Posted on 04.27.22

AnOnther Magazineの最新号が届きました。

 

 

表紙が何種類かありましたが、当店に届いたのはアメリカ人モデル, Margaret Qualleyが表紙のものでした。

 

今号には、去年亡くなったヴァージル・アブローへの追悼のメッセージが寄稿されていました。

 

 

 

 

お店に『This Is Not Fashion Streetwear』という写真集があるのですが、この前のgap PRESSに掲載されていたヴァージルのメッセージを読んでる時にこの本のことを思い出しました。

 

 

長年モード界では、ストリートウェアというものが誤った解釈をされていたのかも知れません。

 

モードの世界観でストリートウェアに新しい解釈を加えるということは、ストリートファッションよりもモードを好んできた自分なんかはそれをカッコイイなと思ったりしてましたが、スラムなどの決して良いとは言えない環境で育ち、小賢しくてブルジョア気取りなモードの世界なんて眺めることもできなかったという生粋のストリート育ちの人達からすれば、貧しい中でも自身の生き様を精一杯表現していたストリートファッションがモードの世界で好き勝手に手を加えられて、それらのアイテムをセレブ達がこれ見よがしに着ていることを、どんな思いで見ていたんだろうと、こんな僕でもそういう考え方も今ならできるようになりました。

 

ヴァージルは、長年白人至上主義だったモード界に、ガーナ系移民の(黒人)アメリカ人として、ストリートの文化をリアルに知る者として、何よりこれまで「お前達の来る場所じゃない」と虐げられてた有色人種の人達の“希望の光”として、大き過ぎる期待と重荷を背負いながら降り立ち、そして短期間で見事その期待以上のことを成し遂げた人物だと思います。

僕自身もヴァージルに気付かされたことはたくさんあり、そしてその全てがとても大事なものでした。

 

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早速長くなってすみません。

中のポートフォリオも少しご紹介いたします。

 

 

これは合わせている髪型が少しマルタン・マルジェラっぽかったです。

マルジェラの精神のひとつに“匿名性”というものがありました。

(あります、ではなく、ありましたです)

 

今では流行りすぎてマルジェラであることを象徴し過ぎてしまうことになってしまっている、あの“残念な”四つ打ちステッチも、もともとは裏のタグにブランドネームを書かない代わりに縫い付けたマルジェラの服であることの「印」でした。

今の時代では、水戸黄門の印籠よりも効果がテキメンであると風の噂で聞きました。

ぜひ骨のあるユーチューバーの方には、マルジェラ風刺のパロディドラマを作っていただきたいです。

(そういう感覚の捻くれ方をしている人は、まずユーチューバーにならないでしょうが…)

 

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この表現主義っぽい作品は、特に好みでした。

 

 

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他の写真もいくつかご紹介いたします。

 

 

 

 

 

 

最後の写真も、若き日のバスキアみたいで格好良いです。

 

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AnOther Magazineはいつも素晴らしい写真が盛りだくさんに掲載されていて、見ててワクワクします。

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ。