PRODISM -sacai-

2023.03.08.

Posted on 03.08.23

そこまで強い興味もないのに、PRODISMのsacai特集号を買ってみました。

 

 

 

sacaiデザイナーの阿部千登勢さんは、ブランド立ち上げ前はCOMME des GARCONSでパタンナー/ニットウェアの企画を担当していた経歴を持っています。

 

sacaiは、当初は面白いニットを作るブランドという印象がありました。

ブランドの成長と共に手掛ける洋服の種類を増やし、今ではパリコレのsacaiのランウェイには世界中のバイヤーが集まる人気ブランドへと駆け上がりました。

 

阿部千登勢さんの旦那さんは、こちらもkolorを手掛けるファッションデザイナー, 阿部潤一さんです。

もともとはPPCMというブランドで業界からも注目されていました。

 

sacaiの洋服は、トレンドを捉えたセンスの良さの中に実験的でニッチな要素が入っています。

そのニッチさはもともと阿部千登勢さんが持ってた部分もあると思いますが、旦那さんである阿部潤一さんからの影響も少なからずあるのではないかなと感じています。

 

現代のモード界では、少し前にValentinoを復興させたピエールパオロ・ピッチョーリとマリア・グラツィア・キウリの男女コンビ(現在は解散、ピエールパオロのみ留任)や、現在もトレンドセッターの位置にいるJil Sanderを手掛けるルーシー&ルーク・メイヤー夫妻、一番最近ではPRADAにおけるラフ・シモンズを招聘してのミウッチャ・プラダとの協業体制など、デザイナー職に男女二人を置くブランドも珍しくありません。

 

ジェンダーの多様性が謳われている現在、こういうことを言うのもナンセンスかも知れないですが、ファッションやバランス感覚においてセンスの良い人は男性よりも女性の方が圧倒的に多いように思います。

でも、豊富な知識量など、突き詰めるタイプのオタク気質な人は逆に男性の方が多いです。

ここにおいても大事なのはそのバランス感覚で、その両方の要素がどれくらいの割合で配合されているかによって「玄人受けもしつつ売れる」領域が存在します。

(僕個人的には、玄人寄りであんまし売れないけどしっかり継続できているようなブランドの方が好きですが)

お互いの強みをハイブリットさせる男女共同デザインというのは、浮き沈みが激しいモード業界で成功し続ける為にも理に適った戦略だと思います。

 

 

僕はsacaiは昔何着か買ったことがありますが、以前とはニッチさが幾分薄まった(その分爆発的に売れるようになった訳ですが)ように思える最近のsacaiは個人的には買いたくなるようなブランドではなくなりました。

これだからオタク気質のメンズは扱いが難しいです。

 

という感じの、sacai及び最近のモード界のトレンドへの雑感でした。

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.868

2023.01.21.

Posted on 01.21.23

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

 

表紙は韓国出身のモデル, Sora Choiです。

 

今号のイタリアンヴォーグには全力で「それや!」と言いたいです。

東洋と西洋のハイブリットで素晴らしい世界観に仕上がっています。

 

 

 

日本版ヴォーグとか、大衆向けにK-POPアイドルとかを表紙にしている日本のモード誌はこれを見習って正気に戻ってほしいです。

 

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他の写真も素晴らしかったです。

 

 

コラージュも作為性を極限まで抑えて超ハイセンス。

 

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洋服とアクセサリーを同系色で合わせたスタイリングも控え目で、“色合わせてるんですよ感”が全くありません。

 

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でもね、イタリアンヴォーグさん。

今号の内容はほぼ完璧ですよ。

編集長が変わってからちょくちょくアメリカっぽいことするなと思う時もありますが、やはりちゃんとすればさすがのセンスだと思っています。

 

ですけれども、このスタイリングの感性だけはギリギリアウトなんじゃないかと僕は思ってしまいました。

 

 

 

 

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でもやっぱりイタリアンヴォーグは素晴らしいです。

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.867

2022.12.23.

