Posted on 03.22.23

先日の連休を利用して、(当然ながら)一人で東京へ行ってきました。

ちなみにブログタイトルの東京物語は、小津安二郎監督の名作映画から引用させていただいております。

 

限られた休日の2日間を有効に使った今回の旅のプログラムは、事前に綿密に計画した4本立て。(後ほど順番にご紹介いたします)

 

 

まず1日目の午前は小田原で途中下車して杉本博司さんが設計した江の浦測候所を見学する予定にしてたのですが、極度の心配性から自分が虚弱体質であると信じ込んでしまっている僕は少しでも当日の体調を万全にする為に、日曜日の仕事終わりに小田原まで新幹線で移動して前泊することでしっかりと睡眠を取って当日を迎えられるようにしました。

 

ということで、日曜日は夜の予約を少し早めに設定させていただいて、東京へ向かう最終便のひかり号に乗り込んだのですが、もうひとつ、この旅のルール(であり楽しみ)みたいなものを自分で設定していました。

それは何かというと、Kali Maloneの延べ5時間にも及ぶ超絶ドローン作『Does Spring Hide Its Joy 』を旅の移動中再生させ続けた結果何曲目まで聴くことができるかという、小学生の自由課題でももっとマシなことをテーマにするのではないかと思うほどのしょうもない検証。

水曜日のダウンタウン風に言うと「カリ・マローンの最新ドローン・アルバム、大阪から東京への2泊2日の旅の移動時間及び空き時間くらいでは最後まで聴けない説」

 

 

日曜日の仕事を終えた僕は一旦、家に帰って支度を整えて、家族に「行ってきます」と言ってエレベーターに乗り込んだ瞬間に『Does Spring Hide Its Joy 』を再生させました。

 

ですが、すぐに思いがけない問題が発生してしまいました。

元来インドア派で自分の部屋が大好きな僕は、地下鉄で梅田を過ぎたあたりで既に「このままKali Maloneを聴き続けたら家に帰りたい気持ちになってしまう。まして新幹線になんて絶対に乗れない」とくらい心境が追い込まてきてしまってたので、「これはマズい、パトリシア・マズィ(ただのオヤジギャグです)」と思ってThe Libertinesの2002年発表のデビューアルバム『Up The Bracket』をガンガンでかけました。

 

 

なぜ今リバティーンズかと言うと、少し前にThe Strokesのシングル集が発表されたことで久々に『Is This It』を聴きたくなって、その流れてリバティーンズの1stも久々に聴いてたところだったんです。

どちらも今聴いても良いアルバムです。

 

 

そして、新幹線に乗り込んでからはイタリアの巨匠,フェデリコ・フェリーニの名作『甘い生活』(こちらも3時間あります)を観ていました。

 

もう音楽でもないし当初のルールは何だったのかというくらい滅茶苦茶です。

 

映画はスマホの画面なんかで観てしまったことを後悔するくらい、とても素晴らしい作品でした。

今度観る時はBlu-rayを購入して、大画面でゆっくりと観たいです。

小田原に到着した頃には既に深夜だったので、ホテルの部屋に入ると明日に備えてすぐに寝ました。

 

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前置きがかなり長くなってしまいましたが、まず最初の目的地は『江の浦測候所』です。

 

 

【明月門】

鎌倉にある臨済宗建長寺派の明月院の正門として室町時代に建てられた。

 

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【夏至光遥拝100メートルギャラリー】

この100mの廊下の端まで光が差し込むのは、1年のうち夏至の一日のみ。

 

 

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【光学硝子舞台と古代ローマ円形劇場写し観客席】

冬至の軸線に沿って、檜の懸造りの上に光学硝子が敷き詰められた舞台。

 

高所恐怖症なので、この写真を撮るまでにその場で行動開始から撮影までに体感10分くらいかかりました。

 

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【石造五重塔】

高麗-李朝初期(14世紀)の石造。

僕も並の日本人なので、桜と共に引きで撮ってしまいました。。(その後アップも撮りました)

 

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【冬至光遥拝隧道】

冬至の朝、相良湾から昇る陽光は70メートルの隧道を貫き、対面して置かれた巨石を照らす。

見学した時、ちょうど隧道の先から光が差し込み、仏様の後光のように美しく眩しく感じました。

 

対面の巨石。

 

 

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【隠れキリシタン地蔵像】

三方には地蔵が彫られているが、背面には十字架が刻まれている。

 

 

おそらく背面を隠して信仰されていたものと考えられる。

 

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見どころはこの他にもあと10倍くらいありましたが、さすがに長くなり過ぎるので江の浦測候所の紹介はこれくらいで終わりにします。

ご興味の沸いた方は、ぜひ実際訪れてみてください!

 

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江の浦測候所を離れる最後に、杉本博司さんの『海景』シリーズをオマージュした江の浦の海面の写真を一枚撮りました。

 

 

少ししか滞在できなかったですが、日本の原風景も残る江の浦の雰囲気はとても魅力的なものでした。

だいぶ先になるかも知れないですが、いつかまた来たいと思いました。

 

江の浦で精神面が整った僕は、初心に帰ってKali Maloneの『Does Spring Hide Its Joy 』を聴きながら東京へと向かう新幹線に乗り込みました。

 

ちなみに、杉本博司さんが書き下ろした江の浦測候所についての“奇譚”、『江之浦奇譚』は事前にAmazonとかで買って予習して行こうか悩んで結局買わなかったのですが、現地で杉本さんのサイン入りバージョンがありました。(金額は同じでした)

 

これから行かれる方、本の購入を検討されていた方は、どうぞご参考に検討してみてください。

 

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続きの東京編はまた後日書きたいと思います。