Posted on 03.26.25

アルゼンチン・ブエノスアイレス出身のチェリスト,Violeta Garcíaによる新作『In / Out』

 

 

ジュネーブの地下貯水池であった洞窟でレコーディングされたという本作。

その自然の空間の反響を利用した演奏が素晴らしいです。

 

今の時代、自宅の一室でパソコンひとつあれば音楽が作れる時代ですが、そんなテクノロジーの進化した現在だからこそ、こういった自然の中で作られる有機的な音はより一層魅力的に感じます。

 

ライブだって今のようなライブハウスやコンサートホールだけじゃなく、カリ・マローンなどが演奏した教会や寺院、そしてアクセスは悪くてもこのアルバムがレコーディングされたような洞窟や森の中みたいなところを利用して開催されても面白いだろうなと思います。

 

 

Posted on 03.07.25

コペンハーゲンのデュオ,Lust For YouthとPosh Isolationの創設者,Croatian Amorによるコラボレーション・アルバム『All Worlds』

 

 

確か彼らは10年くらい前にも共作を出してた筈。

2023年6月、シドニーのオペラハウスで行われた音楽イベント,Vivid Liveで同じステージに立ったことでコラボ熱が再燃したとのことです。

僕は、Lust For Youth 7, Croatian Amor 9くらいの指標で両方好きなアーティストなので、このコラボが続くのは嬉しいです。

アルバムも期待通り良いです。

音は、Lust For Youthよりは俄然Croatian Amor寄り。

 

オペラハウスのフェスも生で観てみたかったです。

いつか日本でもやってほしい。

誰か勇気のある大手イベンターの方、お願いします。

 

 

Posted on 03.02.25

〈XL Recordings〉の総帥, Richard Russellによるコラボレーションプロジェクト, Everything Is Recordedの新作『Temporary』

 

 

本作は2020年から24年までの4年間に渡って制作された楽曲から成るアルバムです。

 

もし僕が仮に総理大臣だったとして、またコロナ級の緊急事態が訪れて国民にステイホームを促したい時は、ソファで猫と戯れながら吸わない葉巻なんかもふかしてみたりして(そこまでしてなかったけど)、それをYouTubeにアップして瞬く間に炎上するのなら、せめてその時のBGMは星野源ではなく側近達になんと言われようがこのアルバムをリクエストしたいです。

 

別にこのアルバムでなくてもいいんですけど、アルバムを聴いてたらオシャレ優雅過ぎて、あの時の映像のことが頭に思い浮かびました。

 

ということで、ぜひご視聴してみてください。

 

 

 

Apple Music playlist “v:olta”を更新いたしました。

 

 

ようやく冬も終わり、春がすぐそこまで近づいてきています。

 

ということで、今回のプレイリストは序盤も優しいだけの曲ではなく、毒っ気を含んだものを選びました。

ピックアップして選んだ9枚のアートワークも、ちょっとダークサイドな雰囲気の漂うものが多いです。

 

でも、全体的には聴きやすいプレイリストになっているかと思いますので、ご興味のある方はぜひご視聴してみてください!

 

 

Darkside – Nothing

2025.02.28.

Posted on 02.28.25

チリ人のアーティスト,Nicolas Jaar率いるDarksideの新作『Nothing』

 

 

今作は、これまでのNicolas Jaar, Dave Harringtonのユニット体制から、長年彼らのコラボレーターだったドラマーのTlacael Esparzaが正式に加入。

トリオとなる新体制でのアルバムです。

 

3人となったことで音のグルーヴ感が増してて、とても良いです。

そして聴きやすい。

ライト層、コア層、ともにおすすめの1枚です!

