たぶん悪魔が

2022.04.30.

Posted on 04.30.22

今週の木曜日の夜は、仕事終わりにテアトル梅田へ向かい、ロベール・ブレッソン監督の『たぶん悪魔が』を観てきました。

 

 

この作品は、DVDも持ってるし、最近発売されたBlu-rayも買って既に手元にあるのですが、去年に本作の上映があるとの情報をキャッチしてからは、映画館で観るまで我慢しようと心に決めていました。

 

このテの映画は早く観に行かないと、すぐに上映終了してしまうのですが、仕事もG.W.前でかなり忙しくなってきてて、もう行けるとしたら木曜日の夜か休日の月曜日しかなくって、でも次の月曜日は家族の用事やら何やらで忙しそうなので、なるべくなら仕事終わりに行きたいと思った瞬間から木曜日の予約をメジャーリーグ史における名打者デビッド・オルティーズ対策として生み出された通称“オルティーズ・シフト”ばりの極端な早上がりシフトに調整し(サッカーでいうとディフェンスラインを守備的MFが振り向いたら背後霊くらいの距離まで押し上げる感じ)、無事に19:45くらいには全てのお客様のお見送りを終えて、いつものように自転車でテアトル梅田に向かいました。

(*良い美容師のみなさまは絶対に真似をしないでください)

 

そんな暴虐無人なことをして早速バチが当たったのか、自転車のタイヤが淀屋橋手前でパンクしてしまうという。。

でも、『たぶん悪魔が』を映画館で観れるという至極の時間が目前にある僕の執念は、悪役ターミネーターよりもしぶといので、とりあえず最寄りの駐輪場に自転車を停めて、あと上映まで30分くらいあったので徒歩で梅田を目指しました。

この日は朝から映画に行く気満々だったので、夜肌寒くなっても大丈夫なように今の時期にしては少し厚着気味の格好をして行ってたのですが、急ぎ気味に歩いたおかげでお気に入りのドリス・ヴァン・ノッテンのジャケットにまで汗が滲みてきそうになりました。

この苦難も悪魔の仕業か、と嘆きたくなりました。

(おそらく僕の日頃の行いに対する鉄槌だと思います)

 

 

googleのナビでは徒歩だと到着時間がギリギリとの算出だったのですが、恐るべし早足を駆使して無事10分前に到着できました。

 

上映が始まってからの時間は、まさに感無量でした。

耳を引き裂くようなハイプオルガンの音や車のブレーキ音、そして生活音。

ブレッソンの映画は必要なもの以外は引き去られ、慎ましく静かな分、それらの音は強烈な印象を与えます。

ブレッソン特有のフレームワークによる映像も本当に素晴らしかったです。

 

大満足の気分になった帰り道は、外へ出た瞬間から潔くadidasのアプリを開き、Saultの新譜を聴いて未だ踊る気分を鎮めながら、途中でパンクした自転車もピックして家まで歩いて帰りました。

神様、素晴らしいひとときをありがとうございました。

 

近日中にDVDとBlu-rayの封を開いて特典の解説と共に作品もゆっくり観返して、もっと理解を深めたいと思います。

ブレッソン、素晴らし過ぎます。