昨日のお休みは、久々に京都へ。
ちょうどKYOTOGRAPHIEも開催されている時期でしたが、今回のお目当ては二条城の二の丸御殿台所と御清所を舞台に開催されているアンゼルム・キーファー展を目掛けて行ってきました。

アンゼルム・キーファーは、ドイツを代表する現代アーティスト。
特にナチス・ドイツの過去やその後のドイツ人の集団的記憶と罪の意識を主題にすることが多く、戦後ドイツ美術において極めて重要な人物です。
本展のタイトルにもなっている『SOLARIS』は、ラテン語で“太陽”に関する言葉。
太陽はその光で地球にエネルギーを注ぎ込む存在であり、キーファーはこれまでもモチーフにしてきました。 太陽から自然の移り変わりのサイクルが生まれ、また宗教や哲学の出発点でもある。という意味が込められているそうです。
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僕が観に行った日は、小雨の降る曇り空の天気でしたが、キーファーの作品にはそれくらい湿った天気の方が合ってるのかなと思ったりしました。

庭園にそびえる高さ約9mの巨大な彫刻“ラー”
ラーは、エジプトの太陽神の名前です。
小雨の降る曇り空をバックに、「その気になれば、大地を全て沈めるほどの大雨だっていつでも降らすこともできるんだぞ」と言わんばかりの威圧感と迫力がありました。
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建物内に入っても最初に待ち受けている《オクタビオ・パスのために》に圧倒されます。

歴史ある二条城の空間とも合いなって、その場の空気さえもなにか独特なものに感じました。
近くで見ても凄い質感を出しているのがわかります。


内覧会でパフォーマンスを行った田中泯さんによる音声ガイドを聴きながら、素晴らしいロケーションと作品を堪能しました。










展示されている作品は、一部を除いて自然光のみでの展示なので、人によっては天気の悪い日に行くと見辛いと感じる方もいらっしゃるかも知れませんが、アンダーグラウンドな雰囲気の方が好きな僕にはこれくらいの曇り空での鑑賞の方がちょうど良い明るさに感じました。
図録は当日持ち帰ると実に重たいというのがこれまでの経験上わかってきたので、事前にオフィシャルサイトで購入しておきました。

図録を見るのは、実際に作品を見てからにしたかったので、今日から少しずつ復習してキーファーについて理解を深めていきたいと思います。
この後、映画館とKYOTOGRAPHIEの展示会にもひとつだけ行ってきたのですが、そのことも時間があれば後日少し書こうと思います。
キーファー展は、まだまだ開催されていますので、ご興味のある方はぜひ京都まで足を運んでみてください!