Posted on 12.23.22

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

表紙はイタリアのロックバンド, MANESKINです。

日本でも今年のサマソニで来日していました。

 

僕はロックが好きなのですが、MANESKINには今まで全く反応してなかったので、今回表紙になってたのをきっかけに少し聴いてみましたが、悪くないし良いバンドなのでしょうが、個人的にはアルバムを何度も聴きたくなるようなアーティストではなかったです。

長年、音楽を聴いているとそういう自分の嗅覚というものも、ある程度形成されてきます。

 

その点、DAZEDとかでフューチャーされているアーティストの方が、カルチャーのツボを捉えている感じがします。

魚嫌いの僕はカルシウム不足ですが、イタリアンヴォーグはカルチャー性に関しては少し不足気味です。

 

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イタリアンヴォーグの弁慶の泣きどころを突くようなことはこれくらいで終わりにして、MANESKINファンの為にも中の写真を少しご紹介いたします。

 

 

 

はい、終わりです。

 

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重箱の端を突くようなことを指摘しましたが、イタリアンヴォーグの撮影への拘りは相変わらず唯一無二の素晴らしいものがあります。

 

 

 

 

 

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ。

Posted on 12.15.22

gap PRESSの最新号が届きました。

 

 

表紙は、2年半ぶりにフィジカルショーを行ったドリス・ヴァン・ノッテンの写真が選ばれています。

 

ということで、今回はドリスのコレクションからご紹介させていただきます。

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DRIES VAN NOTEN

 

3部構成で展開されたショーの序盤を飾った黒で統一された洋服群は、ウクライナ出身の芸術家,カジミール・マレーヴィチの作品「黒の正方形」から着想を得たもの。

僕はドリスでも黒い服をよく買うのですが、ドリスの黒は、黒でもやわらかいんです。

リック・オウエンスやアン・ドゥムルメステールなど、黒を基調とするブランドの力強い黒ももちろん好きですが、ドリス・ヴァン・ノッテンやハイダー・アッカーマンなど折衷主義なブランドの作り出す黒い洋服も、僕は大好きです。

ショーが進むにつれ、ランウェイは、よりドリスらしい華やかなカラーに包まれていきます。

 

コロナ中に発表したデジタル形式のコレクションも良かったですが、やはりドリスはフィジカルショーで見たいブランドだと改めて感じました。

その価値があるブランドだと思うから。

 

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CHANEL

 

シャネルが今シーズンのインスピレーション源にしたのは、アラン・ロブ=グリエによる映画『去年マリンバートで』。この映画の衣装はココ・シャネルがデザインしていました。

映画の中のシャネルの衣装ももちろん良いのですが、『去年マリンバートで』は、映像美が素晴らしい作品です。

映画と比べると、僕には今回のシャネルのコレクションはちょっとキャッチー過ぎる感じがしてしまいます。。(でも、モードとはそもそもそういうものだと思っています)

逆を言えば、それだけ素晴らしい映画だと思いますので、ご興味のある方はぜひ映画の方もご覧になってみてください。

 

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Rick Owens

 

先日、ラフ・シモンズの終了が発表されましたが、リック・オウエンスはデザイナーズブランドという存在のあり方において最も成功しているブランドのひとつかも知れません。

 

コレクションでリックほど高い芸術性を出しているブランドは他にありませんし、アンやハイダーなど世界観の強いデザイナーズブランドが近年苦戦しているのを他所にリックは商業面においても成功しています。

リックのようなブランドのあり方は、多くのデザイナーズブランドにとって理想形のように思えます。

 

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RAF SIMONS

 

 

そしてブランドの終了が発表されたラフ・シモンズの最後のコレクション。

ラフは90’s後半に彗星のようにモード界に現れ、瞬く間に人気ブランドとなりました。

少し前にラフの昔のアイテムがヴィンテージとして注目されたりしましたが、90’s後半~2000年頃のラフの洋服はもっとザラついたものだったと思います。ストリートやカルチャーを剥き出しのままモードの世界で表現してたような感じでした。

このラストのコレクションを見ても、ラフは洗練されていく中で自身の最大の武器が失われていってしまったのかなと思ったりします。

もちろん洗練されたからビッグメゾンのデザイナーにも起用されるようになったメリットもあると思いますが、僕個人的にはラフのシグネチャーは洗練させ過ぎずに、あの頃の剥き出しの精神性を貫いて欲しかったなと、今となっては思います。

