gap PRESS 2020 S/S -PARIS/LONDON
2019.12.04.
Posted on 12.04.19
gap PRESSの最新号はパリとロンドンの特集号です!
表紙は、ROKH(ロック) という韓国人デザイナーのブランドのコレクションが掲載されています。
デザイナーであるRok Hwagn(ロック・ファン)は、CELINEで経験を積んだ経歴があります。
日本でもsacaiをはじめbeautiful people, Mame Kurogouchiなど、パリコレに拠点を移して活躍している日本人デザイナーもいますが、日本からもこのROKHのように世界的なラグジュアリー・メゾン出身のデザイナーでパリコレで活躍するような人が出てきてほしいです。
では、掲載されているコレクションの一部をご紹介させていただきます。
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VALENTINO
巷の女子達には、バレンティノよりもクリスチャン・ディオールの方が魅力的に写ってる方が多いかと思いますが、同じ「クラシック」でもマリア・グラツィア・キウリの“遊び心をくすぐる”ようなクリエイションよりも、ピエールパオロ・ピッチョーリのオートクチュール向きの“厳格な”クリエイションの方が個人的には好きです。
メンズで変な『VLTN』のロゴを使うようなクリエイションをするのは心底やめてほしいですが、ピエールパオロが本気を出せばバレンシアガ時代のニコラ・ジェスキエールくらい素晴らしいクリエイションができると信じています。
ストリートブームや「インスタ映え」させるようなクリエイションのトレンドが落ち着いてきた今からの時代において、ピエールパオロには更なる高みに昇っていってほしいです。
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DRIES VAN NOTTEN
今シーズンのドリスは、フランス人デザイナー,クリスチャン・ラクロアに声をかけ、協業で素晴らしいコレクションを完成させました。
ラクロアは80年代のオートクチュールで輝きを放った素晴らしいデザイナーでしたが、その才能はビジネスとしては大成しませんでした。
そのラクロアの感性が今にマッチすると感じて声をかけたドリスはさすがですし、そのラクロアの感性を活かせるような数少なそうなメゾンのひとつがドリス・ヴァン・ノッテンだったと思います。
僕が気品溢れるマダムだったなら、このコレクションから何か絶対にひとつは手にしておきたいと思うようなコレクションでした。
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BALENCIAGA
自身の才能が何もストリートに固執したのもではないことを、最近のデムナ・ヴァザリアはバレンシアガのコレクションにおいて証明しています。
デムナは、自身の立ち上げたブランド,VETEMENTSのデザイナーを離れたことが先日発表されていましたが、デムナ自身もバレンシアガというブランドにおいて、これまでのストリート寄りアプローチからメゾンのコードを進化させていくような服作りをするにあたって全力を注いていきたいという意思の現れだと思いますし、この先もこれまでのようなトレンドセッターのポジションを維持し続けていくことは決して簡単ではないと感じているのだとも思います。
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Chloé
バレンシアガ時代、確固たる評価を得ていたニコラ・ジェスキエールのもとで彼を支えていたのが、現Chloéのデザイナーであるナターシャ・ラムゼイ・レヴィです。
最近、ルイ・ヴィトンにおいて、ナターシャが手元を離れたニコラ・ジェスキエールが評価を落としているのは、やはり彼女の存在というのも大きかったのでしょう。
ナターシャがクロエのデザイナーに就任して2年。
派手さはないですし注目度も低いですが、少しずつですが着実に自身のデザイナーとしてのクオリティを上げてきているように思います。
クロエはこれまで、ステラ・マッカートニー, フィービー・ファイロ, クレア・ワイト・ケラーなど、優秀な女性デザイナーが多く世に出てきたメゾンです。
ナターシャもさらに経験を積んで、それらの先人たちと肩を並べるようなデザイナーに成長してほしいです。
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SAINT LAURENT
現在のモード界において3本の指に入るくらいのカリスマ性を持つデザイナー, エディ・スリマン(現CELINEクリエイティヴ・ディレクター)がメゾンを離れることになった時、経営陣がアンソニー・ヴァカレロを後任に選んだ判断は概ね間違ってなかったように思います。
他のメゾンが、デザイナー交代の度にクリエイション面において大きな方向転換の舵をとる中、サンローランはエディ・イズムを継承させながらもイヴ・サンローランらしいエレガンスさも兼ね揃えたアンソニーにブランドの舵取りを託しました。
世界中に熱狂的なファンを持つエディを失ったブランドは、特にメンズにおいて大きな顧客離れがありましたが、それでもアンソニーの評価が特にフランスにおいて高いのは、純粋にコレクションのクオリティが高いからだと思います。
テーラードなどの技術に優れたメゾンの強みもしっかりと生かした服作りをしているのも好感が持てます。
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最後にロンドン・コレクションから、BURBERRYをご紹介いたします。
GIVENCHYでの活躍で、一躍トップデザイナーの一人に躍り出たリカルド・ティッシ率いるBURBERRYも、ようやく板についてきた感じがします。
ジバンシィとバーバリーではブランドの世界観が全く異なることもあり、ジバンシィの時に比べるとまだまだリカルドらしさが薄いような気もしますが、リカルド自身も徐々にバーバリーの水に馴染んできたのかも知れません。
バーバリーとリカルドとの調和が徐々にとれてきて、コレクションが洗練されてきたように感じます。
今、ルイ・ヴィトンのメンズデザイナーにヴァージル・アブローが就任しているように、近年ではラッパーなど本来ストリートファッションを好むような黒人でもモードなファッションに憧れ抱く人達も増えましたが、そのきっかけを作った人物こそこのリカルド・ティッシだと思います。
もともと黒人カルチャーとも距離が近かったリカルドがジバンシィ時代に発表した「ロットワイラー」コレクションは、カニエ・ウエストの目に留まり、ジバンシィを着たカニエに憧れを抱いた世界中の若者達がモードに興味を持ちました。
そこから10年足らずの間に、ヒップホップがパリのモード界のトップにまで昇り詰めるのだから、その影響力たるや物凄いです。
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今回もまだまだ紹介したいブランドもたくさんありますが、長くなったのでこのへんで終わりにさせていただきたいと思います。
本誌はお店に置いてますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧ください!