Björk – Vulnicura

2015.01.23.

Posted on 01.23.15

Björk(ビョーク)の4年半ぶりとなる新作『Vulnicura』が発表されました!

Bjork-Vulnicura1

アルバム自体は3月にリリース予定ですが、何でもネット上にアルバムの音源が流出してしまった為に、急遽itunesで先行販売したらしいです。

 

(結果的にですが)実に巧妙なやり口…

そりゃすぐ聴きたいので、3月まで待たずに即刻ダウンロード購入しましたし、自分は典型的な日本人気質のCDコレクターなので、3月に発売されるアルバムも各ショップの特典を吟味した上で間違いなく買うでしょう。ほぼ棚に並べる為だけに。

つまり2度買うわけです。アイドル商法が他人事とは思えなくなってきました。

そういうことなら去年のトム・ヨークの作品のように、アルバム予約兼即時ダウンロード付きという購入方法を用意してほしかった。

でも内容が良かったので許します。(by 聖母マリア)

 

本作のテーマは『傷心』

収録曲全9曲のうちArca(アルカ)が実に7曲をビョークと共同でプロデュースしてるのですが、公式サイトによると2013年の夏頃にアルカのほうからビョーク側に一緒に制作したいとの連絡があり、ちょうど新作の制作に苦戦していたビョークは「完璧なタイミング」と考え、アルカと制作を進めたことで、3年がかりでも完成できなかった楽曲の制作が一気に進み、数ヶ月でアルバムを完成させられたらしいです。

アルカの不安定ながらもギリギリのところでバランスをとって安定させている言わばモダン・アートのような曲調づくりが、ビョークの考える世界観にマッチしたのでしょう。

アルカのデビュー・アルバムを聴いた時、素人目(耳?)にでもメチャ合いそうだと思いましたし。

 

で、関心のアルバムの感想ですが、アルカがプロデュースしてるって言うからもっと複雑で難解なものになってるのかと思っておりましたが、聴いてるとビョークの初期の頃を彷彿とさせるような曲調で懐かしい気持ちになりました。もちろん、アルカによる前衛的なマテリアルも見事に調和されており、ビョーク独特のノスタルジックさとフューチャー・エレクトロニックな部分が溶け合った素晴らしいアルバムに仕上がっております。

 

自分がビョークを初めて知ったのは高校生の時で、その時代は今みたいにインターネットやスマートフォンも発達してなかったですから、1枚1枚のCDを大事に聴いたり、部屋の模様替えや買った洋服の一人品評会などをしながら流しっぱなしのFMから聴こえてくる自分の知らない音楽をワクワクしながら聴いたりしてて、今からすると幾分不便でしたが、その分、これは!と思うものに出会えた時の衝撃は半端なくデカかったように感じました。それは今の垂れ流しのように次から次へと新しいものと触れ合えるような時代では、もう2度と経験できないようなものでした。

その中の一枚がビョークの『ホモジェニック』でした。片田舎に住んでいたので、それらの趣味を共有できる仲間も限られていましたが、とても良い時代を過ごせたと思っています。

このアルバムを最初に聴いた時、ふとそんな時代のことを思い出しました。

 

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