MODE et MODE No.413

2026.01.08.

Posted on 01.08.26

長年購入していたgap PRESSの紙版の発売が休止することになってしまったとのことで、仕方がないので今後はMODE et MODEを購入することにしました。

 

 

gap PRESSの発売がなくなるのは本当に残念です。

これも時代ですね…

 

MODE et MODEは頑張ってほしいです。

最初に今季のトレンドがピックアップされています。

 

 

モードのコレクションは難しいという方でも、ここだけ押さえてれば日本でも1~2年後に巷で流行る可能性があるものを先取りできます。めちゃ俗っぽい表現ですけども。

 

中に掲載されているコレクションのものから、僕の素人味が存分に表に出てしまっているコメントと共にこちらでも少しご紹介させていただきます。

 

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CHANNEL

 

 

 

 

今の若い世代の人は知らないと思いますが、昔テレビでマジカル頭脳パワーとかいう頭脳の1/100000も使わないで観れるような大人気番組があったのですが、その大人気番組の中でも大人気コーナーに“マジカルバナナ”というみんなでアホみたいにリズムを刻みながら進めていく連想ゲーム(バナナと言ったらカリウムみたいな感じで)があって、そのリズムが今も僕の頭脳に深く擦り込まれて困っているという恐るべき後遺症に悩まされている次第であるのですが、もしそのゲームの中で「シャネルと言ったら?」で回ってきて回答するとしたら「ガブリエル」もしくは「カール(ラガーフェルド)」しか答えたくないくらい、シャネルのDNAにはこの二人の人物のものが深く刻まれています。

そして、今回シャネルのデザイナーに就任した(抜擢と言っていいくらいの起用)マチュー・プレイジーはシャネル第三の人物(第三のビールみたいには言うてないです)となり得る活躍ができるのか、シャネル顧客はもちろんモード界の関係者にとっても熱い期待が注がれています。

 

個人的な感想としては、シャネルに新時代の息吹を注ぐ素晴らしいコレクションだと思いますが、一方で創業者ガブリエル・シャネルからカール・ラガーフェルドへと受け継がれたシャネルのアイデンティティとはまた違ったアプローチだなと感じました。

前に進めるという意味ではとても高評価になると思いますし、ガブリエルの思想を受け継ぐという意味では少し残念にも感じるようなコレクションではないかと思います。

個人的には少しだけ残念な気持ちが勝っているかも知れないです、古い考えの人間なもので…

 

 

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DIOR

 

 

こちらも老舗の名門,LOEWEをモード界でも注目されるブランドへと導いた立役者,ジョナサン・アンダーソンが新しく就任した新生DIORのコレクション。

DIORも前任であったマリア・グラツィア・キウリとの相性抜群で、フェミニストでもあるマリアがファッション界の中核ブランドであるDIORにおいて女性の地位向上をクリエイションを訴えかけていたことも素晴らしかったので、やはり少し未練がましい気持ちもあるのですが…

でも、ジョナサンも素晴らしいデザイナーだなとDIORでのメンズ,ウィメンズのコレクションを見て改めて感じました。

マチュー・プレイジーも、ジョナサン・アンダーソンも、ともにまだまだ若く、これからのモード界を長く牽引していくような存在になるんだろうなと思います。

 

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MAISON MARGIELA

 

こちらもジョン・ガリアーノ退任後、新デザイナーにグレン・マーティスを迎えての初のプレタ・コレクション。

グレン・マーティスは、すでにOTB社傘下のブランド,ディーゼルのデザイナーでもありますが、同じく同社が擁するマルジェラのデザイナーにも掛け持ちで起用させました。どれほど彼の才能を評価し期待しているかが表れています。

そして、もともとインディペンデント気質の強いY/プロジェクト出身という背景もあり、個人的にはグレンのクリエイションはディーゼルよりマルジェラの方が向いているのではないかと思います。

 