 

 

 

Posted on 02.09.25

フランスのアーティスト, Oklouの新作『Choke Enough』

 

 

前作『Galore』の世界観が素晴らしかったので、今作もとても楽しみにしていました。

 

今作も良いんですけど、前作に比べて幾分ダンスミュージック寄りに感じてしまって、個人的にはOklouには逆にドローン寄りだったりより静かなアルバムを期待してしまうのが正直なところです。

 

でも、そんなこと言いながらもこの新作もそこそこ聴いてしまいそうです。

 

 

 

 

 

ニュージャージー州のシンガーソングライター, Sharon Van Ettenによる、Sharon Van Etten and the Attachment Theory名義での新作『Sharon Van Etten and the Attachment Theory』

 

 

Jorge Balbi(drums、machines)、Devra Hoff(bass,、vocals)、Teeny Lieberson(synth、piano、guitar、vocals)からなる彼女の盟友達のバンド,The Attachment Theoryとの完全な共同作業で進められたという本作。

 

Sharon Van Ettenは、このアルバムが制作される前のツアーのリハーサル中に自分の声に飽きてしまい、衝動的にバンドに「ただジャムをしてほしい」と頼んだそうです。

その実験から“I Can’t Imagine (Why You Feel This Way)”と“Southern Life (What It Must Be Like)”の2曲が生まれ、Sharon Van Etten自身も大きなインスピレーションを受け、本作の完成へと繋がったそうです。

 

自身の力でやりたいこと、できることのある種“境地”のようなところに達してしまい、その先の進む道を見つけれずにいたSharon Van Ettenが、バンドの力を借りたことで再び力強く歩み出した本作は本当に素晴らしいです。

 

 

 

Posted on 02.07.25

サウスロンドンのバンド,Heatwormsのデビューアルバム『Glutton For Punishment』

 

 

今年もまだまだサウスロンドンのシーンからはかっこいいバンドが出てきそうですね。

Heatwormsのデビュー作は、個人的に今年楽しみにしていた一枚です。

 

音もヴォーカルも世界観も良いです。

インディロック好きの方は、ぜひご視聴してみてください!

 

FKA twigs – EUSEXUA

2025.02.02.

Posted on 02.02.25

UKはグロスターシャー出身のアーティスト, FKA twigsによる新作『EUSEXUA』

 

 

約4年振りのアルバムらしいですが、相変わらずFKA twigsは良いですね。

 

この1枚にUKミュージックのアンダーグランド~オーバーグラウンドまでの最先端が凝縮しているような作品です。

 

そろそろ日本もオリコンチャートやミュージックステーションとかにも、FKA twigsみたいなアーティストが名を連ねる世の中になってほしいですね。

 

 

 

Apple Music playlist “v:olta”を更新いたしました。

 

 

 

今月選曲したプレイリストは、アートワークがダークで寒色な色合いのが多くて、最初は全体に散らしたろうと思って並べてたのですが、途中でこれはむしろ同系色をなるべく固めて配置した方がバランスが良くなるのではないかと方向転換して9つ纏めてみました。

多分、誰もそこまで気にしていないと思いますが…

 

冒頭の曲は、冬の寒い日の目覚めを優しくエレガントに包み込んでくれそうなものを持ってきました。

 

 

去年の年末に放送されていた情熱大陸のイチローの回を見たのですが、イチローは今のデータに基づいてシステム化され尽くしたメジャーリーグ界に対して「感性が失われている」と警笛を鳴らしていました。

一昔前までの野球の一番バッターの役割は出塁率の高い足の速いバッターが理想とされていましたが、現在ではメジャーの多くのチームが一番から強打者をバンバン持ってきます。

去年、ホームランを54本打ってホームラン王に輝いた大谷翔平選手も、ドジャースでの打順は一番バッターとして打席に立つことが最も多かったです。

映画とかでも、冒頭からインパクトのある展開を持ってきて視聴者の興味を惹きつけようとする作品が増えているように感じます。(そっち系の映画は個人的にはほぼ観ないんですが…)

 

イチロー氏のコメントは野球界だけじゃなく、今の世の中全体に当てはまるものだと思います。

美容室も美容師も然り。

 