またいつかブランドが再開される日を、今から待ち望んでいます。

 

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という感じで今回はこれくらいで終わりにさせていただきます。

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

Posted on 12.04.22

gap PRESSの最新号は、2023 S/S ミラノ,NYコレクション特集号です。

 

 

表紙はトム・フォードのコレクションのものです。

この全盛期の西城秀樹ばりのギラギラ感。

日本国内のブランドやお店も、The LowやJil Sanderのパクリみたいなことばかりやるんじゃなくて、もっとそれぞれに個性を出してほしいです。(その結果潰れても僕は責任取れませんが)

 

 

gapとかもSNS全盛のこのご時世において本当によく頑張ってる雑誌だと思います。

僕も流石にgap COLLECTIONを毎号買うだけの財力や本棚の余裕はありませんが、gap PRESSはいつも楽しみに購入しています。

そしてお客様用の雑誌としてもgap PRESSがあるかないかでは大きく変わってきます。

同様になくては困る雑誌として、STREETの復活も待ち望んでいます。

 

 

こうやってトレンドの傾向も纏めてくれていますので、ファッションに詳しくなりたい方は、ちゃんとお金出して買いましょう。

 

ということで、ブランドをいくつかピックアップしてご紹介いたします。

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GUCCI

 

先日、ミケーレ退任に関して少し思いを書かせてもらいましたが、結果的にこれがGUCCIにおけるミケーレ最後のコレクションとなってしまいました。

コレクションのテーマは「Twinsburg」

ミケーレ自身の母親が双子であることが着想源らしいです。

モデルは全て双子のモデルが起用されています。

お互いに手を取り合いランウェイを闊歩するモデル達。

叙情的であり、アイコニックでもあり、ダイバーシティでもある、文句なく素晴らしいコレクション。

この才能の何が不満だと言うのでしょう?

ミケーレには、次の舞台でも存分にその才能を発揮してほしいなと思います。

 

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PRADA

 

 

こちらは先日シグネチャーブランドの終了を発表したラフ・シモンズがディレクションするPRADAのコレクション。

ラフ・シモンズ終了は残念ですが、ラフのデザインがPRADAで見れて、本人がメゾンの仕事に満足しているなら、それで良いのではないかと思います。

 

メゾンに雇われながら自身のシグネチャーブランドも手掛けるデザイナーはラフ以外にもいますが、デザイナーにとって自分のやりたいことが好きにできるのがシグネチャーブランドです。

自身が経営にも関わるので赤字が出たらアジャパーですが、市場規模を広げ過ぎなければクリエイティヴ性は自由自在です。

 

逆にラグジュアリーメゾンでデザイナーをする最大のメリットは、潤沢な予算をバックに最高級の素材を選び使用することができ、そして何よりメゾンが持つ最高峰のクチュリエ達が自身のデザインした洋服を仕立ててくれるということです。

 

シグネチャーブランドでは、資金力や職人の技術力はどうしてもラグジュアリーメゾンに劣りますが、その分クリエイティヴ面では自由。逆にラグジュアリーメゾンでは、ある程度そのブランドの意向に沿う必要がありますが、メゾンの資金力や技術力は高く、更に結果を残せばクリエイションの自由度を上げることもできます。

 

今回のラフの場合は、今のPRADAで与えられている自由度や裁量権に満足しているから、シグネチャーの終了に踏み切れたという見方もできます。

それくらいラフとミウッチャの関係性は、現状良好なものに見えます。

 

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最後はN.Y.から

PETER DOのコレクション

 

今回のコレクションで初のメンズウェアを発表しました。

ファーストルックを飾ったのは、K-POPのNCTというグループのJENOという人らしいです。

30万人以上のフォロワーがいる大人気スターらしいです。

知らんけど!

