gap PRESS vol.175

2023.12.19.

Posted on 12.19.23

gap PRESSの最新号、2024 Spring&Summer PARIS/LONDON特集号が届きました。

 

 

 

表紙はドリス・ヴァン・ノッテンのコレクションのものです。

スパンコールを施したシースルーのセットアップに、ペールトーンのテーラードジャケット。

フェミニンでカジュアル、そしてエレガントでもあるという、これぞドリスな絶妙で奇抜なスタイリング。

 

 

「見たことのない、ありふれたもの」が今季のテーマ。

とても面白いテーマです。

 

 

今の日本の街のファッションは、「そこら中で見かける、ありふれたもの」です。

髪型もそうだと思います。

それがたとえ個性的なものだったとしても、皆が同じことをするので、本来個性的だったりセンスの良いものでさえ凡庸化してしまっています。

多くの人が、良いと思ったものを見たままコピーして取り入れてしまっているからだと思います。

 

同じようなものでも、少し組み合わせを変えたり、バランスを外したりすることで、凡庸なものでもガラリと雰囲気を変えることができます。

それが本来、ファッションを楽しむということだと思っています。

そういう考えのお客様に信頼していただけるようなヘアスタイル作りができる美容師であることを、僕は目指しています。

 

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MIU MIU

 

 

ミウッチャ・プラダによるMIU MIUです。

ミウッチャはご存知のように、PRADAとMIU MIUという2つのブランドを手掛けています。

少し前までは、その両方のブランドがモード界において苦戦を強いられていました。

もともとその2ブランドは、落ち着いた大人の洗練されたスタイルを提案するメインラインのPRADA、フレッシュで若者向けのMIU MIUという使い分けができていました。

しかし、若者層も“大人っぽさ”を求める傾向が強くなって、PRADAとMIU MIUにおいてのカテゴリの線引きが曖昧になっていました。

そんなミウッチャに救世主となったものが2つありました。

ラフ・シモンズのPRADA加入と、ファッション界にも吹き荒れたトレンド,Y2Kです。

というかモード界でY2Kというトレンドに火をつけたのは、ミウッチャ自身だったように思えます。

 

今回のコレクションもスイムウェアをスタイリングに取り入れたりと、そのクリエイションは瑞々しさに溢れています。

原点回帰してトレンドセッターに舞い戻ることに成功したMIU MIU、今は、時代もミウッチャに味方しているように思います。

 

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Alexander McQueen

 

2010年、マックイーン突然の死を受けて、その後を継ぐことになったのは彼の右腕だったサラ・バートンです。

彼女は、マックイーンの意志を受け継ぎ、素晴らしいコレクションを発表し続けました。

その間、モード界にはストリート旋風が吹き荒れたり、派手なロゴなどアイコニックさに頼るブランドも多く見かけられましたが、サラはそんなトレンドにも流されず、マックイーンをマックイーンらしく受け継ぎ、その系譜に傷をつけませんでした。

今コレクションを最後に、サラはマックイーンを去ります。

彼女の仕事に敬意を表したいと思います。

 

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LONDONコレクションからバーバリーも書こうと思ってたのですが、長くなったのでこのへんで終わりにしたいと思います。

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はぜひご覧くださいませ!