という世間への思いを馳せたプレイリストとなっています。

だから冒頭にスローで優しいジャズピアノの曲を持ってきたという経緯です。

 

世界が感性豊かな世の中になりますように。

 

 

Posted on 01.31.25

Elena Tonra率いるロンドンのバンド,Daughterによる、2023年にリリースしたアルバム『Stereo Mind Game』に収録されている音源のライブバージョンで構成された7曲入り映像作品『Live at Middle Farm Studios』の音源を収録した最新EP『Middle Farm Session』

 

 

凄く良いです。

ライブ仕様とは言え、演奏はミニマルでエレナのヴォーカルもいつも通りエモーショナルで美しい。

そしてライブ感特有の温かさがあります。

 

真冬を迎えた今の季節にもピッタリなムードの一枚だと思います。

 

 


Posted on 01.10.25

フロリダ州出身のアーティスト, Ethel Cainによる新作『Perverts』

 

 

これは凄いです。

キリスト教プロテスタントのバプテスト教会の牧師を父に持ち、幼少期から聖歌隊で歌い育ったという彼女ですが、今作ではドローンやノイズ,スローコア,アンビエントの要素を強く取り込み、美しいダークゴシック作を完成させています。

 

ご興味のある方はぜひご視聴してみてください!

 

 

 

 

Apple Music playlist “v:olta”を更新いたしました。

 

 

新年、あけましておめでとうございます!

ということで2025年最初のプレイリストとなります。

餅を喉に詰まらせないように、1曲目はエンジェル・オルセンの優しい曲にしました。

 

僕が新しい音楽をそれなりに聴き続けている限りは、毎月のプレイリストも続けていこうと思っていますので、みなさま今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

年度代表盤 2024

2024.12.28.

Posted on 12.28.24

僕の年間ベストアルバムを毎年チェックしてくれている人なんて、この世に4~5人いれば良い方だと思っているのですが、一応毎年続けていることのひとつなので今年も発表させていただきます。

 

ちなみに、毎年お伝えしてるかも知れないですが、タイトルの『年度代表盤』は競馬界で選出される年度代表馬と掛けています。

 

ただの音楽愛好者なので、10枚の選考はやや真面目ですがあまり時間をかけられず、順位付けはM-1の順番決めるくじ引く人くらい半ば適当にランキングしています。

M-1のくじ引く人は僕より遥かに真剣だと思いますが。

 

美容室が一番忙しい年末に、この年間ベストとは別に1月のプレイリストも作成しなければならないという鬼スケジュールの為、どうかご容赦くださいませ。

 

 

 

.

10th / Sinaïve – Pop Moderne

 

フランス北東部アルザスの3人組バンド, Sinaïveのセカンド・アルバム。

My Bloody ValentineやThe Vaselinesなど、男女のヴォーカルが掛け合って生まれるポップさは昔から好きです。

セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンの“ジュテーム”のやつでさえ、ごくたまに聴きたくなる時があります。

 

 

.

9th / Li Yilei – NONAGE

ロンドン在住の中国人アーティスト, Li Yilei。

自身の幼少期を回想する内省的な作品。

おもちゃのピアノ、手回しオルゴール、鳥の口笛、壊れたアコーディオンなどのアコースティック・インストゥルメンタルや中国の古いテレビ番組からのサンプル、そしてエレクトロニクスを組み合わせた寓話的なサウンド。

とても癒されますが、真っ暗な夜道では絶対聴きたくないアルバムでもあります。


.

8th / SAM MORTON – Daffodils & Dirt

 

俳優兼映画監督のSamantha Mortonと〈XL Recordings〉を主宰するRichard Russellによるデビュー作。

無人島に持っていく音楽をゲストが選曲するというラジオ番組をたまたま聴いていたRussellが、その時出演していたMortonの選曲のセンスと解説の内容に感心して彼女に連絡を取ったことで始まったプロジェクトだそうです。

聴いたら一目瞭然、センス抜群です。

 

 

 

.