創業者であるマルタン・マルジェラのカリスマ性やデザインに魅了されていたような古いマルジェラ・ファンはガリアーノ期で離れていった方も多くいたと思いますが、グレンにはそれらの一度離れたファンを呼び戻すくらいのマルタンのDNAを繋ぐようなクリエイション能力を発揮してほしいと応援しています。

 

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DRIES VAN NOTEN

 

クリエイションの感性においても一人の人物としても、玄人に愛される存在だった稀代のデザイナー,ドリス・ヴァン・ノッテン退任の後を引き継いだのは、卒業後から間のない2018年にドリス社に入社しドリスとともにウィメンズコレクションのデザインと開発に携わってきた愛弟子ジュリアン・クロスナーでした。

こういった内部人材を起用する姿勢をみても、ドリス・ヴァン・ノッテンというメゾンが、どれだけブランドのDNAを大切にしているかが表れています。

僕はドリスの大ファンだったので、ジュリアンのクリエイションには前任と比べてまだ若さを感じるところも少しあるのですが、それでもまだドリスがメゾンにいるかのようなコレクションを披露してくれるのはとても嬉しいですし、ジュリアンがデザインした服も買って応援したい気持ちになります。

ジュリアンがドリス本人と同じくらいの歳になるまで、ドリス・ヴァン・ノッテンのデザイナーの職を全うしてほしいなと願っています。

 

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という感じのコレクション雑感でした。

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

みなさま、あけましておめでとうございます。

今年も張り切って毎月プレイリストを更新していこうと思っていますので、こちらもどうぞよろしくお願いいたします。

 

新年最初のアートワークは、めでたく白と円形多めです(?)。

 

 

 

そんな中、女の子の表情が秀逸だったTony Bontanaのアルバムを中心に添えました。

「今年もやったる」

まだとても若いであろうにそんな芯の強い精神性が感じられます。

 

僕も負けずに今年も頑張ります!

 

年度代表盤 2025

2025.12.23.

Posted on 12.23.25

今年も早いもので、一年を振り返る時期になりました。

何人くらいが見てくれているのかもわからないようなランキングですが、毎年発表しているので今年も一応発表させていただきます。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

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5th.

TLF Trio – Desire

 

ミニマルで彫刻的…

こういう落ち着いたムードの室内楽作品は、近年特に好んで聴くようになりました。

僕の場合、今から取り組んでもかなり絶望的だと思いますが、いつか何かの楽器を習いたいなという野望も持っています。

 

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4th.

Joanne Robertson – Blurrr

 

 

こんなに美しい音楽はなかなか無いです。

Joanne Robertsonのつぶやくような歌声とミニマルなギター。

無駄なものを削ぎ落とした彼女の美学がここにはあります。

 

 

 

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3rd.

Lust For Youth & Croatian Amor – All Worlds

 

今年の2月、コペンハーゲンのレーベル,Posh Isolationの終了が発表されました。

ここからリリースされるアーティストや作品は大好きだったので、このニュースを知った時は本当に残念でした。

レーベルは16年続きました。

僕が独立して美容室をオープンしたのと、ほぼ同じくらいの時期にスタートしたレーベルでした。

その頃から比べると、今はテクノロジーも人々の感覚も何もかも、全く違う時代になったなと感じます。

(本質的な部分は)ずっと変わらないで貫いた姿勢で継続していってほしい、というのはコアなファンであればあるほど願うものですが、今の時代はそんな甘い考えは許してもらえない時代なのかも知れません。

でも、多くの人から振り向いてもらえるようなものじゃなくとも、一部の人の心にはグサッと刺さるようなことをしているレーベルやお店って、やはり唯一無二な魅力を放っていると思うんです。

僕は、そういうものの方が魅力的に感じますし、応援したいです。

このアルバムは、Posh Isolationのラストを飾るに相応しい作品だと思います。

 

 

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2nd.

