WXAXRXP DJS

2019.11.05.

Posted on 11.05.19

先日の日曜日の夜、3連休中のバリバリに忙しかった週末の営業後、老体に鞭打って、夜の11時スタートという僕にとっては“未知との遭遇”みたいな時間帯のイベントに行ってきました!

 

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Aphex Twin、Autechre、Boards of Canada、Flying Lotusなど、特に電子音楽系を中心とする錚々たるアーティストを世に送り出してきたイギリスが誇る偉大なレーベル〈WARP RECORDS〉の30周年を祝すべく企画された本イベント『WXAXRXP DJS(ワープサーティーディージェイズ)』

 

 

僕も高校生の頃、テクノやハウスに出会ってから今現在まで、WARP RECORDSには本当にお世話になっています。

今回のイベントはそのWARP RECORDSからOneohtrix Point Never(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー、以下O.P.N.), Squarepusher(スクエアプッシャー),BIBIO(ビビオ)の3アーティストのDJセットを一度に観れる機会ということで、体力に一抹の不安を抱えながらも「これは観たい」と思い、行ってきました。

特にO.P.N.とSquarepusherがどういう曲を流すのかに興味がありました。

 

当日、日曜日の予約はありがたいことに、途中、耳から火が吹くんじゃないかというくらい忙しく、営業が終わった状態で1994年の有馬記念で2周目の向正面を過ぎた辺りのツインターボくらいしか余力が残されてなかったのですが、イベントのタイムテーブルを確認すると、イベントは11時スタートですがWARP勢で最初に登場するO.P.N.が12時スタートということだったので、一旦、家に帰って束の間の仮眠を取って、仮眠したことで身体が欲を出して更なる休息を求めてくるのを、大横綱・貴乃花が最後に優勝した1月場所の優勝決定戦の時のような気合を入れて、アメ村のサンホールに向かいました。

 

多くの方もご存知の通り、僕は友達が少なく人付き合いも「超」がつく程苦手なので、元い、僕は人付き合いが苦手で友達も「超」がつく程少ないので、当然ながら一人で行ったのですが、会場に着くとV:oltaに来てくださってるお客さんも結構いて、アウェイ感が薄らいで少し救われた気分になりました。声をかけてくださった皆様、本当にありがとうございました!

(逆に、お店で「WARPのイベント一人で行くんです」と聞いてて、ほんのり頼りにしていたお客様達は誰一人発見できませんでした…)

 

そうこうしている内にO.P.N.が登場しました。

もちろん、どんな顔して踊ればいいのか全くわからない僕は後方に陣取ってO.P.N.のDJを興味深く聴いていたのですが、思いっきり予想を裏切られました!

O.P.N.ことダニエル・ロパティンは、作品を聴いていても単なる感性だけで音作ってるのではなく、その深い知識を基に自身の考えを音楽にして表現するという大変知的な人物で、画家ヒエロニムス・ボスの考えに共感したり、“MYRIAD”のP.V.ではスタンリー・キューブリックの作品『2001年宇宙の旅』に出てきた「モノリス」のような物体を(もちろん深い意味や考えに基づいて)登場させたり、きっとストイックなプレイをするんだろうと期待していた自分には「おい、ロパティン。大阪くんだりに来てもモテたいのか」と思うようなプレイで、ロパティンの賢過ぎる頭が故に逆に「わざとやってるんちゃうかな?」と勘ぐってしまうくらいイケイケでした笑

プレイ中、空いてる左手でしきりに“フレミングの法則”みたいな形を作って、まさか覚えたてなのかなと思うくらい何度も観客に見せびらかしてアピールしていました。

観ている途中、僕は仮眠したのではなくそのまま寝てしまって今も夢を見ている最中なのかな、と錯覚を覚えました。

ちょっと大袈裟に書いてしまいましたが、まあそこまで悪いものでも無かったです。

ロパティンも観れて良かったです。

 

 

そして、次に登場したのはSquarepusher。

Squarepusherは、ドラムンベースに革命を与えた、まさに僕がテクノを聴き始めた頃の90年代のWARPを体現するアーティストの一人です。

そのDJプレイも全くブレることなく、本当に圧巻!

これをこの時代に観れて良かった、来て良かったと思えるDJでした。

 

こんな感じのプレイを夜中の3時頃にやっていました。

夜中に食べる激辛の四川麻婆みたいでした。

 

 

そして、最後に登場したBIBIO。

僕の体力ゲージは既に瀕死のiphoneと同等レベルに達していたので、Squarepusherで十分満足できたし、この時点で帰ろうかとも思ったのですが、逆にSquarepusherのプレイに昔のSF映画の名作を観た後みたいな高揚感を覚えて目も冴えてきたので、せっかくだしBIBIOも最後まで観てから帰ろうと思いました。

BIBIOのDJは、激辛麻婆の後に出された杏仁豆腐のように優しかったです。

オシャレな女子受けも一番高そうな感じでした。

 

それぞれのDJはパリの老舗セレクトショップに例えると、O.P.N.がColette(無くなっちゃいましたが)、SquarepusherがL’ECLAIREUR、BIBIOがMerciってところでしょうか。

ちょっと適当ですけど。

O.P.N.は本来、もっとニヒルな感じですが…

 

 

明けの月曜日の休日は、買い替え寸前のパソコンのように身体が重たかったです。

こんな時間帯のイベントにしょっちゅう行ける人の体力は尊敬に値します。

 

 

WARP RECORDS、30周年おめでとうございます!

これからもカッティングエッジな作品のリリースを楽しみにしております。