VOGUE ITALIA N.844

2021.01.29.

Posted on 01.29.21

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

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表紙の勇ましい犬が物語るように、今号のテーマは『The Animal Issue』です。

 

本誌のどこにも書いてなかったし、聞けばきっと否定すると思いますが、おそらくイタリアンヴォーグ編集長のエマニュエレ・ファルネティは最近、テレビで動物の番組を観たのだと推測します。

 

そしてハッとひらめいたのだと思います、「動物は数字が取れる」と。

 

しかし、そこは天下のイタリンヴォーグ、動物を使ったポートフォリオも圧巻のクオリティです。

 

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特にネズミの尻尾がアイシャドウメイクのような形になってるこの写真は、とても印象に残りました。

 

ネズミが意図的にやってくれる訳ではないので、こういう写真は偶然性という要因も大きく結果に関わってきます。

 

 

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この写真(本誌掲載のものではありません)は、偉大な写真家,リチャード・アヴェドンがVOGUEに依頼されて撮影した有名な一枚です。

当時20歳の人気モデル, ナスターシャ・キンスキーが全裸で手首にバングルだけ身につけ、足元から大蛇を絡ませたセンセーショナルなものでした。

 

ナスターシャは、当初大蛇を自分の体に這わすことに戸惑っている様子でしたが、さすがはトップモデル、カメラが向けられるとそんな素振りは微塵も感じさせません。

 

写真は、撮影が進む中で、偶然大蛇が舌を伸ばしてナスターシャの耳にキスしたところを捉えた奇跡的な一枚です。

 

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『Nastassja Kinski and the serpent』と題されたこの作品が撮影された頃から、カメラマンのアヴェドン自身もファッション写真家としての評価から芸術として評価される写真家へと飛躍していきました。

大蛇が舌を出したのは、結局たった一回この時だけだったらしいです。

その瞬きでも見逃すような瞬間を逃さずにシャッターを切れるところに、アヴェドンが優れた写真家たる所以が現れています。

 

撮影時、スタイリストとして立ち会ったポリー・メレンも、後のインタビューで「この時、バングルは必要なかった」と語っていました。

ファッション誌の関係者でさえ、この写真にはもはやファッションを超越したものがあると感じたのだと思います。

 

 

最後はちょっと脱線しましたが、生命が宿っている生き物は、どれも美しいです。

 

本誌はお店に置いてますし、当店には『Nastassja Kinski and the serpent』が収録されたアヴェドンの写真集も置いてますので、ご興味のある方は、ご来店時にぜひご覧くださいませ。