Elias Rønnenfelt – Speak Daggers

 

先ほどのPosh Isolationと繋がりますが、このElias Rønnenfelt率いるIceageが世界のインディシーンを震撼させた時、所属していたレーベルがPosh Isolationでした。

Posh Isolationが終わっても、そのDNAはこのエイリアスなどによって受け継がれていきます。

イケメンだし、もっと売れようと思えばいくらでも道はあったと思いますが、彼はずっと自分の信じた道を開拓し続けています。

ビッグスターやお金持ちになることよりも、自身の信念を大切にして生きる人だってたくさんいます。

その上でお金が稼げたら言うことないのでしょうが、これがなかなか難しいんですね。

でも、そんな不器用な生き方こそ、人間の一番の魅力だと思います。

 


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1st.

Big Thief – Double Infinity

 

Big Thiefとエイドリアン・レンカーの歌声は、近年悪化している世界情勢や世の中への不満に満ち溢れた世間の声など、目にしたり耳にするだけで疲れてしまいそうになる心に穏やかな安らぎの風を吹き込んでくれます。

歌声のないアンビエントやドローンも良いですが、ヴォーカルがある曲は直接的に感情に伝わりやすいです。

今の時代、ヴォーカルがAIの曲だって作られていますが、やはりその歌い手が発する歌詞や感情のこもった歌声には人でしか伝えられない魅力を感じます。

僕も美容師を通じて、お客様にそう感じていただけるような仕事がしたいです。

 

 

 

 

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ベスト5と少ないですが、今年はこんな感じのランキングでした。

来年もまた素晴らしい作品に出会えることを期待しています。

 

それでは、みなさま今年も最後まで頑張りましょう!

先日のお休みは、シネヌーヴォさんでソ連・パルチザンスク出身の映画監督,ヴィタリー・カネフスキーの特集から、『動くな、死ね、甦れ!』と『ひとりで生きる』を観てきました。

 

 

まずは『動くな、死ね、甦れ!』から。

 

『動くな、死ね、甦れ!』は、カネフスキー監督の自伝的作品とされています。

 

あらすじ

第2次世界大戦直後のソ連。強制収容所地帯となった極東の小さな炭鉱町スーチャンに暮らす12歳の少年ワレルカは、シングルマザーの母親に反発し、悪戯ばかり繰り返していた。同じ年の少女ガリーヤはいつもワレルカのことを気にかけており、彼が窮地に立たされると守護天使のように現れて助けてくれる。そんなある日、度を越した悪戯で機関車を転覆させてしまったワレルカは、逮捕を恐れてひとり町を飛び出す。

 

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映画史に刻まれる歴史的な名作だと思いました。

口から放たれる言葉ではなく、一見平然を装ったようなワレルカの顔の表情からは、内面に潜めた感情の塊のようなものが感じ取れました。

全てを観終えて、このタイトルの意味を改めて深く考えさせられました。

 

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続いて『ひとりで生きる』

 

 

こちらは『動くな、死ね、甦れ!』の続編。

 

あらすじ

15歳になったワレルカは、子ども時代に別れを告げようとしていた。大人たちの世界はますます悲劇的な様相を呈し、ワレルカにとっての心の拠り所は、2年前に死んだかつての恋人ガリーヤの妹・ワーリャと一緒にいる時間だけだった。やがてある事件が原因で学校を退学となったワレルカは、ワーリャの思いをよそに町を離れ、ひとりで生きることを選ぶ。一方、残されたワーリャは、返事の来ないワレルカへの手紙を書き続ける。

 

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こちらも凄まじかったです。

これほどまでに残酷な有り様を、なぜこれほどまでに美しく描けるのか…

 

本当は3作全て観たかったのですが、予定を合わせられず残念でした。

可能なら、この3部作でBlu-ray出してほしいです。

関係者のみなさま、どうかよろしくお願いいたします。

Posted on 12.17.25

昨日のお休みは、中之島美術館で開催されている『拡大するシュルレアリスム』展へ行ってきました。

 

 

シュルレアリスム(超現実主義)は、1924年にアンドレ・ブルトンが定義づけた動向で、「これまで無視されてきたような種々の連想における高次のリアリティと、夢の全能性への信頼に基づく」ものとされています。

 

副題にもあるように、展示されている視覚芸術作品は絵画やオブジェにはじまり、広告、ファッション、インテリアまで、幅広い構成でとても面白かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後の写真は、美容メーカー,パンテーンの広告です。

こんなアーティスティックなヘアケア系の広告は、これまで見たことがなかったです。

 

 

サルバドール・ダリ、マルセル・デュシャン、マックス・エルンスト、ルネ・マグリット、マン・レイなど、好きな芸術家の作品をたくさん堪能できました。

 

図録も買ってきたので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

 

 

アートブック

2025.12.09.

