gap PRESS MEN vol.74

2024.03.20.

Posted on 03.20.24

gap PRESSの最新号は、2024-2025 A/W PARIS特集号です。

 

 

 

いつもは、ミラノ特集号が先に発売されるので、なんか少し変な感じがします。

 

表紙の素晴らしいルックは、DRIES VAN NOTTENのもの。

昨日のニュースで、今年の6月をもって創業者のドリス・ヴァン・ノッテンが退任することが発表されたのは衝撃的でした。

思えば、2018年にプーチグループの傘下に入った時から、何かが変わっていっているような気がしました。

 

DRIES VAN NOTTENは、近年モード界が資本主義に走り、売れる為なら魂さえも差し出すようなメゾンが続出する中で、黄金期のアントワープ出身デザイナーらしく“ファッションを愛する者の、ファッションを愛する者による、ファッションを愛する者たちの為のコレクション”を発表し続けました。

 

個人的にも大好きなデザイナーでした。

ドリスの洋服は、僕のワードローブの中でも一番割合の多いブランドです。

これまでのドリスの功績に、ファッションを通じて自分の人生に与えてくれた豊さに、今一度感謝し心からの敬意を表したいと思います。

今まで、本当にありがとうございました。

そして、お疲れ様でした!

 

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DRIES VAN NOTTEN

 

素晴らしい映画監督であるエリック・ロメールやマノエル・ド・オリヴェイラは歳を重ねるごとに益々若々しい作品を発表していましたが、ドリス(ドリスの方が2人が作品を発表していた年齢よりまだまだ若いですが)もまさにそんな感じです。

 

今、モード界では“クワイエット・ラグジュアリー”やら“ジェントル・ラグジュアリー”やら言うてますが、そんなトレンドに振り回されてコロコロやることを変えるデザイナーよりも長い期間をかけて自身のスタイルを真摯に追求しているドリスのようなデザイナーの方が余程素晴らしいですし優れていると思います。

 

今は物価高や円安もあって、自分自身、インポートの洋服の購入頻度は減っていましたが、ドリスが退任するというのなら残りのコレクションからなるべく欲しいものは買っておきたいなと思う今日この頃です。

ドリス自身のラストコレクションとなる来シーズンも、とても残念ではありますが集大成としてどんなものを見せてくれるのか、今から楽しみでもあります。

 

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LOEWE

 

ロエベは世間ではバッグとかばっかり売れているのだと思いますが、J.W.アンダーソンの真骨頂はやはり洋服にこそ現れています。

今回は、コラージュアーティストのリチャード・ホーキンスとのコラボレーション。

 

逆三角形のように上に広がるニットや、本来ウエストマークとして使うベルトを首に巻いてリボン結びにしたり。

J.W.アンダーソンのアイデアはいつも本当に面白いです。

 

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RICK OWENS

 

 

リックの服作りは、面白いというよりももはや芸術の域です。

見てください、このデカダンスなムード漂うフューチャリスティックなミュータント感。

こんなブーツが爆発的に売れるわけがないのはリック自身もわかっている筈です。

“売れること”よりも“自身のスタイルを追求すること”とは、こういうことを指します。

それでいてリックは売れてもいる。

成功しているデザイナーブランドの最たる例だと思います。

 

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LEMAIRE

 

クリストフ・ルメールのクリエイションは、“クワイエット・ラグジュアリー”とは一線を画します。

これは“ニュー・ベーシック”

彼はいかなる時も、常にそれをアップデートさせることを考えているように思います。

ルメールも自身のスタイルを追求し続けているデザイナーの一人です。

 

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という感じのコレクション雑感でした。

ブレないデザイナーが好きなので、やはりそのようなデザイナーをピックアップしてご紹介させていただきました。

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はぜひ待ち時間などにご覧くださいませ!