先日のお休みは、この残忍なほどの酷暑の中、2日連続で堀江から自転車に乗ってテアトル梅田に向かい、ヤン・シュヴァンクマイエル監督の新作3本を立て続けに観てきました。

 

 

ということで、3つの作品それぞれのレビューを書いておこうと思います。

 

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『Hmyz(蟲)』

 

本作が今回の日本での上映特集でのメインです。

そう、メインディッシュが虫。

そして、この作品がヤン・シュヴァンクマイエル最後の長編劇作品だと監督本人も言っています。

 

虫は個人的にちょっと苦手(標本とかなら良いのですが動かれますと…)なのですが、このチェコ版のビジュアルを見てから楽しみに期待してたのですが、見事なまでにつまらなかったです笑

シュヴァンクマイエル臭はしっかりと出てるのに、このつまらなさ。

僕は逆に潔いと感じてしまいました。

Filmarksでは最大級の敬意を込めて、最低点である☆1を付けさせていただきました。

最低は、時に、それ以外を凌駕してしまう程に感銘を受けることもあります。

シュヴァンクマイエルが残してきたこれまでの作品が圧倒的であるからこそ、この作品がそのラストであることが美しくさえ思えました。

 

 

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『Kunstkamera(クンストカメラ)』

 

ヴィヴァルディの「四季」に乗せて、述べ2時間に渡って映し出されるシュヴァンクマイエルが誇る驚愕のコレクションと作品の数々。

今回の3作の中で一番良かったです。

 

シュヴァンクマイエルのファンじゃなくても、芸術やアンティークがお好きな方にぜひおすすめしたい作品です。

 

凄過ぎました。

これの写真集出してほしいです。

 

 

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『Alchymická pec(錬金炉アタノール)』

 

このタイトルを見た時、椎名林檎の「無罪モラトリアム」のことをちょっと思い出しました。

(語呂というか漢字とカタカナ英語の組み合わせだけでしかないですけど)

 

ヤン・シュヴァンクマイエルが晩年に語るドキュメンタリー。

 

先だった妻エヴァとのエピソードや、自身の考え方を赤裸々に語っていて面白かったです。

「自分は幼少期のままの感性を持ち続けているんだ」と語っていましたが、シュヴァンクマイエル作品の魅力はまさに幼稚的なファンタジー性とそれを芸術に昇華させる圧倒的な知性や感性の融合だと思います。

 

あと、シュヴァンクマイエルが日本人嫌いを語るエピソードがとても面白かったです笑

口が止まらず、目がキラキラしてましたもん。

 

もちろん人種差別的なものではなく、非公式(なものなのかどうかはわからないですが、あのインタビューの様子だと公認はしないと思います)に日本でファンクラブを作ったり、日本のファンや映画などの関係者がシュヴァンクマイエル本人に投げかける質問があまりにも稚拙だと感じるものが多かったのだと思います。

僕も日本人ですが、シュヴァンクマイエルのファンの多くは、どこか彼や彼の作品をアイコニックで表層的に捉えている人も多そうな気がします。

まあ、そう言われば僕もそこに片足を突っ込んでる一人かも知れないですが。。

 

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という感じの簡易レビューでした。

 

『蟲』の劇中に出てくるマッチを模したA6サイズの小ぶりなパンフレットもカワイくておすすめですが、ちゃんと中身も全部読まないとまたシュヴァンクマイエルに「これだから日本人は…」とか思われそうなので、買った方はちゃんと中身も読んでくださいね!

 

 

ご興味のある方は、ぜひテアトル梅田へ足を運んでみてください!