Posted on 12.09.25

今月のpenはアートブック特集です。

 

 

昔、ドイツの出版社,シュタイデルのドキュメンタリー映画を観ましたが、カール・ラガーフェルドから直々に依頼されたシャネルのアートブックの完成発表会で壇上に上がったシュタイデル氏は、煌びやかに着飾ったゲスト達を前にしてこう熱くスピーチをしていました。

 

「本に顔を近づけて、インクの匂いを嗅いでみてほしい」

 

オシャレな紙面やシャネルについて触れるわけでもなく、ゲスト達はキョトンとした様子で不思議そうな面持ちで本に顔を近づけていました。

 

それを診てから、僕はアートブックを買うたびに掲載されている内容を見る前にまず紙面に顔を近づけて、本から放たれるインクの香りを嗅ぐことがルーティンとなりました。

 

皆さんもぜひ素敵な本やアートブックに出会った際は、まずその本から香るインクの香りを楽しんでみてください!

今月の絵画

2025.12.05.

Posted on 12.05.25

いつも絵画を持ってきてくださるお客様が、また新しい作品を持って来てくださいました。

 

 

今回のテーマはクリスマスだそうです。

とても素敵ですね。

 

真ん中に描かれたぬいぐるみが絶妙な存在感を醸し出しています。

クリスマスのワクワク感、特別感がありつつ、大人びた複雑性もあります。

どこかグスタフ・クリムトのようなジャポニズム性も感じます。

 

12月にピッタリの作品をありがとうございました!

 

みなさまご来店の際には、ぜひお近くでご覧になってみてください。

Posted on 12.02.25

昨日のお休みは、九条にあるシネヌーヴォさんで伝説的アニメーション作家ブラザーズ・クエイによる19年ぶりの新作『砂時計サナトリウム』を観てきました。

 

 

 

ポーランドの作家,ブルーノ・シュルツの神話的かつ詩的な短編集をベースに、まるで記憶の迷宮を彷徨うような独特な映像感覚を生み出した本作。

シュルツ文学の幻惑的世界を映像詩へと昇華させていました。

 

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今作の原作であるシュルツの作品は、ポーランドの映画監督,ヴォイチェフ・イエジー・ハスも『砂時計』という作品で映画化していますが、イエジー・ハスの万華鏡のような多彩色な世界観とは180度違うクエイ兄弟の本作は本当に素晴らしいものでした。

 

初期のアン・ドゥムルメステールのような儚い退廃性のファンタジーを感じました。

 

パンフレットもすごくいい感じの仕上がりです。

 

 

 

 

ご興味のある方は、ぜひご覧になってみてください!

 

Posted on 11.26.25

先日のお休みは、中之島香雪美術館で開催中の『ベルナール・ビュフェ展』へ行ってきました。

 

 

個人的には昆虫シリーズとサーカスシリーズ、ビュフェが描く花が好みでした。

 

また図録を買ってきたので、ご興味のある方はぜひご覧になってみてください!

落下の王国

2025.11.25.

