Posted on 02.16.17

これまでモードの歴史を産み出してきた革新的なファッションショーをまとめた一冊『Runway: The Spectacle of Fashion』

 

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写真は、90年台後半以降の比較的新しいものが多く、自分もリアルタイムで見てきたコレクションも多くあったので懐かしい気持ちにもなりました。

 

 

掲載されていた写真をいくつかご紹介します。

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ラフ・シモンズによるディオール

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ドリス・ヴァン・ノッテン 2015 S/S

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イッセイ・ミヤケ 1999 S/S

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マーク・ジェイコブスによるルイ・ヴィトン

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アレキサンダー・マックイーン 1996 F/W

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リック・オウエンス 2014 S/S

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メゾン・マルタン・マルジェラ 1994 F/W

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アレキサンダー・マックイーン 1999 S/S

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マーク・ジェイコブス 2008 F/W (feat. ソニック・ユース)

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メゾン・マルタン・マルジェラ 1996 S/S

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個人的に一番衝撃を受けたコレクションだったであるキャロル・クリスチャン・ポエルの写真もありました。

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ナビリオ川を舞台に発表されたこのコレクションは、モデルは死人のように動かず、最新のコレクションを身に纏ってただ川の流れに身を任せて川下へと流れていきます。

キャロル・クリスチャン・ポエルという名前を聞いたことがないというモード好きの方もいらっしゃるかと思いますが、ポエルがファッションウィークでコレクションを発表したのは、この一回だけでした。

 

キャロル・クリスチャン・ポエルという人物は、もともとVOGUEとかに広告を掲載したり華やかなコレクションを発表したりしているブランドの真逆を歩んできたアルチザン・ブランドです。

アルチザン・ブランドとは、職人の手作業による卓越したテクニックの縫製や、その素材の斬新な扱い方で、特に目の肥えたファッションの玄人たちに人気があります。

雑誌に広告費を出すくらいなら、その分材料費や人件費に上乗せして価格に見合った素晴らしい洋服を作ろうというスタンスです。

ポエルはテーラードにおいて特に有名ですが、レザーならカルペ・ディエム(現MA+)が有名です。

毎シーズンコレクションを行なっているブランドでは、リック・オウエンスなんかは元カルペの職人を積極的に採用したりアルチザンに近いことを目指しています。

 

百貨店に売ってるようなブランドの洋服でも、そのタグがついてないだけで金額ほどの価値がなくなる物が大半ですが、ポエルの洋服はたとえタグがついてなくても目の効く人なら額面にふさわしいのがわかる筈です。

 

ポエルはこのたった一度のコレクションを川で発表することで、その川の周りには洋服を着飾ったファッション関係者たちが溢れ、みんなジロジロ下を覗き込んでるものだから、周りの一般の人たちは「あの人たちはみんな高級そうな服着て川のそばで何やってるんだろう?」と思うわけです。このコレクションは今のモード界のあり方やそれに熱狂している人たちを痛烈に皮肉ったものでした。

 

個人的には、コレクションブランドもアルチザンブランドもどちらも素晴らしいものがあるし、どちらも好きです。

そして、どちらも知っておくことが大切だと思います。

 

 

最後の方は話が逸れてしまいましたが、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧ください。