EO
2023.05.10.
Posted on 05.10.23
先日のお休みはシネリーブル梅田で、ポーランドの鬼才, イエジー・スコリモフスキ監督の最新作『EO』を観てきました。
本作の主人公は一匹のロバ。
そう、ロベール・ブレッソン作品の名作『バルタザールどこへ行く』をオマージュした作品となっております。
サーカス団の一員として生活していたロバのEO(イーオー)ですが、ある時サーカス団から連れ出されてしまいます。
そのEOの予期せぬ放浪旅を通じて、人間たちの本性やその愚かさを映し出します。
僕はブレッソンの『バルタザール』が衝撃的な作品でとても印象に残ってるということもあって、同じくロバを主人公にした本作の公開を楽しみにしていました。
作品は現代版『バルタザール』という感じでしたが、極限まで削ぎ落とした構成でじっとりと湿ったような人間模様を描き出す本家ブレッソン作とは別物の映画でした。
でも、映像や音楽はさすがスコリモフスキという感じでした。
ちょうどシネリーブル梅田がodessaを搭載したスクリーンで上映してくれていたので、映像と音響を存分に楽しむことができました。
本作は、ロバよりも後半で登場したイザベル・ユペールの方が圧倒的な存在感を感じましたが、そういう作りにしているのも監督の意図なのでしょう。
本作が『バルタザール』と同様の作品と言われるとかなり違和感を感じてしまいますが、こちらはこちらで面白かったです。
ご興味のある方は、ぜひ映画館に足を運んでみてください!