VOGUE ITALIA N.838
2020.06.18.
Posted on 06.18.20
イタリアンヴォーグの最新号が届きました!
今号の表紙は、2~10歳の子供達による8種類の絵が表紙になっています。
子供達が描いた絵は、いずれも「CHANEL 2019-20 メティエダール コレクション」のルックがモチーフになっています。
今号のテーマ『OUR NEW WORLD』のテキストが添えられています。
そのテーマの通り、“子供達の未来への希望”を表現した号となっています。
イタリアンヴォーグは今年に入って、毎号様々な取り組みを表紙で行っていますが、正直「もういいって…」という気持ちにもなってきています。。
今号も大変素晴らしいテーマだと思いますし、先月までの号も色々と楽しませてもらいましたが、フランカ・ソッツァーニが存命していた頃のイタリアンヴォーグはこんなに露骨な表現ではなく、もっとアーティスティックに世界の問題について取り組んでいました。
どんな素晴らしい表紙が届くのかと毎回期待していました。
今のイタリアンヴォーグの方が一般的にはインパクトが伝わり易いのだと思いますが、世界中に存在する生粋のイタリアンヴォーグのファンが期待しているのは、アメリカナイズな発想のインパクト性による刺激ではなく、心が痺れるくらいに感動するようなアート性に溢れたファッション写真です。
パリやミラノでコレクションを発表するようなラグジュアリーブランドにも同じことが言えます。
スマホやSNSの普及もあって、ストリートブームの頃からハイブランドでも、わかりやすさを重視したキャッチーなデザインの洋服が格段に増えました。
ストリート界もカテゴライズされるマス層の服には、そういうものが人気だし街中に溢れていますが、技術やセンスの高さで勝負するラグジュアリーブランドは本来そういうわかりやすさにアンチテーゼを唱えて至高の洋服を作り上げるべきです。
絵画でもアンディ・ウォーホルやバスキアなどの現代アートと、ダヴィンチやゴッホなどの西洋絵画では、それぞれに違った良さがあります。
そして、それは相見えない個性です。
先日、GIVENCHYのデザイナーに1017 ALYX 9SMのマシュー・ウィリアムズが就任することが発表されました。
近年のラグジュアリー界は,LOUIS VUITTONのヴァージル・アブローをはじめラグジュアリー・ストリート出身のデザイナー起用が目立つようになりました。
それらのデザイナーの洋服の方が今は「売れる」のかも知れないですが、アルベール・エルバスやフィービー・ファイロなどの“超”がつくほどのトップデザイナーが今もフリーな状態で存在し、そういったデザイナーの方がメゾンで働いているクチュリエ達の技術を最大限に発揮できる感性を持っているのにな、と残念に思う今日この頃です。
個人的に最近のイタリアンヴォーグやモード界について思うことを先に書かせていただきました。
とは言え、素晴らしいファッション誌に違いはないです。
圧倒的な実力や才能を持っていることも知っているので、それに相応しい作品を期待しています。
中の写真も少しご紹介させていただきます。
今の子供達が大人になる頃も、ファッションや芸術を日常に楽しめるような、豊かな世の中であってほしいと願っております。
本誌はお店に置いてますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ。