ロベール・ブレッソン『白夜』× SERGE THORAVAL
2025.03.04.
Posted on 03.04.25
ロベール・ブレッソンの名作『白夜』の4Kレストア版の上映に合わせて、パリのジュエリーブランド,SERGE THORAVALから作品とコラボレーションしたバングルが発売されるというので、ブレッソンファンの僕は何だかよくわからないけどこれはちょっと欲しいかも知れないと思って、発売日の開店時間から阪急百貨店のH.P.FRANCEさんにわざわざ電話をかけて商品をお取り置きしてもらうまでして、先日のお休みに無事購入することができました。
電話対応してくださった店員の方はとても良い方で、僕が男だったからか「サイズが少し小さいかも知れないですが、大丈夫でしょうか?」とわざわざお電話をかけ直してくださって確認してくださいました。
僕はお恥ずかしながらオッサンなのにガリガリという最悪体型なので、サイズ表記を見て多分入りそうだと思ってたし、もし入らなくてもオタク気質の僕には保有しているということが最も大事で入るか入らないかはもはや二の次なのですが、取りに行った時に試着させていただいたら案の定問題なく入ってしまいました。
メチャ恥ずかしかったです。
もういい歳なのに電話までかけて女性もののブレスレットを取り置きするというかなりキモい行動で無事に商品を確保できたその日の仕事で、阪急百貨店(及びハービスENT)で働かれてる顧客様がご来店くださってて、好きな映画とコラボしているブレスレットを買いに月曜日に阪急に行くんですとお伝えしたら、なんとその方はH.P.にお勤めだったようで(どこのブランドで働いてるかまではわざわざ聞いてないこともあるので)「もしかしてSERGE THORAVALですか?」と言い当てられてしまいました…
もう、目出し帽被って取りに行きたくなりました。
映画『白夜』は、ある夜、画家のジャック(ギヨーム・デ・フォレ)がポンヌフで思い詰めた表情をしている美しい女性マルト(イザベル・ヴェンガルテン)に出会うシーンから始まります。
セルジュ・トラヴァルは、二人の男女が恋と愛にうつろう四夜を描く本作にちなんで、“夜”をテーマに限定バングルを制作。
表面には、18世紀に生まれたロマン主義を代表するイギリスの詩人 ジョン・キーツが、フィアンセに宛てた手紙から着想を得て、”AVEC TOI COMBIEN TENDRE EST LA NUIT(君と一緒だと 夜はどれだけ 優しいのだろう)”という、情緒的なフレーズが刻まれています。
とても素敵な刻印ですが、これも商品を取りに行く僕にとっては更にハードルが上がってしまいます。
せっかく映画とコラボしてるんだから、そこは主人公ジャックがマルトを思ってカセットテープに録音したセリフを入れてくれた方が個人的には尚のこと嬉しかったです。
ロシアの文豪,ドストエフスキーの小説『白夜』を原作とした映画は、本作のロベール・ブレッソンともう一人,イタリアの映画監督ルキノ・ヴィスコンティも描いていますが(こちらも素晴らしい)、ブレッソンが描く本作の主人公はこのブレスレットをお取り置きした僕よりも遥かにキモくて最高なんです。
映像も色遣いも本当に素晴らしいですし、『白夜』はシネフィルだけではなくファッション関係の方が観てもとても参考になると思います。
大阪でも来週から上映が始まりますので、ご興味のある方は、ぜひ映画館に足を運んでみてください!
商品を取りに行ったら、特典でトートバッグやポストカードなどもいただきました。(注:Blu-rayは私物)
とても嬉しい。
左下のBlu-rayは私物で、残念ながら現在は廃盤になってしまっています。
映画館で働いていたお客様が教えてくださったのですが、このBlu-rayが発売された時はロベール・ブレッソンの作品でDVD化(Blu-ray含み)していない作品のうち『白夜』か『やさしい女』のどちらかの版権が取れるってなって『白夜』が選ばれたそうです。
最初に『白夜』を観た時は、よくぞこちらを選んでくれたと思ったものですが、その後に『やさしい女』を観れた時には、こっちもめちゃくちゃ良いやんけと複雑な気持ちになったことを覚えています。
ということで、カット中、僕の手首に細くて華奢いシルバーのブレスレットが光っていたとしても、そのことには何も触れずにどうぞそっとしておいてください。