gap PRESS vol.171

2023.04.29.

Posted on 04.29.23

gap PRESS の最新号は、MILANO/NY 2023-24 Autumn&Winter特集号です。

 

 

表紙はJil Sanderのコレクションのモデルですが、何頭身あるねんって感じのバランスです。

今シーズンは、パワーショルダー気味のオーバーサイズコートがトレンドアイテムのひとつになっていましたが、こういうシルエットバランスを見るといつもデヴィッド・バーンのことを思い出します。

今年は『Stop Making Sense』の4Kレストア版が公開される予定らしいので、今から楽しみです。

 

 

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PRADA

 

 

PRADAは相変わらず素晴らしいコレクションを発表し続けています。

むしろ、ラフが加入して以降、回数を重ねる毎に二人のアイデンティティが見事に溶け合い、ひとつの服となって昇華されている感じがします。

 

2枚目の写真はパステルカラーっぽい淡めの色みも多く見られると思いますが、これらもトレンドのひとつで“パウダーカラー”というキーワードらしいです。

パステルカラーの中でもさらに繊細にカテゴライズされているんですね。

このわかる人には分かる繊細で僅かな“差”を生み出せるのがモードなのだと思っています。

絶妙な色の合わせもお見事です。

 

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BOTTEGA VENETA

 

 

ダニエル・リーはバーバリーに移りましたが、その後を継いだマチュー・ブレイジーは今のところ上昇気流に乗ったボッテガの勢いを落とすことはしていないのでしょう。

今回のショーは「イタリア三部作」の最終章らしいです。

最終章にしてそのことを初めて知りました。

3部作といえばデヴィッド・ボウイの「ベルリン三部作」とか、イングマール・ベルイマンの「沈黙三部作」とか、アキ・カウリスマキの「敗者三部作」とか、素晴らしい三部作をたくさん知っているので、あまり無闇に多用しないでほしいなという思いはあります。

そんなこと言わなかったら十分素晴らしいコレクションなのに。

 

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JIL SANDER

 

 

こちらも高度な位置で安定飛行を続けているルーシー&ルーク・メイヤーによるJil Sanderです。

僕も今のデザイナーになってからも何着か洋服を買いましたが、最近は特にストリート畑出身のルークよりもルーシーのエレガンス色の方が色濃く出ている印象です。

 

今のトレンドはストリートからエレガンス路線に以降している最中なので、ルーシー色をメインに押し出し、またトレンドがストリートを求め出したらルーク色を強めていくのかも知れないですね。

ギアが2つあるだけで自在性は格段に上がりますし、それを上手に使いこなせると非常に強力な武器となります。

 

 

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という感じのミラノコレクション雑感でした。

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!