こんなところにまでK-POP旋風が来てるのですね。

韓国人はスタイルが良いので、知らないと全然アイドルだと気付かないです。

(そんな言い訳をする奴を世間ではオッサンと呼ぶ)

PETER DOは元々メンズからの支持も高かったブランドなので、今回のメンズウェアの発表を待ち望んでいたファンも多いのではないかと思います。

ファーストルックに起用するモデルが、エリアス・ベンダー・ロネンフェルトとかなら、僕も購買意欲が湧いたかも知れません。

 

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という感じのコレクション雑感でした。

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

WWD JAPAN

2022.11.18.

Posted on 11.18.22

WWDの2023年春夏トレンドブックが届きました。

 

 

こんなにファッションのことも勉強しているのに(今の時代WWDを購読している美容師なんて全体の0.01%もいないのではないでしょうか。。)、巷のSNSインスパイア系オシャレ好きの若者達は全然当店を選んでくれません。

またこんなことを書くとそんな子達は益々来てくれなくなると思いますが。。

 

当店は、今となっては国民全体の0.01%いるかいないかというくらいマイノリティなものとなってしまった感性をお持ちの方々の為のサロンであれば、それで良いと思っていますし、そういう方々に支えられてなんとかこれまで時代に媚びることなく、道に逸れることなく、その姿勢を貫くことができています。

 

WWD JAPANで頑張ってらっしゃるみなさまも、本当はあまりミーハーなことはしたくないという熱い志を持った方々の集まりだと思うので、時代の変化に流され過ぎず、これからも素晴らしいモードの世界を知的に伝えていってほしいです。

 

先日、僕の書いているブログを読んでくださった(今は東京に転居された)お客様から、わざわざメールで連絡をいただきました。

その中で「伝わる人には伝わります」と書いてくださっていました。

本当にそこだと思っています。

 

伝わる人に「揺るがないな」と思ってもらえれば、それで良いです。

 

そういう自分達のしていることをわかってくださるような感性を持っていらっしゃる方をガッカリさせることだけはしたくない。

 

そんなことをしてしまえば、ただでさえ大したことのない自分達の価値なんて本当に何も無くなってしまいます。

そんなことをするくらいなら、お店なんて潰してしまった方がマジでマシです(ラップ風に言った訳ではない)。

 

なので、WWDを読んで、より一層精進いたします!

 

「なにも変えてはならない。すべてが違ったものとなるように」 by ロベール・ブレッソン

VOGUE ITALIA N.866

2022.11.11.

Posted on 11.11.22

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

表紙は、アーバン・フラメンコの歌姫との異名を持つスペインのシンガーソングライター, Rosalíaです。

僕はこのアーティストを知らなかったのでちょっと聴いてみましたが、案の定ドンピシャな感じではなかったです。

 

別の雑誌ですが、DAZEDにフューチャーされるようなアーティストの方が個人的には好みです。

それはVOGUEがモード誌なのに対して、DAZEDはあくまでカルチャー誌を謳っているくらいにカルチャーへの精通度合いが違うからだと思います。

ファッションが好きな方には、ファッションだけに強い興味がある人と、カルチャー全般にも強い興味を示す人と、2パターンあります。

僕は完全なる後者(しかもファッションが一番手ではない)なのですが、(自分がそうだから言うのではないですが)特にメンズファッションにおいてはカルチャーも知っておいた方がファッションは断然楽しいものになります。

スタイリングの見え方も変わってきますし、選ぶものも変わってくるかも知れません。

超オススメです。

興味はあるけど、どこから手をつけて良いのかわからないという方は僕に聞いてください。

帰るまでにその人に合いそうなワードを10個くらい出すことはできます。

(気に入ってもらえるかどうかの自信はないですが)

 

少し話が逸れましたが、誌面の芸術性はDAZEDより当然イタリアンヴォーグの方が上なので、だからこそイタリアンヴォーグには変なキャッチーさを出さずにアップカミングなモデルとかを表紙にも起用してくれたらそれで十分です。

 

でも、誌面のフラミンゴ感溢れる写真は、さすが素晴らしいものでした。

 

 

 

僕は目立つことも苦手ですし、テンション上がって踊り出すなんてことは今後も皆無な人生だと思いますが、この上の写真の誰かの役を代わりにしないといけないとしたら、ソッコーで真ん中の人(それも相当に嫌ですが)を選びます。

