、多くのブランドが相次いでデザイナーを交代させたり、売上規模拡大の為に商業性に舵を取るブランドが増え、モード界も大きく変わりましたが、アレキサンダー・マックイーンほど価値観を変えずにコレクションを発表できているメゾンが他にいくつあるでしょうか?

 

サラ・バートンを筆頭に、マックイーンのメゾンは未だにマックイーンの意志を大切に引き継いでいるように思います。

だからバズらないんでしょうけど、だからこそ僕のような捻くれた考えの人間はメゾンを特別に応援したい気持ちになります。

 

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ANN DEMEULEMEESTER

 

アン・ドゥムルメステールはコロナ禍において、出資者でありブランドの最大の理解者でもあったアン・シャペルがブランドを手放す決断をせざるを得ない状況に陥りました。

ブランドの設立者,アン・ドゥムルメステールの引退後、後継者に指名されたセバスチャン・ムニエがブランドを牽引してきましたが、ブランドの引き取り手を探すという発表がされると同時にセバスチャンの退任も発表されました。

 

その後、ブランドはイタリアの高感度セレクトショップ, ANTONIOLIが買収することになりました。

そして今回、若手デザイナーのルドヴィック・デ・サン・サーナンがアンのデザイナーに就任し、新体制となって初めてのコレクションを披露しました。

僕は、アン・ドゥムルメステールがデザインするアンも、セバスチャン・ムニエがデザインしたアンも大好きでした。

中世的なエレガンスにインディロックなアンダーグラウンド性を内包したアンのデザインは、シルエットに繊細な美しさがありました。

ルドヴィックのデザインもアンらしいものではあると思いますが、今までに比べると少しセンシュアル過ぎる感じがします。

 

僕個人は今までより買う機会が減りそうですが、好きなブランドなので陰ながら応援したいです。

 

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BURBERRY

 

 

今シーズンからバーバリーの新デザイナーに就任したのは、ボッテガヴェネタをトレンドセッターの位置に引き上げる大仕事をしたばかりのダニエル・リーです。

 

人気絶頂でまだ辞任するには早いと思われるタイミングでの退任のウラには、待遇面での金銭的な問題があったと聞きます。

ちょっとガツガツしているところが残念ではありますが、その才能は今の時代にフィットするものをふんだんに備えているのは間違いないです。

 

バーバリーは前任がイタリア人デザイナーのリカルド・ティッシでしたが、クリストファー・ベイリー然り, やはりイギリス人デザイナーが牽引している姿がブランドには似合ってると思います。

リカルドの時にオラオラ系とか目立ちたがり屋の人がバーバリーを買うようになってしまったのが残念でしたが、ダニエルには本来のバーバリーの姿からのアップデートを期待します。

 

 

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という感じでめちゃ書いてしまいました。

ポケモンカードとか、モードとは全く関係のないところに脱線してしまう部分も多かったと思いますが、ファッションのことだけ書くには自分自身全く自信がないので許してください。

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

gap PRESS vol.171

2023.04.29.

Posted on 04.29.23

gap PRESS の最新号は、MILANO/NY 2023-24 Autumn&Winter特集号です。

 

 

表紙はJil Sanderのコレクションのモデルですが、何頭身あるねんって感じのバランスです。

今シーズンは、パワーショルダー気味のオーバーサイズコートがトレンドアイテムのひとつになっていましたが、こういうシルエットバランスを見るといつもデヴィッド・バーンのことを思い出します。

今年は『Stop Making Sense』の4Kレストア版が公開される予定らしいので、今から楽しみです。

 

 

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PRADA

 

 

PRADAは相変わらず素晴らしいコレクションを発表し続けています。

むしろ、ラフが加入して以降、回数を重ねる毎に二人のアイデンティティが見事に溶け合い、ひとつの服となって昇華されている感じがします。

 

2枚目の写真はパステルカラーっぽい淡めの色みも多く見られると思いますが、これらもトレンドのひとつで“パウダーカラー”というキーワードらしいです。

パステルカラーの中でもさらに繊細にカテゴライズされているんですね。

このわかる人には分かる繊細で僅かな“差”を生み出せるのがモードなのだと思っています。

絶妙な色の合わせもお見事です。

 

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BOTTEGA VENETA

 

 

ダニエル・リーはバーバリーに移りましたが、その後を継いだマチュー・ブレイジーは今のところ上昇気流に乗ったボッテガの勢いを落とすことはしていないのでしょう。

今回のショーは「イタリア三部作」の最終章らしいです。

最終章にしてそのことを初めて知りました。

3部作といえばデヴィッド・ボウイの「ベルリン三部作」とか、イングマール・ベルイマンの「沈黙三部作」とか、アキ・カウリスマキの「敗者三部作」とか、素晴らしい三部作をたくさん知っているので、あまり無闇に多用しないでほしいなという思いはあります。

そんなこと言わなかったら十分素晴らしいコレクションなのに。

 

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JIL SANDER

 

 

こちらも高度な位置で安定飛行を続けているルーシー&ルーク・メイヤーによるJil Sanderです。

僕も今のデザイナーになってからも何着か洋服を買いましたが、最近は特にストリート畑出身のルークよりもルーシーのエレガンス色の方が色濃く出ている印象です。

 

今のトレンドはストリートからエレガンス路線に以降している最中なので、ルーシー色をメインに押し出し、またトレンドがストリートを求め出したらルーク色を強めていくのかも知れないですね。

ギアが2つあるだけで自在性は格段に上がりますし、それを上手に使いこなせると非常に強力な武器となります。

 

 

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という感じのミラノコレクション雑感でした。

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

Posted on 04.22.23

DAZED & CONFUSEDの最新号が届きました。

 

