年末のご挨拶

2020.12.30.

Posted on 12.30.20

みなさま、本年もV:oltaをご愛顧いただき、まことにありがとうございました!

 

今年は、新型コロナウィルスがあって、今まで経験したことがない本当に大変な一年となりました。

ですが、同時に美容師をしてて、V:oltaを経営してて本当に良かったと、今までで一番思うことができた一年でもありました。

 

そう思わせてくださったのは、V:oltaに通ってくださる顧客の皆様でした。

普段、美容室でシャンプーなどの商品を買わない方が、急に「おすすめのシャンプーとかないですか?」と聞いてくださったり、いつもトリートメントされない方でも「髪の毛のパサつきが気になるからトリートメントもお願いしたい」と言ってくださったり、(お客様が本当にそう思ってたタイミングだったのかも知れないですが)その時はこちらもその解決法を考えるのに一生懸命で、その少しでも助けてくれようとしてくださってる顧客様の気遣いのお気持ちに全然気付かなかったのですが、今考えると、たくさんの救いの手を差し伸べていただいてたのだと思います。本当にありがとうございます!

もちろん、V:oltaに通ってくださることが何よりもありがたいことでもあります。

 

大阪の感染状況が少し落ち着いてきた秋頃には、緊急事態宣言などによる自粛や警戒心で足が遠のいていたお客様にも久しぶりにご来店いただきました。

そのうちの何人かのお客様に、最後、お会計の時に「近所で何回か行ってみたけど、ここはやっぱり全然違う」と言う言葉をいただきました。

自分自身、お客様にそう感じていただけるように日々切磋琢磨しているわけですが、そんな言葉をいただいた時はジーンとした気持ちになりました。

美容師を続けてて良かったです。

 

自分は若かりし頃から恐らくは世間で言うところの偏屈なタイプの人間だったと思うので、もともと(俺イケてる系)美容師に対してもネガティブな印象を持ってて、それなら世間のイメージとは少しタイプの違う美容師がいても、それで救われる人もいるのではないか、と思って美容師の道に進みました。

 

「美容師って凄いんだ、素晴らしいんだ」ということを胸を張って伝えることができる美容師には自分はタイプ的になれないですが、「所詮、美容師は美容師」という考えで謙虚な気持ちを持って、でも仕事にはこだわる地味な美容師も自分以外にももっといてもいいんじゃないかと思っています。

そっちの方が安心できるという方も、世の中には少なからずいます。

 

「オシャレな人ばかり通ってそう」とか、まだ通いはじめのお客様とかにたまに言われることがあるのですが、まだ自分が独立して間もなかった頃は正にそう思われるようなお店にしたいと思っていました。

色々経験した中で、今考えるのは「オシャレな人にもしっかりと対応できるお店」であれば、それで十分だと思っています。

 

僕自身、今まで散々ファッションだ、カルチャーだ、と言ってきましたが、V:oltaはあくまで美容室で、ファッションやカルチャーにさほど興味がなくても、ただ単純に当店の作るヘアスタイルが好きだと言って通ってくださる方もいらっしゃいます。

所詮、美容師なので、少しでも多くの方に当店の髪型を気に入っていただけるように努力するだけです。

(ただ、その切り手側の感性にファッションやカルチャーの要素が含まれてるということが、当店のヘアスタイルの特徴でもあります)

 

 

先日、ヘルムート・ニュートンという写真家のドキュメンタリー映画を観てきました。

ニュートンは素晴らしい写真家で、僕も大好きなのですが、インタビュー映像の中でニュートンは「被写体の内面になんて興味はない、興味があるのは顔や胸や脚だけ」と言い切っていました。

写真には被写体の性格や考え方、趣味などの内面のものは映らないですが、僕はお客様をカットする際、そういう内面の部分こそ大切にして髪型に反映させたいと思っています。

 

服装と髪型は、その人の生き方や考え方を表します。

 

“SNS映え”ありきの今の時代とは逆行していくような経営方針ですが、V:oltaはV:oltaらしく、これからも地道に謙虚に、みなさまのお役に立てるよう、日々精進して参ります。

 

来年もどうぞV:oltaをよろしくお願いいたします。

(年始は5日からの営業となります。)

 

それでは皆様、良いお年をお迎えくださいませ!

 

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V:olta 代表  中田大助

 

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