7th / Frederik Valentin – Rock N Roll Will Never Die

デンマークのアーティスト,Frederik Valentinによるソロ作。

僕は「エモい」みたいな言葉は、普段全く使わないんですけど、自転車での帰り道にこのアルバムを最初に聴いてる時、信号待ちで止まったタイミングで口から思わず「エモぉ」と溢れたほどこのアルバムもFrederik Valentinもエモいです。

これをエモいと言わないのなら、この世界は狂ってる。

 

 

.

6th / Tristan Arp – A Pool, a Portal

 

プログレッシヴ・パーカッション・トリオ, Asa Tone のメンバーでもあるTristan Arpによるセカンドアルバム。

自然界とデジタル界の間の鮮やかな辺縁系空間を描き出す静寂のリズム。

目を閉じて心安らかにアルバムを聴くと、新感覚の瞑想体験に浸れます。

 

 

.

5th / Crack Cloud – Red Mile

 

カナダのアートパンクコレクティヴ, Crack Cloud。

今作もとても良かったです。

こういう新しい音楽をもっと年齢を重ねても聴き続けていたいと思う。

ラスト曲なんて、僕が高校3年生の夏休みの最終日に聴いたらきっと泣いていたでしょう。

今聴いても泣きそうになります。

 

 

.

4th / Lisa Lerkenfeldt – Suite For The Drains

ノイズ・デュオPerfumeの一員としても活動していたオーストラリア人女性電子音楽作家,Lisa Lerkenfeldtによるリミックス・アルバム。

電子の音色が空から降り注ぐ雨のように美しいネオクラシカル作品。

ぜひ休日の雨の日に室内で外の景色を眺めながら聴いてみてください。

 

 

.

3rd / Geordie Greep – The New Sound

black midiのフロントマン, Geordie Greep のソロアルバム。

black midiも抜群にカッコよかったですが、このソロ作も素晴らしい。

ハイレベルな演奏としゃべくりヴォーカル。

それさえあれば良い。

 

 

.

2nd /  Jabu – A Soft and Gatherable Star

 

ブリストルの3人組、Jabuのサードアルバム。

個人的にこういうシューゲイズで退廃的な世界観に目がないです。

初期4ADのようなゴシックも少し効いたムードがあります。

ポーティスヘッドやマッシヴ・アタックの時代はもちろんですが、2020年を過ぎた今もブリストルがこういう音楽を発信してくれるのは嬉しいことです。

 

 

.

1st/ Beings – There Is a Garden

NYのサックス奏者,Zoh Amba、実力派シンガーソングライター,Steve Gunn、オーストラリアから世界中にスロウコアを知らしめたDIRTY THREEのドラマー, Jim White、Lou Reedからも信頼を寄せられていたベーシストのShahzad Ismailという凄腕4人組のスーパーバンド,Beingsのデビュー作。

格好良過ぎ、演奏凄過ぎ。

もし、やよい軒でこのアルバムを注文することが可能なら、僕はご飯を5杯くらいおかわりすると思います。

彼らがビルボードで来日公演してくれるなら、僕は仕事を早退してでも観に行くでしょう。

 

 

 

 

_

だいぶ駆け足でのご紹介でしたが、これが僕の今年のベスト10です。

来年も素晴らしい音楽に出会えることに期待しています。

そして、こうして日々平和に音楽を楽しめる環境に感謝しています。

 

ご興味のある方は、上に挙げた作品をお時間のある時にぜひご視聴してみてください!

Posted on 12.21.24

70年代後半~80年代初めのロンドン・レゲエ・シーンの重要人物だったDennis Bovellの1976~1980年にかけての作品集『Sufferer Sounds 』

 

とても心地良いレゲエ・サウンドです。

僕は個人的にはレゲエでは特にダブが好きなので、この作品に収録されているダブバージョンが特に好みでした。

 

ご興味のある方は、ぜひご視聴してみてください!