旧共産主義遺産
2019.08.16.
Posted on 08.16.19
第二次世界大戦に勝利を収めたソビエト連邦は、東側諸国を影響下に収め社会主義国を多数生み出すこととなりました。
そして、ソ連を中心とする東欧諸国の共産党は1947年「共産党・労働党情報局(コミンフォルム)」を結成し、東側諸国を形成していきます。そして、西側諸国との対立が深まり、冷戦時代へと突入していきました。
この本は、コミンフォルム誕生から1991年のソ連崩壊までの間に作られた多数の独特な建築的遺産をまとめた一冊です。
表紙もメチャカッコイイですが、注目すべきはその世界観には到底相応しくない出版社のポップ過ぎるネーミング。
この表紙のポールポジションとも言える場所に配置しようとした、そして実際にその位置に配して出版したそのセンスに震えます。
この本には「スポメニック」と呼ばれるSF映画に出てきそうな造形物が多数掲載されています。
スポメニックとは、セルビア語,クロアチア語で「モニュメント」を意味する戦争記念碑のことを指します。
これらは、“勝利の証”であると同時に“苦しみの証人”でもあり、戦争への怒りの象徴でもあります。
戦争とは、絶対にない方が良いものですが、皮肉にも戦争から様々な便利なものが発明され、それらが現在の平和な暮らしの中でも役立っています。
この本に掲載されているモニュメントも大変素晴らしいものばかりです。
僕もいつか宝くじで3億円が当たったら、旧共産主義遺産巡りをしてみたいです。
本はお店に置いてますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧ください!