VOGUE ITALIA N.799
2017.03.31.
Posted on 03.31.17
イタリアンヴォーグの最新号が届きました!
今月のスティーヴン・マイゼルによるポートフォリオは、なんとECファッションセレクトショップ仕立てです!
いくらオシャレなECショップと言えど、世界のモード誌とは到底比べられないでしょうから、普通なら大失敗企画になりそうなところを、さすがのセンスで見事に形にしています。
既に若い世代のファッションコンシャスたちがこぞって買い出した新生クリスチャン・ディオールの洋服もしっかりセレクトされています。
ここ数年ファッション界で話題の「SEE NOW,BUY NOW」ページもあります。
SEE NOW,BUY NOWに関しては、僕個人的には世界で3番目に入るくらい嫌いな言葉です。
あと2つはドナルド・トランプとシンゾー・アベです。
(日本人もちゃんと個人の意見で政治を支持もしくは批判できるように興味をもっと持ちましょう!)
なぜSEE NOW,BUY NOWが嫌いかというと、パリはまだこういったことをしているブランドが少ないのが救いですが、高いお金を払う価値のあるブランドのコレクションというのは「ブランドの新作の発表会」よりは「洋服で表現された芸術作品の鑑賞会」であって欲しいと思うからです。
自分のそんな願いが通じてきたのか、去年SEE NOW,BUY NOWコレクションを行なったトム・フォードが今年は平常通りに戻すことを発表したりと、トップクラスのメゾンに関してはその流れにこれ以上飲み込まれることはなさそうなので、ひと安心です。
トム・フォードが「見て、すぐ買う」体制をやめる理由は、「7月には秋冬コレクションを店頭に納品したのに9月のショーまで店頭に並べられない。その一ヶ月以上を無駄にした」ということらしくて、僕が期待していた「俺の服を着たいなら半年ぐらい我慢しさらせ、アホンダラが」というような男前な理由ではなかったですが、とりあえずハイブランドとそれ以外のブランドとの境界線が今以上に崩れることはなるべくして欲しくないし、ハイブランドには安易な流れに流されるのではなく、その大切に培われてきた技術と想像力で真っ向から時代に立ち向かっていってほしいです。
ちょっとまた話が本筋から逸れてしまいましたが、他のポートフォリオもとても良かったです!
ご興味のある方は、ご来店時にぜひご覧ください。