L’UOMO N.009

2020.10.30.

Posted on 10.30.20

今回は、エマニュエレ・ファルネティの前澤友作ばりの大判振舞いにて、僕の手元にも降り注いでくれたL’UOMOの最新号をご紹介させていただきます。

 

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ファルネティ氏のことは、感謝の気持ちを込めて「L’UOMO配りおじさん」と心の中で認識させていただこうと思います。

 

今号のテーマは『Breaking Boundaries』(境界を破る)

 

ビジネス、インターネット、ジャーナリズム、カルチャーなどを扱う雑誌“WIRED”の最新号でも同じようなテーマを扱っていました。

 

近年、性に対する差別問題の意識も社会全体でも高まってきた中で、新型コロナの世界的な蔓延があって、これまでと違った生活様式や価値観、働き方に至るまで、改めて考えたり見つめ直す機会が増えました。

 

最近、ユナイテッドアローズの栗野宏文さんがコロナ禍で執筆された本を読んだのですが、栗野さんも毎シーズンUAブランド全体のディレクションの方向性を決める時、その時々の社会情勢を大切にすると書いていました。

 

“モード”とは、ファッションの中にありますが、その本質には深い知性が備わってないと辿り着けないものです。

本誌L’UOMOの姉妹誌『VOGUE ITALIA』は、現在においても世界のモード誌の中でトップに君臨しています。

 

VOGUE ITALIAをその地位に導いたのは、長年編集長として同誌を牽引した故フランカ・ソッツァーニ氏に他ならないですが、彼女も社会情勢をとても大切にし、その時々の社会問題や環境問題を紙面に反映していました。

(ご興味のある方は、彼女のドキュメンタリー映画も作られていますので、ぜひご覧になってみてください)

 

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もっと多くのファッション好きな方にも、これらのポートフォリオからファッションだけではなく、そこに込められた思いやテーマというものも感じ取って、それぞれに考えていただきたいなと思います。

 

ファッションにはとても興味があるけど政治には全く関心がないという方も多いかと思いますが、これらの作品の先には政治があり、モード自体も政治によって形が変わる(変わってしまう)要素も持っています。

 

この表紙のイケメンオヤジまでそんなことまで考えてるとは見た目からでは到底想像できないと思いますが、この表紙の男アレクサンダー・スカルスガルドだって、負傷して退役した英国陸軍の元兵士たちを支援するチャリティーレース『Walking With The Wounded』に参加したりもしています。

 

見た目がいくらカッコ良くても中身がスカスカな男と、見た目地味でダサくとも謙虚な男では、後者の方が断然人として魅力的です。

そして、イケメンでオシャレな奴が謙虚で賢かったら、後者のような人は白旗を揚げながらも笑顔でその人に歩み寄っていくと思います。

 

本誌やVOGUE ITALIAを読む際には、ぜひそういう見方もしてみてください!