Posted on 11.25.25

昨日のお休みは、映像の魔術師と呼ばれるインド出身の映画監督,ターセム監督の“幻”とされ続けてきたカルト的ファンタジー作品『落下の王国』を観てきました。

 

 

構想26年、撮影期間4年をかけて完成させたオリジナル作品で、CGに頼らず、13の世界遺産と24カ国以上のロケーションをめぐって撮影された壮麗な映像と独創的な世界観で繰り広げられる本作。

 

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あらすじ

舞台は1915年。映画の撮影中に橋から落ちて大怪我を負ったスタントマンのロイは、病室のベッドで絶望の淵にあり、自暴自棄になっていた。そんな彼は、木から落ちて腕を骨折し入院していた5歳の無垢な少女アレクサンドリアと出会う。ロイは動けない自分の代わりに、アレクサンドリアに薬剤室から自殺用の薬を持ってこさせようと考え、彼女の気を引くために即興の冒険物語を語り始める。それは、愛する者や誇りを失い、深い闇に沈んだ6人の勇者たちが力を合わせて悪に立ち向かう壮大な物語だった。

 

 

 

 

噂にも勝る映像美でした。

石岡瑛子さんが手掛けた衣装も本当に素晴らしかったです。

ファンタジーは個人的には得意なジャンルではないのですが、これは観て良かったです。

アート系の映画がお好きな方には、特におすすめです。

 

ご興味のある方は、ぜひ映画館に足を運んでみてください!

美容業界専門誌の『美容の経営プラン』さんからコラムをご依頼いただき、寄稿させていただいたものを掲載していただきました。

 

 

“カネ”、“モノ”、“ヒト” の中から一つテーマを選んで書いてほしいということだったので、「今、社会に実装していっているAIやロボットがどのように美容業界に取り入れられていくのか」ということについて自分が考えたりしていることを少し書かせていただいたのですが、コラムの文字数ではどうしても簡潔にまとめる必要があったので、こちらでは文字数気にすることなく書かせていただこうと思います。

ご興味のある方は、読んでみてください。

 

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現在、AIやロボットが社会に広がっていく中で、今後無くなっていくと思われる職業ランキングみたいなものをご覧になったことがある方もいらっしゃるかと思います。

それらに代替されていくと思われている職業の上位は、一般事務職やスーパーのレジ打ち, 倉庫内作業,薬剤師,タクシードライバーなどです。

アメリカのビッグテックと呼ばれるような企業が最近従業員を大量解雇したニュースを頻繁に目にするようになってきましたが、これらのまさに人の代わりにAIやクラウドサービスを販売したいと思っている企業はそういう波が社会に広がっていけば自分達の企業の利益が上がるので、率先して大々的に行うことで注目度を上げたいという意図もありそうです。

 

では、美容師はどうかというと、今のところ無くならないであろう職業だとされていますが、それだって10年後はどうなっているかわからないですし、現在美容師が行なっている業務のうち、いくつかの業務はAIやロボットが代替するようにはなっていくと思っています。

 

このテーマのコラムを書こうと思ったきっかけは、今年の始めにオプティマスというヒト型ロボットを作っているテスラ社のCEO,イーロン・マスク自身の髪を自社のロボットがカットしている動画がXに流れてきたのを見たことにあります。

この時は、もうロボットの進化はここまで来ているのかと思ったのですが、少し調べてみるとこの動画もAIによって作られたフェイクだということがわかりました。

今SNSなどに流れているフェイク情報やフィルターバブルといったものも、人の思考や行動に影響を与え始めてて怖いなと感じているのですが、ロボットが人の髪の毛をカットする動画は現時点ではフェイクでも、いずれフェイクじゃなくなる時代が来るのだろうなと思わせられるものでした。

 

美容師という職業は、就職していきなりお客様を担当できるわけではなくて、最初はアシスタントとして先輩スタイリストの業務を補助しながら技術を身につけていき、さらに業務時間以外でも個人で練習したり、カットモデルなどをこなしていくことで一定の技術力を身につけた上でスタイリストとしてデビューします。

顧客を多く持った美容師は、自分ひとりでは担当するお客様をこなせないので、アシスタントにシャンプーやカラーなどの業務を補助してもらうことで複数の客を掛け持し、特に忙しいスタイリストともなるとカットと仕上げ以外はほぼアシスタントが担当するという仕事の仕方でなんとか回してるという人も中にはいます。

 