 

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マジでどうでも良い話は置いておいて他の写真もご紹介いたします。

 

 

 

 

 

 

内容は相変わらず、準最高です。

最高でも良いのに“準”を付けているのは、元編集長である故フランカ・ソッツァーニに敬意を表してのものです。

 

僕にとっては、彼女の手掛けていたイタリアンヴォーグが、過去にも、おそらくはこれから先にも、最高のモード誌であることに変わりはないと思います。

 

本誌はお店に置いてますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ。

Posted on 11.10.22

現在、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催中のティルマンスの回顧展の図録を購入しました。

(もちろん実際観になんて行けておりません)

 

 

 

なんて素敵なカバーワークなのでしょう…

例え中身がアロンアルファでガチガチに固められてて見ることができなかったとしても、表紙だけで5000円くらいなら出すかも知れないです。(世間ではその中身のない買い方を“映え”と呼ぶ)

 

もちろん“映え”で買った訳ではありませんし、当店に置いている写真集や図録の数々はどれもその本を説明しろと言われたら、それなりに説明できるものばかりです。

(中には詳細を忘れてしまっているものもあると思いますが…)

 

 

僕は2015年に大阪で開催されたティルマンス展には行きましたが、今回のMoMAでの展示はティルマンスにとって過去最大級のものだそうです。

 

本書に掲載されている作品を少しご紹介いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

もっと日本にもティルマンスとか好きな若い世代の子が増えてほしいです。

日頃から美術館に足を運ぶような若い方が今よりももっと増えたら、将来の日本ももっと面白い国になるんじゃないかと思うので。

 

当店も、お店に通ってくださってるお客様の感性がさらにブラッシュアップされるような仕事やお店作りができるように、日々技術と感性を鍛錬して参ります。

 

本書はお店に置いてありますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.865

2022.11.04.

Posted on 11.04.22

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

 

 

表紙はイタリア人のモデル, Mariacarla Bosconoです。

 

今号のテーマは、『PUNTO DI EQUILIBRIO』

「バランスポイント」という意味です。

表紙のポーズと紐の屈折具合も絶妙のバランスです。

 

ファッションのスタイリングやヘアスタイルにおいてのシルエットは、細部の匙加減によって微妙にニュアンスが変わります。

そこで重要になってくる要素がバランス感覚です。

 

 

 

モード界の中心で活躍している人達クラスになると本人の努力に加えて天性の才能も必要だと思いますが、感性におけるバランス感覚というのはある程度磨くことで精度を上げることができる要素だと思っています。

僕もそこうやってイタリアンヴォーグを買い続けているのも、そういう部分を磨いて精度を上げたいという目的もある訳です。

 

 

 

 

何を参考にするかで感性のベクトルは変わってきますが、イタリアンヴォーグのセンスはピラミッドで言うと頂点にあります。

 

でも残念ながら、日本のマジョリティをターゲットにするなら、イタリアンヴォーグなんてハイセンス過ぎて意味わかんないみたいな事態になってしまうのが現状です。

 

単なるファッション性ではなく、感性を芸術の域に近いところまで近づけたいという方には、イタリアンヴォーグはぜひオススメです!

 

 

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ。

 

Posted on 11.02.22

イタリア人のファッションフォトグラファー, Davide Sorrenti の新たな写真集『My Beutyfull Lyfe』

 

 

 

本書は、ダヴィデが1995年から1997年の間に撮影した写真が掲載されています。

編集とデザインは、母であるFrancesca Sorrentiが手掛けています。

 

一面寒色の中にパンツの強い赤が差す表紙がとても鮮やかです。

 

90年代後半は、まだアナログの時代で、(デジタル時代に移り変わったからそう感じる)アナログだからこその魅力というのがそこにはありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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このショットはケリー・ライカートの映画『River of Grass』のワンシーンのようです。

 

 

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この作品なんか規制が厳しくなった今の時代では一発レッドをもらいそうです。

(ナチスドイツを連想するとか思われそう)

 

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という感じで、これら以外にも魅力的な作品がたくさん収録されていました。

 

