mademoiselle C

2014.05.13.

Posted on 05.13.14

観てきました!

フランス版VOGUE 元編集長Carine Roitfeld(カリーヌ・ロワトフェルド)のドキュメンタリー映画

『マドモワゼルC』

mademoiselleC

 

 

VOGUEの編集長ではアメリカ版のアナ・ウィンターが有名ですが、本作の主役カリーヌはアナのような独裁的なカリスマ編集長とはまた生き方が違います。

 

ファッション界,その中でもエディトリアルにおいてVOGUEの編集長(その中でもファッション主要都市の編集長は特に)というのは最高位に位置するキャリアだと思います。

 

カリーヌは、そのキャリアから自ら退くことを選択しました。

自ら“それ”を超えるクオリティーのモード誌を創りたいという、59歳の年齢とは信じられない溢れ出る情熱の為に…

 

(VOGUEを退任して立ち上げた新雑誌CR)

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VOGUEなどを運営する会社コンデナスト・パブリケーションズのファッション界における影響力は凄まじく、新雑誌を立ち上げるカリーヌに協力しようとするカメラマンやモデルに「彼女と仕事をしないように」働きかけ、彼女が頼りにしていた人物が次々といなくなっていきます。

そんな状況の中、彼女が独立する当初から資金面を含め全面的に協力したのが『V Magazine』の編集長でもあるStephen Gan(スティーヴン・ガン)でした。

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彼ほど、商業性とクリエイティヴを高い次元で共存させることのできる人物はそうそういません。

まだ新雑誌が完成途上の段階で、既に当初の予算の2倍にまでコストが膨れ上がってた時でも、彼はカリーヌに「これはお金がかかるからダメだ」というようなことは言いませんでした。

その真意を「彼女の創造性のその翼を捥ぐようなことだけはしたくはなかった」と劇中で話しています。

 

他にも、彼女(お互いに)がスターダムにのし上がる過程において最も重要だった人物トム・フォードの他、カール・ラガーフェルドやリカルド・ティッシなど“決して権力に屈することのない”協力者のもと、新雑誌『CR』は完成されました。

 

カリーヌが新雑誌『CR』のコンセプトに掲げたのが、ダンスと生命。

胎児のポートフォリオが表紙を飾っています。

ちょうどこの頃、カリーヌに孫ができたことがこのテーマに大きく影響を与えたと語っています。

このあたりの感覚も“氷の女王”アナ・ウィンターと大きく違うところです。

 

自分もいつかはこれぐらい撮影に対して拘りを追求できるようになりたい、と強く思いました。

 

ご興味の湧いた方は、ぜひ観に行ってみてください!