でも、そういう人は全体的には一握りで、今の業界の主流はひとりの美容師が自分の顧客を最後までひとりで担当するというスタイルだと思います。

これは美容師数の増加によって顧客を多く抱える美容師が減っているということもありますが、業界の人手不足でアシスタントが必要でも採用できなかったり、人件費や材料費の高騰でスタッフひとりひとりの生産性を上げなければならないからアシスタントを置くことができない美容室も増えてきているのだと思います。

 

 

最初は、そういった人手不足で本当は人員が欲しくても採用できないというところに、ロボットは入っていくと思います。

美容業界には、すでにオートシャンプーという自動でシャンプーをしてくれる機器がありますが、現状人の手がシャンプーしてくれた方が気持ちがいいから一部でしか浸透していません。

ですが、人と同じくらい、さらに人よりも気持ちがいいシャンプーができるものが開発されたら、美容室は喜んでこれを採用すると思います。

ヘアカラーのメニューでも、ホイルを使うようなデザインカラーはいきなり難しくても、技術が比較的簡単な白髪染めをしてくれるようなロボットならテクノロジーとロボティクスに強い企業が組んで本気で取り組めば近いうちに実用的なものを作れる気がしますし、そうなれば「白髪は染まればそれでいい」というくらいの人なら現在より安い値段で定期的なリタッチができる世の中になっていくと思います。

 

今でも白髪染めなどのカラー専門でやってるチェーン店みたいなところは増えています。

とにかく安く白髪を染めてくれたらそれでいい、という方にとっては大変便利なサービスだと思います。

本当はそうじゃなくても、日々の暮らしが厳しくなれば、生活水準を下げなければならないという理由でそういったお店を選択する人もいらっしゃると思います。

現代の日本においては、そういう方のほうが割合が多いのではないでしょうか?

 

単なる白髪染めのリタッチであっても、仕上がりの繊細な色の違いや頭皮や髪の毛への負担というものにこだわりのある人にはそこでは満足できないと思いますし、自分も全ての技術において自分なりのこだわりを追求したいと思って美容師をしているので、そういったこだわりを持った方や違いを理解してくださる方に選んでいただけるように日々精進している次第であります。

 

僕は自分の顧客さんに使うカラー剤は、基本的に自分が調合します。

それは、その人に合った調合を匙加減の微妙な違いにまで工夫して作りたいと考えるからです。

いつも同じ色を希望される方でも、季節やその時々の感覚や気分によって微妙に調合を変えることもあります。

塗布する作業は別のスタッフに任せたとしても、カラーの色味には自分のクリエイティヴィティみたいなものも少し入れたいと思っています。

 

当店には、その細やかな違いを理解してくださりそこに特別な価値を見出してくださっているから顧客となって通ってくださっている(もしくは違いはそこまでよくわからないけどそういう点に関して頑張っていそうだから応援の意味も込めて通ってくださってる)、という方の割合が比較的多いほうだと思います。

 

将来、美容師の仕事のうちロボットに代替されないところは、そういう作り手側の細やかな工夫や考えの詰まった人間ならではの技術の部分であってほしいなと思う今日この頃です。

 

 

 

日本はこれからさらに少子高齢化の時代を迎え、働き手の数も減少していきます。

現在においても毎年のように税金が高くなり一人ひとりの負担が大きくなっている原因のひとつは、働き手の母数が日本人の総人口の減少以上の割合で少なくなっているからです。

日本は社会構造においてこれから大きな改革をしていかないと、この先今よりも不便で厳しくなっていく現実が待ち構えています。

 

人間とAIやロボティクスがうまく共存することで、正念場を迎えつつある日本の将来に明るい光が差すことを信じて願っています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

今月の絵画

2025.11.02.