本書はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

 

Posted on 10.29.22

今回初めて発売されたイギリスの音楽カルチャー誌,So Young MagazineのJapan Exclusive Issueと、ele-king別冊のVINYL GOES AROUND presents RARE GROOVE。

 

 

どちらも最近発売された2冊。

ファッション(服)で例えると、最先端のモードと、コアな服好きが通う古着屋さんみたいな特徴の2冊です。

カルチャーにおいては、最先端を追い続けること、膨大に存在する過去のシーンを網羅していくこと、そのどちらかだけでも十分に楽しいですが、僕は欲張りなのでその両方を嗜んでいます。

どちらもお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

 

Dazed Fall 2022

2022.10.27.

Posted on 10.27.22

Dazedの最新号が届きました。

 

 

Dazedはカルチャーとファッションを備えたUKのクリエイティヴ誌。

 

同じくUKのクリエイティヴ誌ではi-Dマガジンというのもありますが、i-DはDazedに比べて若者寄りのターゲットで、その分分かり易さがあるので日本でも美容師さんとかに人気があるのだと思いますが、僕はi-Dを買うならDazedを買います。

 

エッジの効いたカルチャーを発信し、アヴァンギャルドでありながら洗練されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誌面もアート作品のようです。

 

今から10年くらい前までは、Dasedの日本版も発売されていて当店ではそちらも買ってお店に置いていました。

今は日本版は無くなりましたが、今はDazed Koreaという韓国版が出ています。

僕は韓国版は買わないですが、それだけ今の日本よりも韓国の方が世界基準のモードというものを理解し、目指しているということなのだと思います。

日本の10代,20代の若者にも、もっとDased UKとかを見て世界基準の感性を視覚で感じて欲しいです。

 

ということで、本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方はご来店時にぜひご覧くださいませ!

Posted on 10.20.22

AnOther Magazineの最新号が届きました。

 

 

実は表紙は、このAna de Armasバージョンとは別にBjörkバージョンがあって、公式アカウントでその情報を得てからというもの、毎晩寝る前に胸の上で手の指をクロスさせて祈りを捧げるという日々を続けていたのですが、先日手元に届いたのは写真の方でした。。

めちゃショックです。

 

でも、来年のBjörkのコンサートは無事当選しました!

今から楽しみです。

 

今度から寝る前に願い事をする時は、このBjörkの手のポーズに変更しようと思います。

 

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中の写真も少しご紹介いたします。

 

 

うっかり見逃しそうになりましたが、この写真の右側のやつはロバート秋山のネタがパクられています。

「イタリアだからバレない」と思われてたらナメんなって感じです。

ちなみにLOEWEのTシャツらしいです。

アンダーソン、この野郎。

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Björkのポートフォリオは縦長でした。

 

 

カメラマンは、なんと盟友Nick Knightが直々に撮影しています。

衣装はGUCCIのアレッサンドロ・ミケーレによるものらしいです。

 

ミケーレ、こんなアーティスティックで繊細なこともできるんかい!と驚きました。

(スタイリングはEdda Gudmundsdottirによるものだとしても)

 

でも、Björk, Nick Knight のマッチアップなら、あとは衣装がマックイーンのものであれば僕は泣いていたと思います。

 

 

 

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ということで今号も見応え十分でした。

本誌はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

90年代ディスクガイド-USオルタナティヴ/ インディ・ロック編- を購入しました。

 

 

Sonic Youthに始まり、Pixies, Daniel Johnson, Galaxie500, Dinosaur Jr., Nirvanaなどの90年代初期~Beck,Nine Inch Nails,Pavementなどの中期、そしてYo La TengoやTortoiseなどが台頭する後期と、3つの時期に分類されています。

 

このあたりの音楽は好きでよく聴いていましたが、500枚も紹介してくれていると聴き逃していた作品もいくつかありました。

好きなアーティストやそのアルバムであっても、レビューを読んでまた久しぶりに聴きたくなるというのもディスクガイドの良いところです。

 

