カニバイシュ

2025.06.20.

Posted on 06.20.25

先日のお休みは、マノエル・ド・オリヴェイラ監督の没後10年特集で、1988年に作られた映画『カニバイシュ』を観てきました。

 

 

 

マノエル・ド・オリヴェイラ監督は、ポルトガルの映画監督で100歳を越えてもなお映画を撮り続け、素晴らしい作品をたくさん遺しました。

 

今回の特集では5本の作品がデジタルリマスターで上映されましたが、僕はなかなか予定が合わず、この『カニバイシュ』のみ観に行くことができました。

今回の5本で1番観たかった作品でもあります。

 

本作は、オペラ・ブッファ(喜劇的なオペラ)映画という、数あるオリヴェイラ作品の中でも異色のジャンルです。

 

 

 

 

教養の浅い僕には、まだオペラは敷居が高くて普段なら敬遠してしまうのですが、内容はとても格調高いものなのに、映画のアートワークにある豚のキャプチャーがとても気になっていました。

 

タイトルの『カニバイシュ』は、「人食い」を意味します。

 

ネオクラシカル様式の豪壮なアジュダ宮殿などのローケーション、豪奢な衣装、美しいオペラとバイオリンの音色…

そのまま終わらせても完璧な映画だったと思いますが、本作はラスト10分でとんでもない展開を怒涛の如くブチ込んできました。(上の豚もその時の一幕)

しかも、ちゃんとオモロい。

 

 

 

ファッションにおけるモードなんかでも、コレクションで発表する洋服は一見万人から見て「美しいもの」であっても、それら特別なものを創り出すことができるデザイナーの多くは内面に歪な部分も持ち合わせています。

そして、その歪みは、ファッションデザイナーよりも映画監督の方が断然強く感じます。

 

だから、ファッションデザイナーも他の業種のクリエーターも、こういった映画を観て感性を磨きインスピレーションにするのです。

 

 

これまで観てきたオリヴェイラ監督の作品は、どれも機知に富み映像も美しいものばかりでしたが、この作品が一番オリヴェイラ監督の凄みを感じました。

 

映画館での上映に間に合わなかった方も、この特集を機に今後DVDなどが出るかもしれないので、機会があればぜひご覧になってみてください。

『アブラハム渓谷』など、他のオリヴェイラ作品もおすすめです!