 

 

表紙は、アメリカ人の女性シンガー, Azealia Banksです。

とても格好良いラッパーで、僕も彼女の音楽が好きです。

 

 

中の写真も抜粋してご紹介いたします。

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この作品群は、まるで超ハイセンスなストリートスナップ誌みたいです。

現代においてストリートスナップを撮るフォトグラファーは世界中にゴマンといると思いますが、このクオリティでスナップを撮れるフォトグラファーは世界中でも10人もいないんじゃないかという気がします。

 

 

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この写真はとてもDAZEDっぽさが出てて良いです。

 

 

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他にもカッコイイ写真がたくさん掲載されています。

 

 

 

 

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最後に、表紙にあった「AMERICA’S SWEETHEAT」という文字を見て、Suicideの“Sweetheart”という曲を久々に思い出したので、それを今回の締めソングとして貼らせていただきます。

 

Posted on 04.21.23

Maison Martin Margielaの1989年のデビューコレクションの様子をジャン=クロード・クトースが撮影した写真をもとに作られたフォトジン。

 

 

モード界に残したマルタン・マルジェラの功績はあまりにも偉大なものでした。

本誌は、そんなマルタンの今となっては伝説の始まりとも言えるデビューコレクションの様子が収められた貴重なフォトジンです。

 

 

 

 

今のモード界では、各ブランドのショーのフロントロー(招待客の最前列)にはセレブやK-POPアイドルなど、大衆に絶大な人気と影響力のある人物が並んでいます。

もちろん、ブランドが招待するわけです。

ショーでは、サステナブルとか多様性とかを掲げてるのに、「建前だけは優等生ぶって、結局は売上の為なんでしょ?」と冷めた目で見てしまいます。

 

 

 

このマルジェラのショーでは、アフリカ系と思われる子供たちがフロントローどころか、ショーそのものと一体になっています。

もちろん、この子供達に媚びを売ったところで、この子達の親はマルジェラの服なんてとても買えないような所得の人達だったと思います。

でもマルジェラは、モードの世界とは別世界で生きているこの子供達をショーに招待したのでしょう。

その非日常で特別な体験を心から楽しんでいるのが、子供達の表情から伝わってきます。

 

 

僕にとってマルタン・マルジェラが長い間(マルタン退任以降も意思を継いだデザインチームが健在の間は)お気に入りブランドのひとつだった理由は、単純にそのアヴァンギャルドな発想のデザインが好きだったというのもありますが、こういった自身にとって非常に大事なデビューコレクションの舞台でも商業重視ではなく服を通じてもっと別の社会貢献の方法を考え、しかもそれで且つどのラグジュアリーブランドよりもクールなショーをやってのけるマルタンのデザイナーとして, 一人の人間としての生き方や考え方に心底魅了されていたからです。

 

僕にはマルタンの1000万分の1の才能もありませんが、マルタンの精神を尊敬している一人として、V:oltaを少しでもマルタンの爪の垢を感じるような美容室にできるように、精一杯精進して参ります。

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はぜひ手にとってご覧になって、誌面から当時のショーの熱気や空気感, そしてマルタン・マルジェラの精神を感じていただけたらと思います。

Dior by Sarah Moon

2023.04.19.

Posted on 04.19.23

フランスの写真家、Sarah MoonによるDiorのアーカイヴを撮り下ろした作品集。

 

 

 

本書は全3巻で構成されており、第1巻は、2021年夏にパリの「ル・コルビュジエ財団(Fondation Le Corbusier)」で撮影した、ディオールのオリジナルデザインのモノクロ写真33点を収録。

第2巻では、1958年から2015年の間にイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)、マーク・ボアン(Marc Bohan)、ジャンフランコ・フェレ(Gianfranco Ferré,)、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)、ラフ・シモンズ(Raf Simons)といった歴代のアーティスティック・ディレクター陣がデザインした衣服の一部を収めた43点の写真を収録。

第3巻では、現ディオールのアーティスティック・ディレクターを務めるマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)が就任してから撮影された38点の写真が紹介されています。

 

 

僕個人的には、最近はもっぱらファッションよりも芸術の方に興味が向いているので、ファッション系の写真集はこれ以上あまり増やしたくないと思っているくらいの心境なのですが、本書はとても素敵な作品集だったので、迷わず購入しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近年撮影された写真なのに、古い昔に撮影されたようなムードもあって、本当に素晴らしい作品群です。

 

末長く大事にしていきたい1冊です。

 

本書はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

Posted on 04.16.23

AnOther Magazineの最新号が届きました。

 

 

 

輸送費等の高騰の関係か、今号の価格が爆上がりしていましたが、それでも僕はAnOther Magazineは好きなので買い続けます。

 

表紙にはケイト・ブランシェットが起用されています。

こう言っては悪いですが、VOGUE ITALIAのケンダル・ジェンナーよりも遥かにセンスのある人選だと思います。

 

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アクセサリーの物撮り写真もセンス抜群。

 

 

 

商業性重視な傾向に傾いている今の日本のモード誌では、ひっくり返ってもできないアート性がここにはあります。

 

 

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もちろんポートフォリオも「さすが」と思わせてくれるような素敵な写真がたくさんありました。

 

 

 

 

 

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被写体となるアーティストの選定もさすがカルチャーに精通したイギリスの雑誌という感じ。

 

Yves tumor

 

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Shygirl

 

 

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こうやって高いお金を払って海外のモード誌を購入しているのは、当店にご来店くださるお客様の為でもあるので、ご興味のある方はご来店時にぜひたくさんご覧くださいませ!