この時代はロックにおいて“シーン”というものがその地域に発生した最後の時代ではないかと思います。

インターネットで世界は繋がり、人々の暮らしは一気に便利になりましたが、ある程度村社会的な情報伝達力しかない時代に新しく生み出されたものの強みや魅力というものは、今の時代では作り出せないようなパワーがありました。

 

新しい音楽もいいですが、古い音楽も今聴いても良いと思えるし色褪せないと感じるのは、その時代その地域に存在した空気感というものがそのシーンや楽曲そのものに内包されているからだと思います。

 

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ここからは余談ですが、先日仲の良いお客様に僕のファッションはカテゴライズすると「ファッション・オルタナティヴ」だと評していただきました。

(多分、悪い意味ではないと信じていますが、自信はありません)

 

知らずのうちに僕のファッションにもオルタナティヴの血が流れているのかと、少し嬉しく思いました。

“オルタナティヴ”という言葉の定義は、(そのシーンにそれなりに詳しい人の間でも)人によって微妙に異なるところがあると思います。

“アンニュイ”という言葉の意味を説明しなさい、と言われるのと同じく、一言では言い表せない複雑さやそのシーンに漂う独特の空気感というものがあります。

 

本書では、オルタナティブのひとつの定義として「主流ではない」という言葉が使われていました。

これも「なるほど、そうだな」と思います。

(少し付け加えるなら、自身のスタイルが確立させていて且つそれが主流ではない、というニュアンスでしょうか)

 

 

ファッションにおいても、今はSNSやインターネットを通じて膨大な情報をキャッチできる時代です。

 

だからこそニッチな情報にも手が届きやすくなった訳ですが、過半数の人達の視界にはそれまで以上にマジョリティなものの情報ばかりが目に入り、そして多くの人がそれを真似したいと思ってしまうような時代になってしまいました。

コンサバが加速して、モードやカルチャーの表面的な部分も抉られ、その犠牲になってきてしまっているような感じがします。

 

バンドTシャツとかも、そのバンドが好きで着ている人もいれば、アートワークのデザイン性を含めてファッションとして取り入れている人の方が(そういうのは以前もありましたが、特に今の時代は)多いのではないかと思います。

 

最初はファッションとして興味を持った方でも、それをきっかけにそのアーティストの曲を聴いてみようと思う人が少しでも増えて、その結果カルチャーに興味を持つ人が増えることで“マジョリティではない”音楽や映画などの業界が潤ってくれることを期待しております。

 

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また文章が長くなってしまったお詫びと言っては何ですが、オルタナティヴに纏わる話をひとつ。

(お詫びで更に長くするという…)

 

“オルタナティヴ三大名曲”というのがあると昔聞いたことがあります。

みなさん、その3つが何の曲かわかりますでしょうか?

 

ひとつは皆さんご存知Nirvanaの“Smells Like Teen Spirit”、2つ目はBeckの“Looser”、そして最後のひとつはRadioheadの“Creep”らしいです。

(3つの中でRadioheadはUKのバンドですが、UKにもオルタナティヴは存在します)

 

このうちカート・コバーンとトム・ヨークは、その一般的に「名曲」と思われるような分かりやすい曲を作ってしまったことの副反応に死ぬほど悩まされた(実際にカートは死を選びました)訳ですが、Beckにはそんな感情は微塵もなさそうです。

そんなところにもオルタナティヴ・シーンにおけるアーティストの生き方の違いが現れていると思います。

 

本書はお店に置いていますので、ご興味のある方は待ち時間などにぜひご覧くださいませ!

VOGUE ITALIA N.864

2022.10.04.

Posted on 10.04.22

イタリアンヴォーグの最新号が届きました。

(と言っても先週には余裕で届いてました)

 

 

表紙の女優は、皆さんご存知のジジ・ハディッドです。

僕がこういう風な書き回しをする時は、著名なセレブはあまり使ってほしくないという意に反したモデルが表紙に起用されている時です。

 

今号のテーマは、『Il nuovo MONDO della MODA』

「新しい世界のファッション」という意味です。

 

とても力強いテーマ性です。

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中の写真もそのテーマに沿った素晴らしいポートフォリオが並んでいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ご興味のある方は、待ち時間等にぜひご覧くださいませ!