Posted on 04.17.25

『アンゼルム・キーファー ソラリス』展を観に京都へ行ったついでに、観たかったアラン・ギロディ監督の映画が京都シネマで上映されてたので、時間を合わせてスケジュールを組んで観てきました。

 

 

アラン・ギロディーの作品は3つ上映されていますが、僕が観たのは『ミゼリコルディア』です。

 

セクシャリティとサスペンス。

本作に“コメディ”という表記があるのは、相当ブラックユーモアな解釈だと思います。

 

アメリカ映画とかでコメディというと、誰にでもわかりやすいエンタメ要素の強いものが一般的です。

日本のお笑いとかもそうです。

 

でも、本作みたいなヨーロッパの作品では、コメディと言っても知識や教養が必要になってくるものも多いです。

それにダークユーモアの表現手法も多種多様で、それらの感性を見ているだけでも面白いです。

本作は特に度肝を抜かれました。

 

 

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ミゼルコルディアとは“慈悲”を意味します。

 

本作のストーリーは、パン職人の主人公が、師匠の葬儀のために久々に故郷を訪れるという話。

葬儀が終わってもその場所にしばらく滞在したり、セクシャリティが関わってくる設定は、グザヴィエ・ドランの『トム・アット・ザ・ファーム』を連想しましたが、ギロディーの本作はドランのそれよりも人間関係やそれぞれの感情を複雑で繊細に描いています。

 

 

ギロディーの映画は、映倫を通してないらしく、作品にモザイクをかけることをギロディー自身が許可していないらしいのですが(本作もR18指定ではなく18歳以上推奨作品)、本作では神父のそれがモザイクなしで映ることが大きな意味を成していました。

サスペンス映画で、まさか男性器に物語らせるなんて…

 

 

他の作品も観たいのですが、タイミングが合わずに終わってしまいそうです。

Blu-ray化は無理そうだし、JAIHOでもう一回特集をやってくれることを切に願っています。

 

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大阪にも素晴らしい単館映画館はいくつかありますが、僕が行ったタイミングでは京都シネマには大阪のそれらの映画館よりも幾分多くのお客さんが入っているように感じました。

さすがは文化の街,京都だなと思いました。

大阪府民も負けずに文化的な映画も積極的に観に行きましょう!

 

アラン・ギロディーの特集は、大阪の第七藝術劇場でもやってるので、ご興味のある方はぜひ映画館に足を運んでみてください!