Posted on 11.02.25

いつも絵画を持ってきてくださるお客様が、また新しい絵画を持ってきてくださいました。

 

 

今回もとても素敵な作品です。

 

僕が万博のイタリア館に行ったという話を前回の時にさせていただいたのですが、それに掛けてイタリア代表のフェンシング選手を描いた作品を持ってきてくださったそうです。

 

現代の人を描いていますが、その佇まいはイエス・キリストのようです。

深みのある色彩なども、まるで西洋絵画のようです。

 

日本では昔から“スポーツの秋”と言いますが、この絵画に描かれている青年のように、運動に取り組んで気持ちのいい汗をかきたいですね。

 

みなさま、ご来店の際は、ぜひこちらの作品もご覧になってみてください!

Apple Music playlist “v:olta”を更新いたしました。

 

 

 

微睡んでいるうちに過ぎ去っていきそうな今年の秋。

そんな気分を叙情的に表現してみるなんてことは全くしていませんが、最後構成する時だけなんとなくそれっぽいイメージでレイアウトしてみました。

 

全然ちゃうやんけ(Kelly Lee Owensのあたりとか特に)という批判がある方も、どうぞその気持ちはそっと心の奥に閉まっておいてください。

 

 

weekend navigation

2025.10.24.

Posted on 10.24.25

ようやく秋らしい肌寒さも感じるようになってきた今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

 

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先日、カラヴァッジョの名で知られる芸術家,ミケランジェロ・メリージの伝記映画『カラヴァッジョの影』を観ました。

 

 

カラヴァッジョは、優れた芸術家である一方で、カトリック教会の重要な会議であるトリエント公会議からは反逆児と見なされ素行も荒々しいものがありました。

 

現代でもバロックの巨匠として素晴らしい作品と共に名を残すカラヴァッジョですが、今の時代にどれだけ素晴らしい作品を作ったとしても素行が悪い芸術家がいたとしたら、果たしてその作品は高い評価を得ることができるのでしょうか?

 

時代は変わりました。

 

もちろん、今の世の中の方が昔の暮らしよりも遥かに便利で安心して生活できるので、良くなったところの方が圧倒的に多いのだと思いますが、一方で、芸術家が表現する時代としては少し制約が厳しすぎるように感じ、会社のコンプライアンス問題なんかでもいくらなんでも過度になり過ぎているところも出てきているのではないかなと思ったりします。

もちろん、良くないことは良くないし、それで気分を害す人がいるのなら改めるべきですが、一方で社会や人々から寛容な心がなくなってきているということの裏返しでもあるのではないかなと感じています。

 

映画は、カラヴァッジョの波瀾万丈な人生を知れるのと共に、彼の描いた素晴らしい作品なども登場する映像美もとても良かったです。

ご興味のある方は、こちらもぜひご覧になってみてください!

 

 

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今週末のご予約にはまだ空きがございます。

ご来店をお考えの方は、この機会にぜひご予約くださいませ。

みなさまのご来店を心よりお待ちしております!

Posted on 10.07.25

昨日のお休みは、シアタス心斎橋でポール・トーマス・アンダーソン監督の新作『ワン・バトル・アフター・アナザー』を観てきました。

 

 

個人的には、普段はハリウッド系よりカンヌ系の映画の方を好んで観るのですが、先日のウェス・アンダーソンやこのP.T.A.(ポール・トーマス・アンダーソンの愛称)は別腹という感じで、新作が出ると聞くと楽しみになります。

 

内容はめちゃくちゃハリウッド映画ですが、今作もとても面白かったです!

 

今、「映画って最高!」って思わせてくれるようなエンタメ・ハリウッド作品を作らせたらP.T.A.の右に出るものはいないのではないでしょうか?

(他に思いつくのはタランティーノとか?)

 

 

ディカプリオもチヤホヤ感先行しまくりの若いイケメン時代から、年齢を重ねて今はこんな良い役者になるなんて…

 

 

僕は、ディカプリオは今の方が絶対にカッコイイと思うのですが。

 

 

 

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この日は朝、メジャーリーグのプレーオフを観たところだったので、エンドロールでは心の中で「P.T.A.! P.T.A.!!! 」の大合唱をしていました。

 

ご興味のある方は、ぜひ映画館に足を運んでみてください!